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流星群イベント9(フリティラリア)

 ちょっとロジーたちの様子を見たのだが、こちらが必死に魔物と防衛戦を行っているのに優雅にお茶をしている姿を見てしまい一気に脱力しかけたが、本当にあの場に居なくてよかった!

 全長五メートル越えの魔物が当たり前のように居て、たまに二十メートルぐらいありそうな魔物が出現するとか、我がもしあそこに残っていたら泣くぞ!

 何を泣くって、恐らくロジーたちが対応している場所の基準で普通の魔物は当たり前のように一撃数千単位で片づけられている上に、見た事も無いような巨大な魔物が行動部位を瞬く間に破壊されて行動不可に追い込まれた挙句にはじけ飛ぶとか、泣きたい。


「フリティラリア様、如何なさいました?」

「いや……ロジーが少々気になっただけだ。問題はなさそうだがな」

「然様でございますか。流石は至高の御方でございますね。神人と行動を共にしても引けを取らないのでございましょう」

「そうだな」


 むしろ無表情だが楽しそうに動いているな。

 我の筆頭秘書官が目の前の魔物を押し倒したところでその首を切り落として周囲を見渡す。

 こちらには被害は出ていないが、ロジーが言っていたように難易度が高いせいか体力や魔力の消耗が激しいようだな。


「第一波は片付いたようだ。第一から第三班は一度下がれ。第四と第五班は第二波への警戒に当たれ。第六から第八班は狩り残した魔物の処理だ」


 指示を出してロジーから渡された霊薬を飲む。

 これ一本で二十四時間飲食しなくても体力も魔力も常時十倍回復バフが付くとか、おかしいだろう。

 睡眠を取らなくても大丈夫だし、確かに総指揮を執る我向きではあるが……。


『愛情(稀少アイテム)たっぷりでございますのよ。フィラ様のお体に合わせた特別レシピで御作りいたしましたの』


 正直副音声で聞こえた稀少アイテムが怖い。

 十年近くロジーの離宮に通っているが、未だに庭と温室が把握出来ないというのはどういう事なんだ?

 庭師のアメジストに地図を書いてほしいと頼んだら「無理です」と即答されたのだが。

 ロジーに庭と温室はどうなっているんだと聞いたら「空間拡張と空間の歪みを利用しているので」と深入りしてはいけない答えだったからな。

 まあ、所有者であるロジーや宝石精霊は目的の場所に問題なくたどり着けるし戻って来られるようなのだが、我は正直迷子になる自信しかない。

 おかしいだろうっ、雪が降って地面に積もっている空間を十歩ほど歩いて気が付いたら太陽が照り付ける夏空の下を歩いていたとか。

 ロジーに聞いても「そう設定した空間が繋がっただけではございませんの?」とか首を傾げられたぞ。

 さも当たり前のように言われた我の気持ちを誰か分かってくれ!


「フリティラリア様、ファンタリア王国のクロトン王子より伝令が届いております」

「なんだ?」


 駆け寄ってきた部下に続きを促すと、一通の手紙が差し出された。

 いや、手紙というよりはメモか?

 クロトンが配置された場所は今回の戦場の中ではもっとも楽な場所のはずなので問題は起こらないと思うし、一応王子が居るという事で護衛としてそれなりのレベルの者も居るから大丈夫だと思うが、とりあえず中身を確認して――


「………………はぁ?」

「フリティラリア様、何か問題が発生したのですか?」

「いや、問題というか……」


『フリティラリア様へ

 ブルーローズ嬢の自称異母妹がなぜか(出しゃばって)こちらに来ておりまして、拘束しておりましたが、ぜひとも役に立ちたい(魔物の餌になりたい)と申しましたので拘束を解いて好きにさせました。

 なんでもブルーローズ嬢たちが動いているこの流星群の中心地に(馬鹿なので考えなしに)行くそうです。

 私としてはどう(魔物に食われて死ん)でもいいのですが、一応ご報告をさせていただきます。

 ファンタリア王国 第一王子クロトン=ファンタリア』


 なぜだろう、文章のところどころに書かれていない文字が浮かんで見える気がする。

 しかし、あのヒロイン症候群を患っている者がなぜここに?

 乙女ゲームでは我が関わって色々な手ほどきやイベントの地に誘導するそうだが、全くしていないぞ?

 ファンタリア王国の王宮にある転移魔道具を使用した時はいなかったよな。

 そんな事を考えながら、ロジーたちを観察していた記録用の魔法を操って周囲を確認するが、まあ、居るわけないな。

 そもそも、あの中心地に行く前に普通に死ぬだろう。

 過去の歴史ではヒロイン症候群を患っている者は中々死なない物だが、今回は流石に無理だな。

 万が一あの場に辿り着けたとしてもロジーたちの暴走についていけるわけもないし、今頃肉片になって――


「は?」


 魔物に囲まれてぐちゃぐちゃに食いつぶされた先から肉体が自動再生していくのは、まさかとは思うがあの人族のヒロイン症候群の罹患者か?

 え、なんだあの肉体の自動再生。

 蘇生魔法のようではあるが、あんな即座に失った体を再生出来るものなのか?

 ミンチになっても再生しているのだが……。

 というか、アレは意識があるのか?

 目が完全に逝ってないか?

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