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淀みと憎しみ
自分の言葉に吐き気がした。
なにが私の息子だろう。私の愛する娘を奪ったあいつに。
煮物に水仙の葉を刻んで混ぜた。
嘔吐してのたうちまわるがいい。
大体、私は反対だった。
身体の弱い娘が子供を産むなんて無理だと思ってた。
それでも娘はなんとしても産むと言った。
……反対しきれなかった。
私は悪くない。身体の弱い娘に迫ったあの男が悪い。
そう私は悪くない。
「……うう」
涙がでてきた。足もなんだか重たい。
私はしばらく道端でうずくまってしまった。
神様がいるなら教えてほしい。
何も残せなかった私の娘は何か罪を犯したのですか?
あの娘が幸せになれない理由があったのですか?
私はどうすればいいのでしょうか?