第2話 謎の男
更新しました!そろそろ運命の出会いを3人はします!
「おい翔斗!わかってて言ったのか!?」
「アホか!?んなわけねぇだろが!何かあったみてえだな...。とりあえず向かうぞ!人が巻き込まれてるかもしれねぇ!」
「えっ!?現場に行くの!?自分達も巻き込まれちゃうよ!」
「僕達でもできる事をするだけだ!」
「ええー!いいのかなぁ...。こういう時は現場に行っちゃダメなんじゃ...」
そして現場へ...
「ここか!」
そこにあるのは瓦礫の山、元の小綺麗なビルの名残は一切無く、まるで爆弾を幾度も爆破したような無残な跡になっていた。
「うぉ...、こりゃひでぇな...。けど妙だな、人の声が聞こえなさすぎる...」
そう、事故現場にしてはあまりにも静かだった。不自然なほどに。
「人がいないなら私たちも逃げようよ!助ける人がいないならここに留まる理由無いよね!?」
「待て!あそこに人がいる...!助けないと!」
「確かに人っぽいな...。行くしかなさそうだな」
確かに、指差した場所には人影が見える。だが、よく考えればこの爆発の中でここに留まっている人間が明らかに一般市民じゃない事を三人は失念していた。
「大丈夫ですか!?ここは危険なので早く逃げてください!」
「ここは危ねぇから早くあんたも逃げろ!死にたいのか!」
「早く逃げて!ここは危ないよ!」
その時人影が振り返る。この時もし三人が逃げていれば、この先の運命はまた違うものだったのだろう。
「アァ?なんだァ?ガキ?三人?なぜここにいる?」
そこにいたのは茶色の短髪の男、顔に傷があり見るからに善良な一般市民ではない。
「外人?まぁいい!とりあえず逃げろ!」
「いや...、待て匠!どうにもあいつ様子がおかしいぞ...!どう見ても、事故に巻き込まれた一般人じゃねぇ面構えしてやがる...」
「なんだァ?ただの不運なガキか。俺を見られたなら悪いがここで終わりだな」
男は手に鈍い色の金属のインゴットを持っていた。いや、もうそれはインゴットと言うべき物じゃなくて、インゴットだったものだった。
「まずは真面目君っぽいやつから殺るかァ。そういう目をした奴が一番嫌いだからな!」
男が持つインゴットだったものは30cmほどの長さのナイフに変わる。男は奇妙な力を使ったように見えた。
「ッ!?なんですか急に!というかあなたは何者なんですか!?なんでいきなりナイフ持ってるんですか!」
「ちょっと待て!今あいつナイフじゃねぇ...、インゴットみたいな物を持ってたはずだぞ?なんでナイフに変わってんだ!?」
「私も見てたよ!明らかにナイフじゃなかった!」
インゴットがナイフに変わる瞬間を見ていた翔斗と朱里は異変に気付いたが、匠は気付いていなかった。
「なんだァ?そこのガキ二匹、てめぇら俺が権限使う所見てたな?真面目君より先に殺しとくかァ?」
ナイフが2つに分かれて鎌のような形に変形した。それを両手に構え2人に向き直る男に声を荒げ叫ぶ匠。
「なっ!?お前の相手はこの僕だ!その2人に手を出すな!」
「お前は黙ってろ匠!お前だけでも逃げて警察に伝えろぉ!こいつはただの爆弾魔じゃねぇ!」
「いいから行って!匠君だけでも逃げて!」
「熱い友情ごっこかァ?泣かせるじゃねぇか...。まぁけど安心しろクソガキ共...、お前らは三匹セットで殺してやるからよ!」
男が持つ鎌を逆手に持ち、翔斗に向かって走り出す。
「翔斗ぉ!お前やめろぉ!!!!」
「翔斗君!」
2人の怒声と悲鳴があがるが、しかし声では男には届かない。
「殺してやるからなァ!クソガキ!」
「クソッタレがぁ!!!なんなんだよてめぇはぁ!」
「死ねガキがァ!俺の邪魔をするんじゃねぇよ!」
そして振り下ろされた凶刃が翔斗を....
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