第9話 紙屋伸二という男
更新しました( ^ω^ )
更新不定期スギィ!
「お2人とも失礼ですねぇ?まるで化け物にあったような顔をしていますよ」
悪びれることもなく、笑いながら話しかけるバイクの男。見た目は真面目そうなサラリーマンといった所だが、中身はそこまで真面目ではないのかもしれない。
「...で、なんで俺達をここに呼び出したんだ?お前らなりの理由があるんだろ?」
「なぜ僕達を呼び出したのか、それだけ理由を教えてもらえませんか?ここに呼び出された理由もわからずに、僕も匠もついていくことはできません...」
すると、バイクの男はこう名乗る。
「理由はすぐにお話ししましょう。ただ、私の名前がわからないと少し不便そうなので、まずは私が名乗らせていただきますね。私の名前は紙屋伸二、審判者日本支部のメンバーの1人です」
「「審判者?」」
2人は困惑した、審判者という単語に全く聞き覚えがないからだ。すると、紙屋は笑いながら唐突に話題を変える。
「ところで、お2人ともお腹は空いていませんか?あと、甘いものが苦手ではないですかね?」
「...なぜだ?」
「このデパ地下に、私が気に入っているカフェがあるんですよ。もし良ければそこでお話ししましょう、そこで前にいたメンバーも待っています。」
少し困惑している翔斗の前に出た匠が突然、紙屋に話しかける。どうやら聞きたいことがあるみたいだ。
「...紙屋さん」
「なんでしょうか?」
「...あなた達は本当に正義の味方なんですか?」
紙屋は苦笑いを浮かべた。そして質問にこう答える。
「それは、今から行くカフェでお話しした後に、最終的に貴方達が判断してください。私は、貴方達に私達の理屈を押し付ける気はありませんよ」
「...そうですか」
すると、紙屋が急に大きな和菓子屋のコーナーに向かって歩きだした。耳をすませば、今まで聞こえていた騒がしい宣伝文句の中に限定商品の販売が始まることをアピールする声が混じるようになっている。その声が聞こえるようになった和菓子屋に、紙屋は歩き始めたのだ。
急に競歩一歩手前の速さで歩きだした紙屋を見て動揺した2人、そこに紙屋が振り返る。そして、紙屋が少し食い気味に話し始めた。
「お2人とも!大変急なお願いですが、一緒になえやの順番に並んでください!早く!」
「「え?」」
「なえやの特大まんじゅうはとても美味なことで有名なんです!しかし、数量限定だから1人1人の購入個数に制限があるのと、すぐに売り切れてしまうから早く並ばないと買えません!早くついてきてください!」
それは、ただのスイーツを求める甘党にしては必死で、どこか高尚な使命感すら感じる勢いでまくし立てる紙屋...。2人はその声に驚いたのか、思わず運動部の新入部員のような返事をしてしまった。
「「は、はい!」」
そうして、紙屋と匠と翔斗は列に並ぶ。なえやの特大まんじゅうを求めて...。途中列に並ぶ際に、もみくちゃにされながらも必死に紙屋の後ろに並ぶ2人は、どこか哀愁が漂い、見る人々の哀れみを誘った...。
「なぁ...匠?」
「...なんだ?」
「俺達は何しにここに来たんだ...?」
「...」
続
ありがとうございました( ^ω^ )
相変わらず文字数ガバガバで短小なんだよなぁ...。