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第24話 鳥居のような何か

「よいしょ!」

「鳥居に似た何か」から鳥居ちゃんが出てきた。ミカエル君も一緒だ。


「鳥居ちゃん!」

「ミカエル様〜!」

「本当にこの…コレから出現出来たんだね、良かったー!」

スーツ男のお手製の「鳥居のような何か」を冷めた目で見つめる3人組。


「うん!大切にしてね。」

「もちろんだよ、鳥居ちゃん。」

「ゴミと間違えないように張り紙したからね。」

「捨てないように、みんなに念を押したから大丈夫!」

遠慮なく正直な3人組。


「……。」

柱の影から5人を見つめるスーツ男。何か言ってやりたいが、「鳥居のような何か」をジッと見る。そのクオリティを確かめ、くちを閉じるスーツ男。

―― とても悔しそうだ。


あの後、こっそりと作り直してみてはいるが劇的に上手な鳥居は出来ていない。作り直していることはもちろん誰にも内緒だ。


「あの方、こっそり作り直してみているようだよ。」

「相変わらず、あの方の執務室から出るゴミは木屑でいっぱいなんだって。」

「この不器用さは奇跡的だから治らないよねー。」

(一同笑)


「……。」

スーツ男が柱の陰でプルプルと震える。

『まさかバレバレであったとは……。』


「そんなに笑わないで。可愛い鳥居だよ。」

鳥居ちゃんが、ちょっと悲しそうだ。

「ごめんごめん。」

「そろそろ慣れるよ。」

「鳥居ちゃんの大切なお家だものね。」


『なんと……あの子は、ここに住んでいるのか!?……必ずや立派な鳥居を作って見せるぞ。待っていてくれ鳥居ちゃん!』


―― しかしスーツ男の不器用は永遠に治らなかった……。

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