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時間がなくて、少し短めですが、申し訳ありませんm(_ _)m
ガタッ!ガンッ!
庭から物音がした。
…もしかして…泥棒…?
でも、部屋の窓を無理矢理あけるような音ではなかった。
庭に出る窓のカーテンを、少しだけ開けて庭をのぞくと、扉がついた物置が少しガタガタ揺れている。
「えっ……?鍵しまってるはずなのに、何…!?」
普段から、あまり使わない季節のものや、折り畳み自転車等を片付けている物置で、必ず鍵を閉めている。
警察に電話するべきかな、これは…。
父に連絡がいってしまうかもしれないけれど、これはもう仕方ないよね。
キッチンの側の電話に向かおうとした、その時、物置の片方の扉の真ん中から、赤い光が灯ったかと思うと、少しずつ大きな楕円形になっていく。
そして、赤い光が消えると、人が通れるぐらいの穴があいた。
中で、何か黒っぽい大きなものが動き、穴から姿を現した。
「えっ…………?人……だよね…?」
真っ黒のマントはフードを被っていて顔は見えず、真っ黒のブーツと、まるでカラスのような人物だった。
手には、同じく真っ黒の大きな杖のようなものを持っている。
そして、その人物は、青白い光に包まれていた。
………まさか、あっちの世界の人!?
だとすれば、警察には連絡できない。
それに、庭でもし今の扉に穴を開けるようなことをされても困る。
思わずカーテンを開け、窓から庭に出る。
ドレスだし、レイの寝室からはパンプスを履いたままだったのを忘れていて、段差を降りるのに手間取ってしまった。
降りてきた私に、黒い人物が気付き、目を向けた。
「あなた、もしかし…。」
「お前が俺の候補者か、行くぞ。」
「えっ?何…」
黒い人物は、私の言葉を遮り、スタスタと足早に側にきた。
そして、杖を持たない手で肩をつかまれると、青白い光が広がった瞬間、フワッと何かに包まれるような感覚がした。
あ、これ知ってる!レイの時の…!
そして、気づけば目の前には、黒い人物と、その後ろに、何人寝られますかね?というぐらい大きくて重厚な彫刻がされた、豪華なベッド。
天蓋と、そこからレースのカーテンが垂れ下がり、深紅のベッドカバーがかけられている。
「すぐに巫女姫が見つかって幸運だった。ようこそストリアへ。」
黒い人物は、肩から手を離し、後ろを向いてベッドへと歩み寄る。
「…またこっちの世界に連れてこられたってこと?」
「何だ。既に誰かに召喚されていたのか。それなら説明は不要だな。」
「え!?」
黒い人物がそういうと、気付くと私は大きなベッドの上にペタンと座りこんでいた。
「さぁ、巫女姫。さっそく真実の愛を交わそうではないか。」
ベッドの私のすぐ側に腰かけ、杖を側に置き、黒い人物はフードを外す。
肩より長い、少し紫ががったような黒い髪。
深い紫色の瞳。
白い肌に、髪と瞳が映えて、白雪姫みたいだなと感じた。
ただし、姫ではなかった。
黒い人物は、そっと私の頬に手を伸ばして、手のひらで頬を包み、指でなでる。
そして、そのまま座りこんでいる私の肩をおし、ベッドへ押し倒した。
「いやいやいや!ちょっとちょっと待って!!!」
「何か問題でも?」
「問題もなにも、そもそもあなた、子どもでしょ!?」
そう………私をベッドに押し倒し、上から私を見下ろす男性は……。
少年だった。