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流星群イベント7

 スノーフレークさんの言葉に、わたくし達は一瞬動きを止めてそれぞれクスクスと笑い始めました。


「なんですか! 皆命がけなんですよ!」

「お邪魔虫に言われたくないー。私達は今は休憩しているだけだしー。そもそも溜まり待ちしてるだけだしー」

「ちまちま狩るのは効率が悪いですからね」

「でもさぁ、そこのお花畑ヒロインちゃんは分かってないだろうけど、このシールドの外は溜め込んでる魔物がうじゃうじゃだよ? それこそ百万単位でいるよ?」

「うそよ! どこにもいないじゃないですか! 貴方達、お姉様の仲間ですね! 皆をだまそうとしている悪人ですね!」


 その言葉に何人かが「無理っ」と言って大声で笑ってしまいます。


「今までこっちに紛れ込んだお花畑が居るのは知っていたけど、やっば、マジもんやっばっ」

「あかん、笑う所ちゃうのに笑いが収まらへん」

「悪人とか馬鹿っぽいセリフすぎー。前世でも知能指数低そう」

「なっ!」


 言われたスノーフレークさんは顔を真っ赤になさいましたけれども、相手にしているのが全員美形だからと言う事もあってか、まだ体裁を取ろうとなさっているようでございます。


「大丈夫です! お姉様に洗脳されても聖女である私が救ってあげます!」

「聖女!!! やっば! 『花と星の乙女』でもそんなの名乗るユーザーいなかったのに転生して自分は聖女とか言うやつ、マジにいるんだ」

「いや、居ましたよ。ほら、七千年ぐらい前に国を救う聖女になるのはお姉様じゃなくて優秀な妹の私とか言って国を滅ぼした人族」

「いたっけ?」

「ほら、姉の方が隣国に行って正統な聖女と認められたっていう結末だったじゃないですか」

「うーん、あったような? でも人族の小国なんていちいち気にしていられないから覚えてなーい」


 ペチュニアさんは亜人萌えでございますので仕方がございませんわね。


「お願いします、ここから出してください!」

「どーする?」

「どうでもいいんじゃないですか? 死にたがりのヒロインに構って競争に負けるのもいやですし」

「ブルーローズさん、あのシールドの強度ってどのぐらい?」

「SSレベルに改良を重ねておりますので、SSレベルより上なのではないでしょうか?」

「おぉ、まさかのSSSレベル?」

「どうでしょう? 運営が居りませんので基準がわかりませんわ」


 わたくし達の言葉に、スノーフレークさんが何かに気が付いたように指をさしていらっしゃいました。

 指をさすなんて、お行儀が悪いですわね。


「あんたたち、運営とか、ヒロインとか転生とか、……あんた達も転生者なのね!」


 我が意を得たりと言うように胸を張っておっしゃいますけれども、今気が付きましたの?

 学園ではそもそも接触を極力なくしておりましたけれども、それでもわたくしの行動がゲームのブルーローズと違う時点で誰かしらが転生している、むしろブルーローズが転生者であることを疑うのが普通ではございませんの?

 それに、この場でわたくし達はとくに隠すような話し方はしておりませんでしたわよね。

 鈍いにもほどがあるのではないでしょうか?


「やっぱりあんたのせいなのね! 私がホスタ達を攻略してやろうってのにあんたが邪魔してるせいで攻略出来ないのね! 悪役令嬢のくせにざっけんじゃないわよ! あんたはヒロインであるこの私の引き立て役なの! わかったら土下座しなさいよ! 土下座!」

「いや、今世でも前世でも、ブルーローズさん相手にそれさせたら社会的にアウトだろ」

「信奉者に抹殺されるよね」

「国家単位で存在しなかったことにされるんじゃね?」

「今世では確かに国家単位で存在抹消はされるかもしれませんけれども、流石に前世ではそこまで大ごとにはならなかったと思いますわよ?」

「いやいや、社会的抹殺になったと思う」

「信奉者に処刑されたと思う」

「そうでしょうか? 今世のわたくしは確かに地上では最も強いですし、血筋的にも人族としては十分に優れておりますので、今わたくしにあのように土下座を求めるのであればその場で処刑ですけれど、前世ではわたくしは基本的にお外には出ませんでしたわよ」

「それ、出ないじゃなくて『出られない』っていうだけでしょ」

「アタシだったら無理ね~。家を出た瞬間誘拐の危険があるなんて、繊細なアタシには耐えられないわ~」

「そうでしょうか? 確かに引っ越しの際は大変だったこともございますが、基本的にはネットでどうにでもなりましたもの。それに、どの家もちゃんとルーフバルコニーがございましたので外に出ることが出来ないというわけではございませんでしたわ」

「いや、高層階にありすぎて全面ガラス張りのルーフバルコニーは外とは言えないと思いますよ」

「一応ガラスを開ける事は出来ましたわ」

「風がすごいから滅多に開けないって言っていたわよね」

「そうですわね」


 転落防止などの意味も含めて開くのは天井部のガラスだけでございましたが、開けると大変だったのは確かでございますわ。


「意味分かんないんだけど? 何夢語っちゃってるの?」


 そんな事をおっしゃったスノーフレークさんにわたくし達は視線を戻しました。


「え、あの子『花と星の乙女』ユーザーなのにウィスタリアさんの事知らないの?」

「新規ユーザーなら知らないかもしれない?」

「イメージキャラを動かすやつで顔出しはしてないけど、ボイチェンはしてないし、普通に生きていたら出回っている写真か映像を見たことがある、もしくは本名は一度ぐらい聞いたことがあるレベルじゃない?」

「『花と星の乙女』って対象年齢が十二歳以上だから、前世が中学生だったっていう可能性は?」

「私は立派な社会人だったわよ!」


 スノーフレークさんの言葉に、皆様が信じられないというようなお顔をなさいました。

 わたくしといたしましては、特に有名人という認識はございませんのでそこまで不思議ではないのですけれどもね。

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