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32 三人目の仲間

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~ポロン村~


一旦ポロン村に戻ったレイ達。

ローラは事情を説明し、ドロン婆さん達に「また来るね!」と別れを告げた。


村の人達も一抹の不安が残るがランベルが皆を安心づける様に、もう大丈夫だと明るく言っていた。

恐らくもうオーガがポロン村に現れることはないだろう……しかし、その原因である騎士団の男達を放ってはおけないレイとローラは直ぐに水の王国へ向かう―。


「気を付けるんじゃよローラ。危ない事はしないでおくれよ」


「大丈夫だよ!お爺さんもドロン婆さんも体調に気を付けてね。また来るから!」


バイバイと手を振っているローラ。するとドロン婆さんがランベルに視線を移し言った。


「お前も“一緒に”行ったらどうだい?ランベルや」


「――⁉⁉」


ドロン婆さんの言われ驚いているランベル。


どうやらランベルも騎士団に入るべく、冒険者ギルドに近いフレイムに暮らそうと準備をしていた矢先に今回のゴブリン事件に遭ってしまったらしい。


ポロン村は田舎でモンスターに襲われるなんて今回が初めてらしく、その原因であったゴブリン帝国も今回のオーガ出現も全て理由が明らかとなった。

ゴブリンが出ることはないし、オーガを召喚させた男達もこれからレイとローラが探し出す。

ランベルが村に留まっていたのはゴブリンが現れたから。それももう解決した。


だが、この数か月ランベルはずっと村を守ってきて、もし自分がいなくなってまたモンスターが現れたら……そうなった時村にはまともに戦える人がいなくなってしまうと考えていた。


そんなランベルの思いを察し、ドロン婆さんが後押しをする―。


「アンタには騎士団の大団長になるっていう目標があるじゃないのかぃ?この村の事は心配せんでいいから予定通り行ってきな」


「……でもよ……」


「なぁに、そんな心配せんでもモンスターの五体や十体、ウィッチの私にかかれば一発じゃ!」


ランベルは自分に心配をさせないようにドロン婆さんが気を遣ってくれているんだと思ったが、どうやらそうではないらしい―。


「へぇ~そう言う事だったのね。あんなに強いのにどうしてDランクでクエストとかも受けないんだろうって不思議に思ってたけど……。大丈夫よランベル!ドロン婆さん“強い”から」




「……………………………え??」



ランベルにとっては想定外過ぎる言葉だったのかあまりの驚きに思考が追いついていない。


ドロン婆さん本人とローラが言う通り、見た目はお婆ちゃんだが腐っても“ウィッチ”。

しかもドロン婆さんはウィッチの間では有名な実力者であった―。


「知らないの?ドロン婆さん有名なウィッチなの。現役の時は“Sランクハンター”だったんだから!」



「「えぇぇぇぇぇ~~~~~~ッッッ⁉⁉⁉⁉⁉」」


ランベルと一緒にレイもめちゃくちゃ驚く。


この日一番の出来事。


ゴブリンよりもオーガよりも騎士団よりも………ドロン婆さんの実力に驚いたレイとランベルだった。


「そういう事だから全く心配はいらん。むしろ皆一緒なら“私の”心配がなくなるわぃ。ホッホッホッ!」


心配していた筈が逆に心配されていたランベル。ガックリ肩を落とし落ち込んでいるとローラが「どんまい」と元気づけている。

レイとローラが一緒に行こうとランベルを仲間に誘い、二人の旅にランベルという新たな仲間が加わった―。


そんなこんなでいざ出発しようとすると、ドロン婆さんが最後にレイに話しかけた。


「――レイよ。“その力”はアンタが思っている以上に危なくて強大だ……。気を付けるんじゃよ」


「―⁉ 分かるのかドロン婆さん!」


レイもローラもドーランの事はドロン婆さんに話していなかったが、ドロン婆さんは気付いていた様だ。


「これでも昔はそれなりのハンターだったからねぇ。まさかアンタの様な子供に黒龍が付いてるとは……いやはやどういう訳か知らんがくれぐれも用心しなさいよ」


「うん。ありがとう!でもドーランは大丈夫。いい奴だから!」


<余計な事を言っておらずさっさと行くぞ>


一応ドーランなりに気を遣っているのか、俺とローラ以外の前ではあまり姿を現さないドーランがドロン婆さんの前に出てきた。

出たと言っても魔力で姿形を反映しているだけ。凄くリアルな蜃気楼やホログラムみたいな感じだ。

その姿にドロン婆さんとランベル、その場にいたポロン村の人達まで皆驚いている。


「なんだこれ………。レイ………お前ドラゴン飼ってるのかよ!凄いな!」


<我をペット扱いするでない!むしろ我がレイの面倒を見てやっておるのだ>


「――“封印魔法”かぃ?」


「「――⁉⁉」


ドーランを見たドロン婆さんがそう呟いた。封印魔法というワードに敏感なレイ達はすぐさま反応した。

そこでローラはハッと思い出したかのようにドロン婆さんに聞いた。


「あ!忘れてた!その事をついでに聞こうと思ってたの!」


「頼むぜローラ……。こんな凄いウィッチのお婆さん知ってるなら初めから聞きに来れば良かったのによ」


「レイ、アンタ一体どこでこの黒龍と会ったんだい?」


「話せば長いんだけどね……まぁ俺元々ロックロス家の人間なんだ」


「――⁉⁉ それは誠か⁉ あのロックロス家の者がこんなところで何をしている⁉ しかもローラと一緒とは!」


「お前……ロックロスってあのロックロス家……マジで?王家の中の更にトップじゃん……」


想定外の更に上をいく事実に、当然の如くドロン婆さんもランベルも驚きを隠せなかった。


「驚いているところ悪いんだけど……ドロン婆さん、私達その封印魔法を解く為にリバースダンジョンにある九個のアイテムを集めに行くの。やっぱり他にこの封印を解く方法ないよね?」


ドロン婆さんは驚きながらも丁寧に答えてくれた。

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