流星群イベント10
「くあー! ひっさびさのランイベ楽しかった」
「こっちに来てから研究とか観察ばっかりだったしねー」
「ブルーローズさん、最終順位発表よろ!」
流星群イベント期間が終了し、瘴気の消滅を確認したところでわたくし達がそれぞれ達成感に酔いしれておりますとそんな声がかかりまして、世界樹システムを確認いたします。
「十位、ローレルさん十八億七千万八百五十四体。
九位、ラベンダーさん十八億八千万六十三体。
八位、マリーゴールドさん十八億九千万七百二十九体。
七位、カシアさん十九億四体。
六位、マグノリアさん十九億四千万七十一体。
五位、ジャスミンさん十九億五千九百万九十六体。
四位、アマリリスさん十九億六千万八百二十四体。
三位、ペチュニアさん十九億七千十万一体。
二位、ウィローさん二十億二千百万六十三体。
一位、ブルーローズ二十億三千九百万八十九体」
「やっぱり追いつけなかったかぁ」
「っていうか、最後のブルーローズさんの引き離しがえげつない」
「そもそも魔道具の使用自由だからって、何度もこの近辺一帯の魔物を全滅させるのはずるいわ~、オネエさんおかげで順位下がっちゃったわ~」
「休憩時間を適度に取るのは大切だけど、一気に持っていかれるわよね」
ふふふ、記憶にある『花と星の乙女』での流星群イベントでの最終順位は九位でございましたので雪辱を果たすことが出来ましたわね。
とはいえ、『花と星の乙女』そのものではございませんので運営(神)から何かいただけるわけではないのですけれどもね。
「ところで、何度か聞いたけどブルーローズさんはそんなに攻略対象者と関わり合いになりたくないの?」
「だって、ヒロインと仲良くしないからって悪役令嬢のようにわたくしが悪いと言われるなんて、面倒で仕方がないではありませんか。そもそも、わたくしは『花と星の乙女』というゲーム全体が好きなのであって、攻略対象者や準攻略対象者個々にそこまで思い入れがあるわけではございませんのよ」
「スピラエ」
「最推しは別でございます」
「即答とか草」
「ともかく、面倒事に巻き込まれたくないのですわ。せっかく婚約破棄も断罪イベントもない平和なゲームでございますのに、わざわざ面倒事に関わるなんて、本当に心の底から、とてつもなく、ご遠慮申し上げたいのです」
「それで、ティリちん巻き込んで婚約かぁ」
「番でしたので最終的にはよかったと思いますわ。ブルーローズがミアアステリである以上いずれは関わる人物でしたでしょうし」
わたくしがそう言った瞬間、皆様が顔を見合わせました。
どうなさったのでしょうか。
「それなんだけどね、実の所ブルーローズさんが転生した時点で『ズレ』たのよ」
「どういう事でして?」
「本来なら、ティリが調停者になった後にブルーローズがミアアステリになるはずやったんや」
「あらまあ」
「記憶が戻ったのって七歳の誕生日でしょ? でも、魂自体はお母さんの胎内に居る時から転生自体はしていたの」
「でも、前世で七つまでは神のうちって言葉があったように、この世界でも七歳まではどんな神の告知もしてはいけないっていう決まりがあるのよね。その魂は限りなく神界、すなわち世界樹に近いところにあるとされているから」
「つまりは、そのズレのせいで魔国最上位統治資格保有者が二人になってしまったという事でございますのね。番になったのは、そのズレというかバグの結果なのでしょうか?」
「それはロウバイさんが言ったように不明ですね。『花と星の乙女』でそもそもそういう設定だったのか、バグの結果なのかは本当に分かりません」
皆様のお話を聞いていきますと、わたくしが神界に行って在籍すれば世界樹システムにもっと深く接続出来るようになるので分かるかもしれないとの事なのですけれども、そこまでして知りたいとも思えませんし放置でいいですわよね。
けれども、現在の魔王陛下がお亡くなりになるはずだったのにご存命でございますので、フィラ様がいつ魔王にご就任なさるか分かりませんわね。
現魔王陛下はまだお若いのですし当面先でございましょう。
孫の顔だけではなくひ孫の顔も見ていただきたいものですが、ひ孫に関しては子供次第でございますわよね。
「それにしても、ブルーローズさんはしばらく神界には来ないのか」
「地上にはフィラ様もいらっしゃいますし」
「そのまま神界に来なさそうね~」
「否定はしませんわ」
「神界に居る方が他世界からの干渉防御システムの再構築がしやすいと思いますが、無理を言うわけにはいきませんし、今更変えるのも、とも思えてしまいますからね」
皆様はその言葉に「確かに」と頷いていらっしゃいます。
そのお心のうちには今回の事をきっかけに、たまに地上に降りて来て遊ぶのも楽しいかもしれない、なんて考えていらっしゃるのは分かっておりますが、神界がどのような所なのかも分かりませんし、わたくしに迷惑がかからなければ良いのではないでしょうか。
「さーて。こっちの流星群は終わったけどまだ続いているところがあるし、手伝いに行きますか」
「まったねー」
そう言って皆様がいなくなったところで、軽く息を吐き出してフィラ様の所に行こうとして視界の端にうつぶせに倒れ込んでいる誰かの姿が見えまして、近づきますとスノーフレークさんが裸の状態で痙攣していらっしゃいました。
そういえば、いらっしゃいましたわね。
お洋服に関してはなぜ裸になっているのかは分かりませんが、生きていらっしゃるなんてすごいですわ。
これがヒロイン補正という物なのでしょう。




