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主に恋愛している短編集(連載作品以外)

君はいたね

「ぅおぇええええぇぇぇぇっっっ!! 」


 ビルの谷間の陰に 君吐いたね


 夜風に漂う君の匂い


 少し泣きそうな君が おれを見て


 恥ずかしそうに笑っていたね



 飲み屋からの帰りだった おれは


 二人分の水を買って


 壁に もたれている君と二人で


 月を見上げて一緒に飲んだね





「ぅうぇええええぇぇぇぇっっっ!? 」


 大学の教室に 君はいたね


 近くで漂う君の香り


 少し驚き過ぎた おれを見て


 困ったような顔をしていたね



 昼の食堂で おれは


 友達(あいつら)と一緒に食べながら


 同じように食べている君を


 見ながら 熱さも水で飲み込んだ





「「ぅおぇええええぇぇぇぇっっっっ!! 」」


 飲み屋のトイレで 君も吐いたね


 君と おれとの協奏曲(コンチェルト)


 組まれた合コン おれと君


 友達(あいつら)笑っていやがった



 ビルの谷間 夜の影


 二人分の水を買って


 顔の赤い君は 壁に もたれるように


 おれは君に映る月を見下ろした。





「ぅおぇええええぇぇぇぇっっっ!! 」


 久しぶりに 君吐いたね


 部屋に聞こえる君の声


 少し泣きそうな君が おれを見て


 恥ずかしそうに笑っていた



 ビルの谷間の影に 君はいたね


 君の匂い 見下ろした月


 あの時 ここに 君はいたんだね


 恥ずかしそうに笑う君



 同僚(あいつら)の誘いを蹴って


 おれは 君を求めていた


 二人分の水を買って


 おれは一人で家に帰った





「ただいまーー」

「おかえりなさい。」


 微笑む君 左手の月と膨らんだ お腹



 君と おれとの協奏曲(コンチェルト)



 いつか 君のお腹を撫でて 子供に言うんだ


 ここに 君はいたね って

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