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第十一夜 トウニューワラビモチ

ブックマークありがとうございます~!


「お待たせしました、『豆乳わらび餅』です」


黒い陶器の深めの茶碗に乳白色のトウニューがぷるぷるとしていて美味しそうだ。ミッドナイトは特に横についてる『クロミツ』という蜂蜜より甘い不思議な蜜に『キナコ』という豆を芳ばしく煎り粉末にしたものをたっぷりかけて食べるのが大好きであった。


「んー、おいしぃー♥」


口の中でとろけるように消え、動物の乳とは違い一才獣臭くない豆の濃厚な味わいが広がる。低カロリーでお肌にもいいなんてミッドナイトには理想の菓子であった。

それだけでも充分美味しく頂けるミッドナイトであったが、更に黒蜜ときな粉をかけて食べる。

『クロミツ』はなんと高価な砂糖より何倍もの栄養分があり、『キナコ』もこのトウニューと同じ原料である『ダイズ』という豆を使っているようだが味は全然違い、更に栄養もある。ダイズ万歳。


(はぁー、菓子を食べているはずなのに、こんなに良いこと尽くめでいいのかしらぁん?)


どんどん自分だけ美味しいもの食べながら美しくなっていく(姿が見ないから意味ないじゃんと言う読書さまのつっこみは心の中にしまってもらい)ことと無知で何も知らず金だけに物を云わせてる馬鹿な上級貴族たちに優越感を感じる。

だが、ミッドナイトにとって何よりの栄養は……。


「キャーーー❤大栗潤ちゃぁあん!!」


イケメンであった。



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



「あ~、満足した」


思う存分豆乳わらび餅と画面越しのイケメンを堪能したミッドナイトはお持ち帰り用のわらび餅も買ってから、席を立つ。


「じゃあ、サクラっちまたねー」


「はぁ~い。ミッドナイトさん、ありがとうございましたー!」


ひらひらと手を振りながらミッドナイトは扉に向かって歩いていく。


「ありがとうございました」


出口で丁寧にお辞儀をするアクアの肩にそっと手を乗せるミッドナイト。


『サクラっちのこと、頼むわよ』


念話でアクアに話しかけてきたミッドナイトにアクアは下げていた頭をふと上げてみる。

そこには困った様だがどこか嬉しそうな複雑な表情をしたミッドナイトがいた。


『あの子は皆の前では寂しくても絶対泣かない子だから……、貴方だけはサクラっちの傍にいてあげて』


そうアクアに言い残すと共にミッドナイトは店をあとにした。


「…………」


「?アク君、どうかしたの?」


「いえ、なんでもありません。店長」


暫くアクアの頭の中からミッドナイトの言葉が離れなかった。



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



「まったく、私ったら本当に可愛い子とイケメンに弱いんだから……」


すっかり暗くなった町は、魔法で照された町明りが彩る。誰もいない暗い裏道から町通りにふっと姿を現すミッドナイト。だが、透明人間(ゴースト)であるため気配が薄いのでミッドナイトの存在に誰一人気付かない。


「あっー!いたーーー!!!」


低級魔族であるゴブリンがそう叫ぶと、ゴブリンとは思えない程の速さ脚を発揮しミッドナイトに向かってきた。


「あら?コプじゃない」


コプはミッドナイトが雇っている使用人ゴブリンの中の一人であった。


「あら?じゃ、ありせんよ!!あんた、マジで自分の店ほっぽらかして毎回、何処行ってるんですか!?」


コプは主というのにミッドナイトに遠慮なしに顔を真っ赤にしながらカンカンに怒りまくる。


「まったく貴方は一応、国一番と言われている有名占い師・真夜中に占う者(ミッドナイト)様なんですからね。あんま仕事サボると流石の貴方でも国家占い師の名も剥奪されますよ」


「まぁまぁ……ほらコプ?例の店―……のお菓子、また買ってきたのよぉ」


ミッドナイトは『トウニューワラビモチ』が入った白い箱をコプの前に見せびらかす。


「え、あそこのですか!」


じゅるりと涎を垂らすコプはもう大きな白い箱にくぎ付けだった。


「そうよ~。皆のお土産の分もあるんだけど……。でもそうねぇ~、コプがそんなに怒るならもうこれはいらないわよねぇー」


「ワァーー!わかりましたっ!わかりましたから!今日だけですからね!?次は本当に怒りますからねぇ!」


(チョロい)


もうあそこの菓子はしっかりとゴブリンたちの胃袋も掴んでおり、コプとのこのやり取りも、もう何回繰り返したことやら。

コプが用意してくれていた馬車に乗り、自宅である屋敷に戻る。


「WHEEL of FORTUNE ……運命の輪の正位置」


マントから取り出した一枚のカード。


「占いの通りとはいえ…まさか、あんな意外な人物と出会うとはねぇ」


その名の通り、運命の出会い、転機、大きな変化という意味を持つカード。今日のタロット占いで出たカードの一枚。


「あっ、そう言えばアクア君に『アイツ』のこと言うのすっかり忘れてたわぁ……」


まぁ、それは次に会った時にでも言えばいいか。

馬車に揺られながら、『トウニューワラビモチ』を大事そうに抱え自宅に帰るミッドナイトであった。


食欲の塊の混沌クッキングー!


どうも、皆さん作者の食欲の塊です。今日お話の中でも出てきた豆乳わらび餅は私が実際に作って食べているものです。

子供や大人にも人気な一品です。

せっかくなので、レシピのせちゃえーー!!


材料

きび砂糖 60

豆乳 700

白玉粉 50

わらび粉 100

きな粉&黒蜜 好きなだけ


作り方は簡単

材料混ぜて火にかけて混ぜるだけというまぜまぜ料理ですヽ(・∀・)ノ


①きび砂糖~わらび粉の材料全部を混ぜる。(だまを残さないようにする)


②鍋に入れ、中火にかける。(よく底や回りをゴムベラでかき混ぜること!でないと、焦げますwww)

※ゴムベラの方が先が軟らかいのでやりやすいですよ(*´ω`*)


③粘りとツヤが出てきたら弱火で5分から10分かき混ぜる。(ここ!!ここめっちゃ疲れるのでファイトー!)


④きな粉(砂糖を入れて合わせたもの)をたっぷりに入れた器に③を流し混む


⑤常温で1時間から2時間冷やす(冷蔵庫で冷やすと固くなりすぎるときがあるので注意です。まぁ、時間がない時ぐらいですかねぇ)


⑥食べやすい大きさに切ったら完成。黒蜜ときな粉をかけてどうぞ。


※自分で柔らかすぎる、硬すぎると思ったら白玉粉とわらび粉の配分を変えてみるのもありですよ。好みは人それぞれですので(^-^)


その他に白ごまや黒ごまを混ぜてもうまそうですよねぇ……(じゅるり)


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