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ユニオンビースト ~霊獣と共に生きる者達~  作者: 杏子
第一章 ユニオンビースト
34/103

34話 シドネッタ

カイル達は、シドネッタに入った。

避難民の代表に会い、シドネッタ国王と謁見する。

 34話 シドネッタ




 数日後、シドネッタに到着した。


 体が完治していないウォルターは郊外に待たせ、カイルとアッシュ、アルナスとディアボロだけで王都に入った。


 先ずはアルタニアから逃げて来た人を探した。


 道行く人に聞いて回り、六人目で手応えがあった。

 この先の食堂で働いている[ボーグ]という男がそうだという。


 食堂に行きボーグを呼び出してもらった。




「初めまして、アッシュ·セルカークと申します。 あなたはアルタニアから逃げて来たと聞いたのですが」

「そうですが、それが何か?」

「私はアルタニアで、騎馬隊大隊長をしておりました」

「おおっ! それならクイント·ローゼン殿をご存知か?」

「もちろん知っています。 彼は第四騎馬隊隊長でした。 彼がここにいるのですか?」


「はい。 アルタニア避難民の責任者をしています」

「責任者? では、ここでもアルタニアの人達は、連絡を取り合っているのですね」

「二ヶ月に一度は集まっています。 少し待って下さい」


 ボーグはエプロンを外し、カイル達を郊外の牧場に連れて行った。




 数人の牧童が牛を追っている。その中に見覚えのある顔があった。


 アッシュは柵の中に入り走り出した。



「ローゼン!」

「······?······セルカーク?······セルカークか?」

「そうだ! 私だ!」

「おおっ!」


 二人は抱き合った。


 その様子を見て、他の牧童も集まって来た。


「彼等も騎馬隊だった者達だ」


 そういえば、見覚えのある顔ばかりだ。

 ひとしきり再会を喜び合った。





「皆に紹介したい御方がいる」


 ローゼン達をカイルの所へ連れて行き紹介すると、いつものように歓喜の後、膝を着いた。



 この国に滞在中、この牧場に泊まらせてもらう事になったので、ウォルター達を呼び寄せた。

 カイルがシドネッタ国王に会いたいと言うと、何度もお会いしているからと段取りしてくれた。





 直ぐに謁見を許され、シドネッタ国王に会った。


 カイルの身元を明かし、前回の様にカイザーとアルナスを呼び寄せて協力を要請すると、すんなりと受け入れてくれた。


 シドネッタ国王は危機感を持っていた為、将来襲撃を受けた時の対策等をローゼンに相談していたという。



「カイザーがユニオンビーストだという事は分かったが······本当に大丈夫なのか?」

「確かにユニオンビーストの本当の姿は大きく見た目も恐ろしいと思われるのですが、彼等は争いを好まず思いやりのある優しい種族です」

「しかし昔にも一度、アルタニアはユニオンビーストの襲撃を受けた事があるだろう?」


 カイルは知らずにアルナスの首に手を回した。


「あれは人間の為にした事だそうです。 現にその時、誰一人襲われてケガをした人は居なかったと聞いています。 私はこのユニオンビースト達に何度も命を救われました。 彼等がいなければ私は生きていなかったでしょう」


 カイルはアルナスとカイザーの頭を撫でた。



「しかし人々は私同様ユニオンビーストは恐ろしいと思っている」

「そこが問題です。 エグモントやアルタニアを襲ったのは彼等の意思ではなく、操られているのだという事だけでも理解してもらえれば違うと思うのですが······アルタニアを取り戻す時、お互いの信頼関係が無ければ失敗する恐れがあります」


「ふむ······そうだな······では、その事は私が何とかしてみよう」

「ありがとうございます」



 その日の夜、ローゼンがアルタニアの避難民を集めてくれた。

 彼が言うには、避難民の数は二百五十七名。 その内兵士が二十三名だそうだ。


 その代表者が集まった。


 いつものように歓迎され、カイルがこの国に来た理由と、ユニオンビーストは恐れる必要がない事を、納得してもらえるまで話し合った。






 そうやって、[シドラス国][ボルスマ国]を廻り、オスウエスト国に入った。






今回は少し短いです。

(^_^;)

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