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ユニオンビースト ~霊獣と共に生きる者達~  作者: 杏子
第一章 ユニオンビースト
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5話 前夜祭

父王の誕プレを買いに街に降りた。

初めての街は興味をそそる物ばかりだ!!

 5話 前夜祭




 カイル達が部屋に戻ると、タントゥールとエリアスの侍女[ローシー]が待っていた。



「カイル様はこちらの服を、エリアス様はこの中からお好きな服をお選び下さい」

「まぁ!素敵!」



 エリアスの服は5着も並べてあったのに、カイルの服は1着だけだった。



「僕のはこれだけ?」

「一番お似合いな服をご用意いたしました」


 取り付く島もない。


 エリアスはさんざん悩んで、1着の服を持ってローシーと衝立の奥に入っていった。


 カイルの服はクリーム色のシャツと、濃いグリーンのジャケットと半ズボン。

 クローバーの飾りが付いた棒タイを付け、黒い革靴を履いた。





 エリアスが衝立から出てきた。


 後ろに大きなリボンが付いた水色のワンピースに同色の短い上着を羽織り、髪をポニーテールにして水玉のリボンを付けている。


 あまりに可愛くてカイルは見とれてしたまった。



「似合わない?」


 反応のないカイルにエリアスはちょっと拗ねてみせる。



「と······とんでもない!! す~~~~ごく可愛い!!」

「ウフッ カイルも素敵よ」



 満足!



 その後も「棒タイが素敵」「リボンが可愛い」と、お互いに誉め合ってはしゃいでいる二人の間にタントゥールが割って入った。



「コホン、失礼。 町へ行くにあたって御二人には守っていただきたい事がございます。

 1つ目は走らない事。 今日は前夜祭で大変な人混みでございます。 私共とはぐれないようにお願い致します。

 2つ目はお店に並んでいる物はお金を払うまでお店の方の物です 。勝手に触ったり食べたりしないで下さいませ。 お分かりでございますか?」


「はい!」

「それと、お二人とも、欲しい物がございましたら、私におっしゃって下さい」

「は~~~い!」

「では、参りましょう」


 そう言うと、アルナスに小声でささやいた。


「カイル様から離れないようにお願いします」


 アルナスは頷いた。




「あっ! そうだ! タントゥール。 出かける前に少し寄りたい所があるんですけど……」

「どちらへ?」

「裏の森。 新しいお友達ができたのでエリアスに合わせてあげたいんだ」

「承知しました。 門でお待ちしております」

「うん! エリアス行こう!」



 カイル達が部屋を出ると3人の男がドアの前に立っていた。

 カイル付きの護衛兵の[ヨハン][ホグス]だ。


 ヨハンは凄い剣豪なのだがどう見てもその辺のお兄ちゃんで、ホグスは筋骨隆々な大男である。

 もう一人はエリアスの護衛だろう。

 見るからに真面目そうな顔をしている。


 3人とも私服に剣を携帯している。



「ちょっと寄る所があるので門で待っていて下さい」


 それだけ言うとカイル達は走っていった。





 森に着いて「ナルナラ」と声をかけると、草むらから白いウサギが出てきた。


「まあ、可愛い!」

「ナルナラ、僕の幼馴染みのエリアスだよ。 仲良くしてね」

「ナルナラおいで·········カイル、抱いてもいいかしら?」


 すると、ナルナラの方からエリアスの腕の中に入ってきた。


「ふわふわで気持ちいい! よろしくね」

『こちらこそよろしく』

「ナルナラがよろしくって」

「まぁ! 嬉しい!」

「そうだナルナラ。 僕達今からお祭りに行くからもう少しここで待っててね。 お父様にお許しをいただいたから、帰ったら一緒にお部屋に入れるからね」

『わかったわ』


「イザクとハリスもナルナラと一緒に待ってて」

『『はい』』



 ◇◇◇◇



 カイル達が門に行くと、タントゥールと護衛兵達が待っていた。


 大門の脇の小さなドアから町に出ると、そこには沢山の店が並び、大通りは人でごった返したていた。


「あっ! 見て! あのお店!」


 カイルはエリアスと手を繋いで走り出した。



「カイル様! お約束!」



 タントゥールに言われて二人は立ち止まり、顔を見合せて肩をすぼめてからゆっくり歩いた。


 一軒一軒覗いては「凄い」「可愛い」と、なかなか前に進まない。



「カイル様? 今日の目的をお忘れではないでしょうね?」

「あっ! も······もちろん忘れてないよ」




 目が泳いでる。




 色々な店を覗いてみたが、なかなかこれという物が見つからない。

 少し疲れたなと思った時、美味しそうな匂いを出している屋台を見つけた。


 覗いてみると、目の前でパンを揚げ、砂糖をまぶして何かを挟んでいる。



「召し上がりますか?」

「「はい!」」

「何を挟みますか?」


 目の前にトッピングが幾つも並んでいる。


「僕はピーナッツバター」

「私はフルーツ」

「はいよ! 新しく揚げてやるから少し待ってな」


 屋台のおやじが小気味良い返事をし、パンを揚げ始めた。

 香ばしい香りが食欲をそそる。



 揚げたてのパンを半分に切り、間にピーナッツバターとフルーツをそれぞれ挟んで紙に包み、二人に渡した。


「お待たせ」

「「ありがとうございます」」



 タントゥールが代金を払うのを見て「食べていい?」と、勢い込んだ。


「はい。 では、あちらの木陰でいただきましょう」


 カイル達は、少し離れた所にある木の下に座り、パンを頬張った。




「「美味しい!」」




 今までに食べた事のない食感と甘味が口の中に広がった。








揚げパン食べたい

( ゜∀゜)

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