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流星群イベント6(スノーフレーク)

 安全な檻から出された私は、足の拘束は外されたけど手は拘束されたままで歩かされてテントを出る。

 うっ、さっきまで薄暗いところに居たから眩しい。


「ほら、上を見てごらん」

「上?」


 言われて上を見ると、黒い隕石みたいなのがいくつも落ちてこようとしているのが見える。

 あ、あれってスチルで見た流星群じゃないの?

 隕石っぽい見た目だったけど、あんなのが地上に落ちるとか死んじゃうかもしれないじゃない!

 い、いやっ逃げなきゃっ!


「あれって瘴気の塊らしいよ。地上に接触するとそれが広がってそこから魔物が発生するんだって。はは、今回の総指揮を担当する魔人様は魔人の少数精鋭率いて人族や亜人じゃ対処できない場所を回るって言うんだからすごいよね」

「ぁっひっ……」

「でもさぁ、ブルーローズ嬢はそれよりももっと過酷な中心地で神人の方々と一緒に魔物討伐するそうだよ」


 しん、じん? 新人? なにそれ、お姉様が居るところの方は新人でも対処できるような楽な場所ってこと?


「お、お姉様が居る場所ってどこですか!?」

「話を聞いていたかい? 中心地だって言ったよね。でも、聞いてどうするの? まさか行くの? 別に止めないよ」


 相変わらず笑ってない笑顔で言われてゾッとするけど、こいつの傍よりずっとましよね。

 新人ってことは弱いやつばっかりなんだろうし。

 あれよ、王族としてのこーせきを積ませるとか言うやつのために簡単な場所にいるのよ。

 パキンと音を立てて手の拘束が外れる。


「たどり着けるといいね?」


 その声から逃げるようにその場を駆け出した。


 走っているうちに流星群が地上にぶつかったみたいで戦闘が始まる音が聞こえた。

 怖い、怖いっやだ、死にたくないっ。

 こんな危ないところから離れて『安全』な場所に行かなくちゃ。

 何時間も必死に足を動かして、魔物と誰かが戦っているのを見れば遠回りをして必死に『中心』っぽいところを目指す。

 なんでよ、流星群なんてボタン押すだけのイベントなのに、なんでこんなことになったのよ。

 戦闘している場所をよけて走っていたせいか、自分がどこにいるかもわからなくなってきてパニックになってくる。

 何時間も走って、疲れて休憩して、喉も乾いたしお腹もすいた。

 眠いけど寝たらその間に魔物に襲われたらって思って怖くて眠れない。

 どうしよう、なんで誰も私を守ってくれないの?

 そんな事を考えながら走っていると、目の前に魔物が現れて「ヒッ」と声を上げて腰が抜けた。


「ぁっァッ」


 なにこれ、こんなの見たことないんだけど。

 ゲームじゃもっとデフォルメされた可愛い絵だったじゃない。

 大きさだってこんな大きそうじゃなかったし、こんなの反則じゃない。


「ヒッャッ」


 ガクガクと震えが止まらなくて、その場から動けずにいると魔物がとびかかってきた瞬間、はじけ飛んだ。


「……ぇ?」

「なによ~、湧きまでの暇つぶしに見物に来たのに、雑魚すぎじゃないの~」


 女神みたいな美女が野太い声でそう言った。


「は~、やってられないわ~。これがヒロインとか終わっているわ~。無能すぎ、お花畑ちゃんは今までもいたけど、目の前で改めて見るとひどいわ~。ブルーローズさんってばよく放置出来るわね~。アタシだったらすぐ始末しちゃう~。あ、ブルーローズさんには出来ないんだったわね~」


 一方的にしゃべってくる美女? が言ったブルーローズっていう単語に反応してしまう。


「お姉様を知っているんですか? お姉様はどこですか? 私、お姉様の所に行きたいんです!」

「プッ、別にいいわよ~」


 美女はそう言って私に近づいてくるとにっこりと微笑んで腰に手を回して「よいせっと」と言って私を担ぎ上げた。


「ちょっ」

「お花畑ちゃんお届けよ~」


 その声を最後に、視界がぶれて脳みそが揺さぶられて意識が途絶えた。


 目を覚ました時、私の周りには淡い白っぽい膜が張ってあって、その向こう側で何人かの人がのんびりお茶をしているのが見える。


「次に乱獲可能になるまでまだ一時間ほどかかってしまいますのね。まったく、ジャスミンさんも加減なさってくださいませ。閃光蝶なんて投擲系爆弾をあんな数飛ばしてしまったらこの周辺の魔物が消し飛んでしまうのは予想できましたでしょうに」

「うーん、ジャスミンちゃんうっかりしちゃった。でもでも、軽く数万は稼げたと思うんだよね」

「それはそうですわね」

「卑怯ですね」

「やったもの勝ちだよ。……ところでさぁ、あのヒロインちゃん目が覚めたっぽいよ?」


 その言葉に話をしていた奴らが一斉にこっちを向いた。

 その動きにビクッとしちゃったけど、お姉様の姿を見てここが私の目的地だってわかってほっとした。

 咄嗟に周囲を確認したけど、魔物もいなさそうだし、やっぱりお姉様ってば安全な場所に居るんだわ。


「なんかあの無能ヒロインこっち見ているんだけど」

「生意気そうな目をしていない?」

「処す? 処す?」

「どちらにせよ『わたくし』には手を出すことが出来ませんのでどうでもよろしいですわ。あのシールドを解いて魔物に食べられてしまうのもヒロインらしくてよろしいのではございませんこと?」

「生贄系ヒロイン!」


 はあ!? 私は聖女になるってのに、あいつら何言ってんの?


「お姉様! 皆が必死に頑張っているのに、こんな安全な所でのんきにしているなんて、信じられません!」

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