表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
いきなり異世界と繋がっても、すぐには結婚できません!  作者: 七瀬夜香
候補者は誰のもの?
38/56

14

時間がなくて、少し短めですが、申し訳ありませんm(_ _)m

ガタッ!ガンッ!


庭から物音がした。

…もしかして…泥棒…?

でも、部屋の窓を無理矢理あけるような音ではなかった。

庭に出る窓のカーテンを、少しだけ開けて庭をのぞくと、扉がついた物置が少しガタガタ揺れている。


「えっ……?鍵しまってるはずなのに、何…!?」


普段から、あまり使わない季節のものや、折り畳み自転車等を片付けている物置で、必ず鍵を閉めている。


警察に電話するべきかな、これは…。

父に連絡がいってしまうかもしれないけれど、これはもう仕方ないよね。

キッチンの側の電話に向かおうとした、その時、物置の片方の扉の真ん中から、赤い光が灯ったかと思うと、少しずつ大きな楕円形になっていく。

そして、赤い光が消えると、人が通れるぐらいの穴があいた。

中で、何か黒っぽい大きなものが動き、穴から姿を現した。


「えっ…………?人……だよね…?」


真っ黒のマントはフードを被っていて顔は見えず、真っ黒のブーツと、まるでカラスのような人物だった。

手には、同じく真っ黒の大きな杖のようなものを持っている。

そして、その人物は、青白い光に包まれていた。

………まさか、あっちの世界の人!?

だとすれば、警察には連絡できない。

それに、庭でもし今の扉に穴を開けるようなことをされても困る。


思わずカーテンを開け、窓から庭に出る。

ドレスだし、レイの寝室からはパンプスを履いたままだったのを忘れていて、段差を降りるのに手間取ってしまった。

降りてきた私に、黒い人物が気付き、目を向けた。


「あなた、もしかし…。」

「お前が俺の候補者か、行くぞ。」

「えっ?何…」


黒い人物は、私の言葉を遮り、スタスタと足早に側にきた。

そして、杖を持たない手で肩をつかまれると、青白い光が広がった瞬間、フワッと何かに包まれるような感覚がした。

あ、これ知ってる!レイの時の…!


そして、気づけば目の前には、黒い人物と、その後ろに、何人寝られますかね?というぐらい大きくて重厚な彫刻がされた、豪華なベッド。

天蓋と、そこからレースのカーテンが垂れ下がり、深紅のベッドカバーがかけられている。


「すぐに巫女姫が見つかって幸運だった。ようこそストリアへ。」


黒い人物は、肩から手を離し、後ろを向いてベッドへと歩み寄る。


「…またこっちの世界に連れてこられたってこと?」

「何だ。既に誰かに召喚されていたのか。それなら説明は不要だな。」

「え!?」


黒い人物がそういうと、気付くと私は大きなベッドの上にペタンと座りこんでいた。


「さぁ、巫女姫。さっそく真実の愛を交わそうではないか。」


ベッドの私のすぐ側に腰かけ、杖を側に置き、黒い人物はフードを外す。

肩より長い、少し紫ががったような黒い髪。

深い紫色の瞳。

白い肌に、髪と瞳が映えて、白雪姫みたいだなと感じた。

ただし、姫ではなかった。


黒い人物は、そっと私の頬に手を伸ばして、手のひらで頬を包み、指でなでる。

そして、そのまま座りこんでいる私の肩をおし、ベッドへ押し倒した。


「いやいやいや!ちょっとちょっと待って!!!」

「何か問題でも?」

「問題もなにも、そもそもあなた、子どもでしょ!?」


そう………私をベッドに押し倒し、上から私を見下ろす男性は……。

()()だった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ