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流星群イベント8

「まあ皆様。わたくしの前世など今お話しいたしましてもどうしようもございませんわ。無益な事に時間を割くのでしたら先ほどお話ししていた魔道具の実験についてお話しいたしませんこと?」

「いや、世界最年少での世界的超絶難関大学大学院卒業生とか」

「世界最高寄付金額記録者とか」

「国家統治運営プログラミングシステム開発代表者とか」

「紛争や冷戦国間の会談に参加して和解させたとか」

「遺伝子テクノロジーとVRとARの融合研究でその場に居なくても存在するのと同じ状況を作り出すとか」

「人工子宮の開発による少子化対策研究功労者とか」

「まともな脳みそ持っとったらどれかで知っとるやろ」


 うーん、どれも学生時代やながら作業で行っていた事でございますのでそのように言われましてもピンときませんわね。


「どちらにせよ、過去の事でございますわ。それで、こちらの魔物とのエンカウント率を上げる魔道具の改良版なのですけれど、まだ調整不足でございまして具体的にどのぐらい上がるか分かりませんの。予想ですと二倍から四十倍なのですけれど」

「幅がありすぎて流石に不安なのですが」

「世界樹システム経由で時の欠片を手に入れたのでそれを使用したのがいけなかったのかもしれませんわね」

『なんて?』

「世界樹システム経由で、時の欠片を――」

「アウト! それ完全にアウト! 時間系のアイテムとか魔道具はアウトだって! 運営が用意したアイテムや魔道具にも対象の速度を操る物はあったけど、アレ系は繊細だから!」

「まって、時の欠片って、まさかとは思うけど『時』!?」

「そうではございませんの?」

「いやいやいやいやっ! あかん、『世界』の『理』を欠片とはいえつこうたらって、『理の母』持ちやん!」

「しかも『天穿つ者』所有者だったぁ!」


 皆様が頭を抱えて「そうだよ、この人一番のチートだったよ」とおっしゃいますけれど、本当に一番のチートでしたら毎回ランキングで一位を取っておりましたわ。


「ね、ねえ。まさかとは思うけど均衡崩壊したのって」

「だめよ、それを言っちゃだめよ」

「どうかなさいまして?」

『いいえなんでも!』


 皆様お顔が引きつっていらっしゃいますけれど、どうしたのでしょう?


「とりあえず、皆様もいらっしゃいますし、実験してもよろしいですわよね?」

「え、いや……どうかなぁ」

「それは、本当にエンカウント率上昇効果だけなんですか?」

「恐らくは」

『恐らく!』

「ジャスミンちゃん、その魔道具は今回はないないした方がいいと思うなー」

「そうでして? せっかく作りましたのに、残念ですわね」

「よ、よかったらこちらにいただけますか? 神界で研究したいので」

「よろしいですわよ」


 魔道具を取り出してお渡しいたしますと、なぜか皆様がとても安堵したように息を吐き出しましたけれど、何かあったのでしょうか?


「『花と星の乙女』では死にシステムの世界樹へのアクセス権にしか使用しない称号が転生してこんなに影響出るって危ないわね~」

「…………拙僧。ブルーローズ氏が神界に直接転生しなかったのは、危険人物だからだと思うのでござるが」


 その言葉に、全員が「久しぶりにしゃべった」と思うぐらい無口な方が口になさいましたが、危険人物とはなんだか失礼ではございませんこと?


「神界で神人になって世界樹システムに気軽に接続して、『理』いじりまくり……。確かに危険かもしれないわ」

「酷い言われようですわね。世界樹システムに接続しても出来ない事も多々ございますわよ? 攻略対象者などの好感度をいじる事が出来ないとか記憶のデリートが出来ないとか、本当に使えませんわ」

「神人になれば出来るわね~」

「人族だから資格足りてないだけで、神人なら出来るねー」

「私達の中で最後に転生したのもなんか察したかも」

「ね、ねえ、ブルーローズさん」

「なんでしょう?」

「もしかしてなんだけど、他世界からの干渉を完全阻止出来るプログラム開発出来ちゃったりなんて、流石に出来ないよねー、アハハー、ごめんねー、出来るわけないよ――」

「現行の他世界からの干渉防御システムのプログラム内容によりますけれども、この世界の管理機構である世界樹へ何度かプログラム解析をしてみた結果、出来ない事はないと思いますわよ」

『ヴァ!?』

「『混沌』が『修復』して『固定』している状況を、『時』が『世界を繋いで維持』している状況でございますので、プログラム変換するのであれば、混沌による修復という部分と時による繋ぎの部分を書き換える必要がございますわね。そもそも、他世界からの干渉防御システム自体が他世界からの干渉をある程度受け入れる事を前提としたシステムのようでございますので、その部分を解析出来れば何とかなるのではないでしょうか」

「いや宇宙語はちょっと分かんないっすわ」

「ばっかねー、ブルーローズさんの母国語よ。解読なんて出来るわけないわー」

「この世界の共通言語ですわよ」


 そんな事を話しておりましたら時間が経過してシールドの外の魔物がそれなりに溜まったようでございますので、わたくし達はお片付けをして立ち上がり、シールドを解除いたしました。


「ヒッ!」


 なんだか悲鳴のような物が聞こえた気がいたしますが、わたくし達の中にこの程度の魔物の数で悲鳴を上げる方なんていらっしゃいませんので空耳ですわね。

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