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婚約いたしましょう13

 晩餐会は五十名ほどが出席するものでございまして、魔王陛下のお妃様やお子様はもちろん、魔国の主要人物が集まっているというだけあって皆様自信にあふれたご様子ではありますが、一様にお疲れの色を帯びていらっしゃるようにも見えます。

 魔人ばかりが集まる中、子供のしかも人族であるわたくしがフリティラリア様の隣の席に座っているのが気になるのか、チラチラと視線が投げかけられてくるけれどもわたくしは微笑みを浮かべたままお人形のように大人しくしております。


「本日は急な晩餐会に参加してくれたことを感謝する。まず先日発表したように新たに魔国統治資格保有者が現れた。それがこのブルーローズ嬢だ。人族ではあるがミアアステリを名乗ることが許された魔国に於いてフリティラリアと同じく序列第二位になる」


 魔王陛下の言葉に会場に集まった方々が驚きの声を上げます。

 まあ、すでにフリティラリア様という男性最上位統治資格保有者がいるというのに、わたくしという女性最上位統治資格保有者が現れた事がおかしいというのもございますのよね。

 最高位が二人、同列扱い。同じ魔人同士であればまだしも片方が人族の子供となれば心穏やかでは居られませんわよね。


「また、諸事情によりブルーローズ嬢をフリティラリアの婚約者とする」


 その言葉に先ほどより大きなどよめきが湧き上がりました。

 あちらこちらから魔王陛下に対して質問や否定の言葉が飛んでくるけれども、魔王陛下はその全てを華麗に無視なさっていますわね。

 それにしても、婚約発表までは無かった殺気を含む視線。

 悪くないですわ。

 さて、先手必勝と後出しじゃんけん、どちらがより面白いでしょうか?

 わたくしはまったりのんびりそしてたまに少しだけ刺激的な日常を過ごしたいだけであって、魔国を統治したいわけではありませんし、そもそも統治とか面倒そうですのでやりたくありませんからわたくしの存在を強烈に印象付けつつも、余計な刺激をせずになるべく関わってこないように対処を――。


「″トゥース・アストレア・ムーヴマン″」


 わたくしの発した呪文に会場に居る『全員』の動きが止まりました。

 それを確認して「″フロットゥモン″」と呟いて体を浮き上がらせまして空中にとどまりましたら優雅にカーテシーをしてたっぷりと時間をおいて頭を上げにっこりと皆様に向かって笑みを向けます。


「ご紹介いただきました、フリティラリアウーゾアステリ=キャルイス=ティリアン様の婚約者、ブルーローズミアアステリ=アンデルフ=ファンタリア=エッシャルでございます。わたくしのような人族の小娘ではございますがこの婚約につきましては、魔王陛下、プロテアモノアステリ=エイベン=ティリアン様のご許可を頂いておりますので、何卒よろしくお願いいたします」


 フリティラリア様のみならず、許可を頂いていないのに魔王陛下の『フルネーム』を口に出す事でこの場で誰よりも実力がある事を言外に示しつつ、ぐるりと会場にいらっしゃる全員を見渡します。

 『花と星の乙女』では魔国で過去に大量殺人が起きたなどという設定は無かったと思うのですが、よろしくありませんわね。

 パチンと指を鳴らしてテーブルの上に並んでいる料理を『全て』消し炭にして、オニキス達が確保した魔人を眺めて呆れたようにため息を吐き出してしまいました。


「よろしくありませんわ。本当によろしくありません。よりにもよってわたくしのお披露目の晩餐会で大量の死人が出る可能性があるなんて状況、刺激的ではございますが人生の思い出としてよろしいものとは前向きに考えても思えませんわ。それにしても、十五年前の流星群は未達成で終了した扱いでございますのね。しかもよりにもよって最悪なペナルティが科せられるなんて、本当に運命は残酷だと思えてなりません。きっと皆様にとって今回の食事に盛られた毒など日常茶飯事、解毒さえしてしまえば問題ないと思われるかもしれませんが、生憎皆様にはバッドステータスで全ての行動に元々の失敗率よりさらに80%の失敗確率が増えるという物が科せられておりますの。いくらお忙しいとはいえ、十五年前の流星群の事後処理が未だに終わっていないのもそのバッドステータスが関わっている可能性がございます。きっと何をやっても『うまくいかないことが多い』のではないでしょうか? 本当に、このような所でまたあの悪夢を思い出すとは思いませんでしたけれども、遭遇してしまったのならそれもまた仕方がないことなのでございましょう。つきましては、ガバナ=ランドン様、キョウチク=ルフレディ様、リュウケツジュ=ジャクリン様、ロベリア=コンスター様。何ゆえに食事に毒を混ぜたのかご説明いただいてもよろしゅうございますか? また、虚偽はそのまま死に直結するとお考えいただいて結構でしてよ。だってわたくしには皆様が犯行に及んだ動機は些事でございまして、あくまでもわたくしのお披露目に泥を塗られたことに不満を訴えているのですもの。虚偽や言い訳を聞く時間があるのなら、皆様を処分して仕切り直した方が余程時間を有効的に使えますわ」

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[気になる点] >パチンと指を鳴らしてテーブルの上に並んでいる料理を『全て』消し炭にして、【オキニス】達が確保した魔人を眺めて呆れたようにため息を吐き出してしまいました。 作者様の読者としては、黒髪…
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