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婚約いたしましょう18

 部屋の中に入りますと、そこには国王であるお爺様がいらっしゃいまして、わたくしを見てにっこりと微笑みましたがその後ろにいるジェイドとフリティラリア様を見て一瞬だけ目が笑っていませんでしたわね。

 わたくしはソファーに座ることを許可されましたけれども、ジェイドとフリティラリア様は座ることを許可されませんでした。

 うーん、ジェイドはともかくあからさまに魔人だとわかるフリティラリア様を蔑ろに扱うのはよくないと思いますわよ?


「ブルーローズ。体調の方はどうだ」

「おかげ様でよくなっておりますわ」

「それは何よりだ。一ヶ月も昏睡してしまって、やっと目が覚めたと思ったら離宮に移動するなどという強行に出たものだから心配でたまらなかったぞ。しかもこちらが準備した使用人を全員異動させてしまうし」

「それに関しては申し訳ありません。けれども、わたくしなりに後悔の無い選択をした所存でございますわ。使用人に関しては、疑っているわけではございませんけれども、やはりわたくしの身の回りの世話をする者は信頼できる者を置きたいのです」

「そうか。あの離宮をお前の世話を含めてたった六人の使用人で管理出来るとも思えぬが、何かあったらすぐに言うように」

「お心遣いありがとうございます。ところで、早速ですが、本日お伺いした件についてお話をさせていただいてもよろしいでしょうか?」

「婚約についてであったな。ブルーローズの誕生日パーティーも済んでいないし急ぎ決める必要もないと思うのだが、気になる子息が居るのか? 正直なところ、ブルーローズの婚約者についてはアンデルフ皇国との兼ね合いもあるから容易に決めることが出来ない状況だ」

「ええ、このブルーローズ。お爺様方のお手を煩わせる気はございませんわ。婚約者でしたらもう決めましたのでご安心くださいませ」

「今何と?」

「もう、決めましたので、ご安心くださいませ。婚約契約書も交わしております」

「……相手は、そちらの魔人か?」

「おわかりなのでしたら、わたくしの婚約者にソファーに座っていただいてもよろしいでしょうか?」


 わたくしの言葉にお爺様が眉間のしわをほぐすように指を当てて、かろうじて聞き取れる声でフリティラリア様に座る許可を出してくださいました。

 本来ならお爺様の許可などなくても座ってよろしかったのですが、フリティラリア様ってば変な所で律義ですわね。


「まさか、我が孫が魔人に誑かされるとは思わなんだ」

「お言葉ですがお爺様、その認識には誤りがございますわ。プロポーズをしたのはわたくしからでしてよ」

「お前が時折こちらの想像の斜め上から一回転して着地点が不明な行動をするのはよくあったが、流石にそれはないだろう」

「まあ、事実ですのに認めていただけないのは悲しゅうございます。魔国の魔王陛下のご子息であり、次代の調停者の資格保有者であるフリティラリア様にわたくしが正式にプロポーズをいたしまして、魔王陛下にご許可を頂きまして婚約をいたしましたの。昨晩は魔国でわたくしのお披露目もしていただきましたわ」

「……出会いは?」

「前世からの縁でございます」


 きっぱりと言うとお爺様は胡散臭そうな視線を向けては来ましたが、わたくしは嘘は言っておりませんわ。


「魔王陛下に認められ、魔国で披露が済んでいるというのであれば、挙句に契約書も交わしているというのであればこちらが何を言おうとも撤回は無理か」

「そうですわね。ここは大人しく認めてくださいますと嬉しいですわ」

「ブルーローズの遺伝子上の父親には伝えるのか?」

「あのお金だけかかる木偶の坊に伝える義理はございませんわね」

「実の所、ブルーローズの婚約についてはアンデルフ皇国と調整をして相応しい者を決める予定だったのだが」

「無駄に時間を消費し、頭を悩ませるという手間が省けて良かったですわね」

「婚約の決め手はなんだ?」

「絶対攻略不可だからですわ」

「すまん、意味が分かる言葉で説明してくれ」

「番が出現する以外で他の女性に靡かない方ですので、わたくしの将来の旦那様として相応しいと思いプロポーズいたしました」

「何を根拠に?」

「前世の知識ですわ」

「…………………………そうか。フリティラリア様でよいですかな? ブルーローズはこのように少々奇抜な所がある娘だが悪い子ではないのです。見捨てないでやっていただきたい」

「魔人にとって人族の寿命など一瞬だ、少しの間の余興と思って見捨てることはしない。こちらにも事情があるしな」


 なんだか失礼な事を言われている気がしますけれど、心の広いわたくしは許して差し上げますわ。

 それにしても、お爺様ったらわたくしの言葉の意味を探る事を諦めたようですけれどもこれで国王だなんてこの国は大丈夫なのでしょうか?

 『花と星の乙女』が始まった時にはお爺様は引退なさって伯父様が国王に就任していらっしゃいますけれど、もしや既に思考能力に支障が出ているのでしょうか?

 流石に思考能力を復活させる霊薬はございませんわよね? 一時的に外見年齢を操作する妙薬はございますけれども、見た目が変わるだけで中身は変わりませんもの。

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