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第62話 スイーツなブログ

―― ブログのタイトルを変更した時、読者数が減るのではないかと案じたが杞憂だったようじゃ。


不動明王が趣味で続けているブログの“お取り寄せ不動”はタイトルを“スイーツ不動”に改め、20代以降の女性を中心に人気を集めていた。


恋人である湍津姫命たぎつひめのみこと様は“ぎいちゃん”としてブログに登場する。


恋人の存在がブログ人気を急落させるかもしれないとアイドル気分だったが実際には…『彼女の好きなスイーツを作ってあげるなんて良い彼氏ですね!』と、好感度は爆上がりだった。


あれ?なんだか思っていたのと違うぞ?と首をかしげる不動明王だったが湍津姫命たぎつひめのみこと様が大喜びなのでオッケーだ。

不動明王のブログの1番熱心な読者は湍津姫命たぎつひめのみこと様だ。


今日はブログに載せようと、不動明王がスイーツに目覚めたきっかけとなった焼き芋を再現している。

メタボ先輩と鳥居ちゃんとミカエル君と愛犬のメイちゃんも一緒だ。



「落ち葉のピークも過ぎましたねえ。」

「今年の焼き芋は、これが最後になりそうじゃな。」

あらゆる角度から焚き火の写真を撮影しながら不動明王が答える。


「これから寒くなるよ。」

「そうなの?」

「……そういえば、鳥居ちゃんとミカエル君は寒いのはどうなの?」

「どうって?」

「うーんと、それじゃあ質問の仕方を変えるね。夏の暑さは辛かった?それとも平気だった?」

「暑いなとは思ったけど辛くはなかった!」

鳥居ちゃんが元気よく答える。


「鳥居は我らと同じじゃ。」

湍津姫命たぎつひめのみこと様が鳥居ちゃんの代わりに答える。

永遠に同じ衣装で平気ということらしい。


「ミカエル君は?」

「僕も同じかな。暑さとか寒さを感じることは出来るけど、気候や温度・湿度に影響されたことはないよ。」


「……いいな…。」

メタボ先輩は超暑がりだった。


「なに落ち込む必要はない。人間は気候を感じることができるからこそ服飾や食の文化を発展させてきたのじゃろう?」


「それはそうですけど……。」

そんなことより、とにかく暑いのが嫌なメタボ先輩。


「ねえ、そろそろじゃないかな?」

鳥居ちゃんがお鼻をヒクヒクさせながら焼き芋の催促だ。ブンブンと回る尻尾が可愛い。


じっくりと焼いたサツマイモは今回も美味だった。事前に選んだいくつかの品種を出来上がりに写真とともに解説した不動明王のブログは読者からも好評だった。


不動明王と湍津姫命たぎつひめのみこと様のイチャイチャぶりも最近では落ち着き、宮島は元の落ち着きを取り戻した。




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