プロローグ
数多くの作品からこの物語に興味を持っていただきありがとうございます。
私はダメ人間だ。
今が楽しければそれで良いと思う思考の持ち主で、後々になって後悔してあの時苦労すれば良かったと思う。だから未来で楽する為に今苦労しようと思うが、結局今を楽しんで生きている。
過去の失敗から学ばない女、それが私だ。
そして、その結果がパソコンの画面に映っている。
大学受験全滅。受けた大学は全て落ちていて補欠合格もしていない。浪人生になることが確定した瞬間だった。
私は猛烈に後悔していた。
ちゃんと勉強していていれば良かった。何度もそう思っていた。模試の結果が悪いたびにそう思っていたのに全く勉強してこなかった。だから大学受験に失敗した。
何度確認しても不合格の画面は変わらない。
「初めからやり直したい」
気がついたらそう呟いていた。
私は全てをやり直したかった。今更後悔しても結果は変わらない。だからやり直したかった。今度こそと失敗するたびに思っているのに一向に改善しなかった。その失敗を知っている状態で人生を初めからやり直したかった。一度経験した失敗なら流石に私もちゃんとやるだろうと思った。
でもそんなこと出来るわけがないというのは理解している。
ベッドに寝転んで現実逃避をする。ここでも学んでいないと思った。現実逃避で今を楽にして問題を先送りにする、今後悔したばかりだというのに現実から目を逸らして楽になろうとしている。まるで成長していない。
私は現実逃避をしてアニメのことや本当は受かっているとかの妄想をしていた。だがその度に泣き出しそうになる。こんなことならばちゃんとやっておけば良かったと思う。自分が楽した結果だというのに泣くのはおかしいという奴がいるかもしれない。
その通りだと思う。
泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて
泣いて泣いて
泣いて……
泣いて……
……。
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ーーえ?
気がついたら町中で一人で立っていた。合格発表を部屋で見た時と同じ服装、即ち制服の状態で。いつの間にか外に出ていたのかと思い周囲を見渡すと見覚えのない街並みだった。
そもそも日本の街並みではなかった。地面は舗装されておらず、少し黄色い土が踏み固められた道だった。別に舗装されていない道は珍しくもないが、土にある生物の足跡がおかしかった。人間の足跡は勿論あるが目の前にある足跡はどう考えても地球上の生物とは思えないほど巨大な足跡だった。具体的にいうと1mはある。それが等間隔に並んでいる。
顔を上げれば建物が立ち並んでいるがその建物は木造の建物で、素人の私が見ても耐震設計がされていないと思えるほど貧弱な家だった。現代日本だと法律違反なのではと思えるほど脆い家が一つだけでなく複数並んでいる。というか視界に入るいえ全てがそう見えた。
止めに、道を歩いている人が日本人ではなかった。そもそも現代人じゃなかった。
一言で言おう。
異世界ファンタジーの住民ばかりだ。数世紀前の服装をしていて、猫耳やリザードマンいる。
もうここまで見れば分かる。
今見ているのが夢なのか現実なのかわからない。どっちにしろ今見ている光景は何度見返しても変わらない。後悔しすぎて精神をやられて幻覚を見ているかもしれない。
だけど今見ている光景から言えるのは一つだけだった。
「異世界」
沖田ユイ18歳
自称ダメ人間
気がついたら異世界召喚されていました。
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