第5話 唐突な招待
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ピリピリとした雰囲気を匂わせ始めた匠達だが、次の瞬間拍子抜けする事になる。
「もう2人共!意地悪しないであげて!けど申し訳ないけど、君達には私達の組織の日本支部に来て欲しいの。ただ、別に君達に危害を加えるとかじゃないから安心してね!」
「「「え?」」」
そう、いきなり金髪の女はその対テロ組織とやらの日本支部に匠達を招待したのだ。呆気に取られる翔斗と朱里だが、真っ先に食いついたのは匠だった。
「行きます!絶対行きますよ!何がなんでも行きます!」
「oh......。ここまで食いついて来るとは思わなかったわ...」
しかし、その返答に噛み付いたのは翔斗と朱里だった。
「ちょっと待て匠!お前自分が何言ってんのか分かってんのか!?何されるかわかんねぇんだぞ!?」
「そうだよ匠君!この人達に言っちゃ悪いけど、何のために招待されてるのかわからないんだよ!?」
そう、翔斗と朱里は不安だった。何のために招待されているのかという疑問と、そもそも相手が何者かもわからないのについていけないという至極当たり前の考えが頭の中によぎっていたのだ。
「ふむ...、君達が考えていることも、もちろん正しいですねぇ。ならばここからは私が説明しましょう。単刀直入にいえば、君達に色々約束していただきたい事があるのです。それと、もし良ければ私達の組織について少しお話したいのですよ。もちろんここで別れて二度と会わない方針でもいいのですが、最低限、ここで起きた出来事は他言無用でお願いしたいのです」
「そうだ!最低でもここであった出来事は内緒で頼む!」
しかし、翔斗はどうにも歯切れが悪いような言い方をしている。
「しかしな...、嘘かもしれないだろ...?」
「翔斗!助けてもらったのにその言い方は!」
「けど、私も翔斗君の気持ちがわかるよ...。だって怖いもん...」
すると、バイクの男が微笑を浮かべながらこう提案した。
「ふーむ...、ならばこうしましょうか?今から君達は普通に帰っていただいても大丈夫です。ただ、もし私達の話を聞いてくれる気になれば、明日の午後6時に横丘駅前の大三百貨店のお菓子売り場に来て貰えませんか?私達は君達の良心を信じます」
「...わかった。ならそれで頼む」
「ありがとうございます。お待ちしてますよ」
そう言うと、バイクの男は黒髪眼鏡の男と金髪の女に手で合図した。すると、黒髪眼鏡の男と金髪の女はバイクの後ろに乗りこう言った。
「君達が来るのを期待して待っておくぞ!少年少女達!」
「出来れば来てくれると嬉しいわ!それじゃあね!」
しかし、バイクの男は後ろにまたがった2人に無慈悲に告げる。
「ちょっと待ってほしいですねぇ。3人乗りはできませんよ...。どちらか降りてください」
そう、大型バイクは3人も乗ることができないのだ。
「ちょっと!ナオヤ降りなさいよ!」
「すまないが、俺も歩くのがめんどくさい!」
「レディーファーストじゃないの!?こういう時は!?」
「なら、公平にジャンケンで決めよう!先に2回勝った方が乗る!」
「「ジャンケン!」」
30秒後...
「覚えてなさいよぉナオヤ!レディーファースト精神の欠けらも無いわね!」
「ハッハッハ!公平な勝負だから文句言うな!また後で会おう!」
そしてバイクは走り去る。金髪の女を残して...。
「あの男共!覚えてなさい!ほんとにもう...あっ、君達もあまり寄り道しちゃダメよ!じゃあね!」
金髪の女も走り去った。呆気に取られている匠達を残して...。
「「「なんだったんだ...?」」」
続
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