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第5話 今日はお祭り

四万八千日観音大祭しまんはっせんにちかんのんたいさい?」

「うん。ミカエル君の住んでる大聖院のお祭りだよ。今日お参りすると四万八千日分の功徳をいただけるんだって。」

「それで今日は、ざわざわしているんだね!」


「おお、二人ともここにおったか。」

「不動明王様!」

「今日はお祭りだからな、ここの皆から二人に小遣いだ、仲良く使うのだぞ。」

「ありがとう!不動明王様。」

「十一面観音菩薩様たちにも会ったらお礼を申し上げます!」

「二人とも良い子だな。お祭りを楽しんでおいで。」

「はい!」

重要文化財である不動明王様が代表してお小遣いを渡しに来たようだ。


「楽しそうに出かけていったわね。」

「おお、子育て観音ではないか。2人はもう出かけてしまったぞ。」

「いいのよ。2人が楽しそうにしている様子を確かめたかっただけだから。

…ミカエルが引っ越してきた最初の年は可哀そうだったわ…。」

「うむ。地元の子供達に混ざって遊びたがっていたのに…、いくらあの2人が話しかけても人間達にはあの2人の姿は見えないし声も聞こえないから全スルーされて…。

群衆の中で2人ぼっちで涙をこらえておったな…。お祭りの日だけとはいえ、人間達と一緒に遊べるようになって良かった…。」

「………。」

「子育て観音?」

「そうね、私もそう思うわ不動明王。」


子育て観音は、ちょっと違うことを考えていた。最初の年のお祭りの日のことではなく、不動明王様たちの顔が厳めしすぎて怯えていた頃のミカエル君が可哀そうだったな……と回想していたのだ。


引っ越してきた頃、ミカエル君が子育て観音のことも怖いと思っていたのは内緒だ。





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