表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ユニオンビースト ~霊獣と共に生きる者達~  作者: 杏子
第三章 エボリューションフラッシュ
102/103

28話 進化

資格を得たザギは、ケビンと鍵を開ける。

大きな扉が開き、中へと入った。

 28話 進化




 ダルゴに乗り鍵の場所へ行くと、またドラグル達が集まっている。




 鍵の前へ降り立った。


 ダルゴが下がり、鍵守(かぎもり)のドルゴが前に出てきた。


『お待ちしておりました』


 ドルゴが(うやうや)しく頭を下げた。

 周りのドラグル達も一緒に頭を下げる。



《前とえらく態度が違うな》

《とりあえず、資格を得たからじゃないかな?》

《資格を得ると偉いのか?》

《さぁ?》

《ずっと思っていたが、資格って何の資格だ?》

《元の大きなドラグルに戻れる資格?》

《だいたい、勝手に小さくしておいて、元に戻る資格もくそもないだろ!》


《もしかしたら7つ目になれるんじゃないか?》

《ユニオンビーストが進化するなんて聞いた事がないぞ》

《ザギは、特別?》

《そうなのか?》

《僕に聞くなよ》

《それもそうだ》 




 そんな会話をしているとも知らず、ドルゴがズイと前に出てきた。


『ケビン様、鍵をお開けください』

「あっ、はい。 どれからいこう?」


 袋の中を見ていると、ドルゴが顔を寄せてきた。


「おっと」


 顔が近くて圧を感じる。



『では、水の珠を』

「水の珠? あぁ、青色ね」


 ケビンは水の珠を取り出し、鍵の上に差し出す。

 すると、左下の目が開いたので、コロンと中に入れた。


 地の珠の時と同じように一度目を閉じてから再び目を開けると、ちゃんと目として収まっている。 そして、ビビビと青い光が扉を駆け、何かの模様の一端を現した。


 ドルゴはうんと頷いた。




『次は火の珠を、どうぞ』

「赤色だな」


 ケビンは火の珠を鍵に入れた。


 ビビビと赤い光が扉を駆ける。

 扉の模様が少し形を成してきた。


 どうやらドラグルの姿が描かれているようだ。


『では、草の珠を』


 緑は草なんだと思いながら、珠を入れる。



 すると4つの色が重なりあい、七色に輝く7つ目のドラグルの姿の輪郭が浮き出てきた。

 翼を大きく広げ、体をくねらせて飛ぶ姿を描いている。


「わぉ、凄いな」

『光の珠を』



 感動しているケビンの言葉がスルーされた。




 白い光の珠を入れると、扉のドラグルの模様に、風になびく白い(たてがみ)が現れ、ドラグル全体の輝きが増す。




『それでは最後に、闇の珠をお入れ下さい』

「黒色だな。ザギ、いくぞ」

『お······おう』


 ちょっとザギは不安そうだ。


 最後の右上の目に闇の珠をコロンと入れた。



 ビビビと黒いラインが走ると、扉全体が真っ黒になった。


「えっ?」と思った途端、カッ!と輝き、七色に縁取られ、真っ白な(たてがみ)と金色に輝く7つの目を持つ真っ黒な美しいドラグルの姿が浮かび上がった。

 

 20m以上ある巨体な扉の中を、本当に飛んでいるかのような、躍動感溢れる美しいドラグルで、真っ黒ではあるが微妙に明暗があり、立体感のある姿だ。


挿絵(By みてみん)


「わぁ······」


 ケビンは、その壮大さに言葉を失う。




 その時、扉の縁が光だした。


 その光が徐々に中心に向かって移動を始め、ドラグルの彫刻を二分するように縦に光の筋をつくり、今まで無かった扉の真ん中が分れて二枚扉になった。



 ズゴゴゴゴ



 岩を(こす)る大きな音が鳴り始めたと思うと、下の鍵の台座を残して扉が向こう側へゆっくりと開き出した。



『ケビン、口が開いてるぞ』


 慌てて口を閉じる。


 久しぶりに突っ込まれた。


 

 


 扉が向こう側に開き切った。 すると、ポン!とアンガが現れた。


『中へどうぞ』


 アンガが先導して中に入る。



 扉の中は凄く広い。



 天井が恐ろしく高く、この山はこんなに高かったかと思うほど天井は遥か彼方で、先が見えない。

 そして部屋の中には30m以上ありそうな巨体な魔方陣が1つ。 その周りに7つの小さな魔方陣が等間隔で描かれていた。




 中に入ると、後ろで再びズゴゴゴゴと音が鳴った。 振り返ると扉が閉まっていく。


 ズズン!と扉が閉じて一瞬真っ暗になった。 すると周りにあった松明にボッボッ!と、次々に火が灯されていった。




『ザギ様。 魔方陣の真ん中へ』

『お······おう』


 ザギはパタパタと飛んで、大きな魔方陣の真ん中に降りた。


『ここでいいのか?』

『はい』


 返事してくれたよ。




『ケビン様は、そのままお待ちを』


 そう言うと、アンガは一番奥の小さな魔方陣に飛んで行き、中に降りた。


 その時、ポン!ポン!ポン!と、他の精霊達が現れた。 そしてそれぞれが小さい魔方陣に立つ。




 琥珀のドラグルがポン!と、地の珠に変わり、魔方陣に[仁]の文字が浮かび上がった。


 赤いドラグルがポン!と、火の珠に変わり、魔方陣に[勇]の文字が浮かび上がる。


 青いドラグルが水の珠に変わり[優]


 緑のドラグルが草の珠に変わり[絆]


 白いドラグルが光の珠に変わり[運]


 そして、黒いドラグルが闇の珠に変わり[察]の文字が浮かび上がった。




『ケビン様、魔方陣へ』


 ケビンは、残る目の前の魔方陣の真ん中に立った。

 すると、足元に[心]の文字が浮かび上がった。



 それで? と思っていると、ザギのいる巨大な魔方陣の真ん中に大きな[王]の文字が浮かび上がってきた。


 そして7つの小さな魔方陣が光を放ち始め、聖霊達とケビンが光に包まれる。



 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ



 どこからともなく、地鳴りのような音が鳴り響き始めたかと思うと、遥か上にある天井からカッ!! と、ザギに向かって閃光が走った。


  




 


この世界の言葉は日本語? いえいえ

「仁」「優」など、それに該当する言葉が浮かび上がったと思って下さい。

(;^_^A

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ユニオンビースト https://ncode.syosetu.com/n4174fl/
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ