前編
「なあ、那美。お前、Web小説って知ってるか?」
それは突然だった。歩き慣れた高校からの帰り道の出来事である。
「何よ、急に」
さっきまで、今日終わったばかりの試験の話を並んで歩く航平としていたのだ。何の脈絡もなく、いきなりWeb小説の話を口にした航平に怪訝な顔を向ける。
「いや、だからWeb小説だよ。Web小説」
どちらかというと童顔をした航平は、ゆっくりとWeb小説の部分を繰り返した。
「インターネットで見れるヤツでしょ。実際に見た事はないけど存在くらいは知ってる」
那美は一体何の話だ、と首を傾げる。
「ユーザーとして登録さえすれば小説を投稿出来るサイトがあってさ」
「ふーん」
興味を示しているとは言えない返事を返す。
「実はさ、俺、そのサイトで小説を書いてるんだ」
少し照れた表情を浮かべた航平は窺うように横目で那美の方をちらりと見た。
「え? 小説? 航平が?」
正直、そのサイトには特別関心のなかった那美であったが、航平が小説を書いているという事には驚きを表した。その反応も当然である。家が隣同士。しかも、本人らはいつ初めて会ったのか覚えてないくらい幼い頃から一緒にいる。そんな昔から知っている航平が小説を書きたいなど聞いた事が無い。
「そんなに驚く事か?」
少しむっとした顔つきを航平は見せる。
「そりゃそうでしょ。あんた、昔から作文とか苦手だったじゃない。よく、私に手伝ってくれえって泣きついてたでしょ」
くすくすと笑い声を立てる那美はまだ、自分よりも背の低かった頃の航平を浮かべていた。
「それは小学生の頃の話だろ。それに、俺は泣いてなんかいないぞ」
今ではすっかり那美の頭一つ分くらい背の高くなった、航平は彼女の頭の後ろで一つに纏められた髪の毛をぽんとはたく。
「もう、やめてよ。髪、乱れるでしょ」
そう言いつつも怒った様子は無い。身長が逆転してからよく航平にされる事だったからだ。
「へー。小説か。ね、どんなの書いてるの?」
那美は髪を撫でながら大きな目を輝かせて聞く。
「ま、それは実際、那美の目で見てくれよ」
「どういう事?」
「これ……」
一枚の紙が航平から手渡される。
「それ、その小説投稿サイトの名前だ。その名前で検索かければすぐそのサイトが出てくるよ」
「で、この、“コウ”ってのは何?」
渡された紙を覗き込みながら、那美は尋ねた。
「それは、俺のユーザー名。ま、ペンネームみたいなもんと思ってくれていいよ。ユーザー検索で打ち込んでくれたら出てくるから」
「ふーん。ま、テストも終わったし、明日は部活もないし。暇つぶしがてら見てあげる」
明日は土曜。学校もクラブもない。久々の休日である。普段はクラブ活動で今日も、航平と一緒に帰路につくのは久々である。もっとも、一緒い帰る約束をしていたわけでは無い。たまたま校門で会ったのだ。
「おう。感想聞かせてくれ」
その後も家に着くまで、最後には那美がしつこいと言うほど、何度も投稿した小説を読むように確認してくる航平であった。
風呂に入り、さっぱりとした那美はテストが終わったという解放感に包まれていた。また、しばらくしたらテストがあるのだが、今晩は勉強から解き放たれているという思いである。
窓の薄いレースのカーテン越しに、隣の家の窓が見える。カーテンがされているので中は見えないが、航平の部屋である。明かり点いており、部屋に航平はいるようである。
「今頃小説でも書いてるのかしらね……」
学校からの帰り道での話を思い出す。
腰掛けていたベットから立ち上がると、那美はパソコンの電源を入れる。
「どんなの書いてるんだろう……。変なのだったら、明日の朝一でからかいに行ってやろっと」
悪戯を思いついたような、にやけた顔はとても、人に見せられるものではない。本人の自覚はあまり無いのだが、これでも、那美は学校でも、男女問わず、そこそこ人気のある方である。実際高校に入学してからも、何人かに交際を申し込まれた事があった。しかし、それらをすべて那美は断っていた。周りはクラブ活動のバレーボールに打ち込みたいからだと解釈していた。事実、それは間違ってはいなかった。
「これね……」
航平から教えられたサイトを見つける。
どんなサイトか、とトップページを見る。続けてランキングという文字を見つけそのページを開く。ずらりと並ぶタイトルが目に入った。
「へー。ジャンルで分かれてるんだ。結構一杯あるのね」
初めて見る小説投稿サイトを興味深げに那美は眺める。
「何か、変わったタイトルが多いなあ」
ずらりと並ぶタイトルから無作為に一つを選び、タイトルをクリックした。どんなものか、試しに読んでみたくなったからである。
意外におもしろい――那美はパソコンのモニターに浮かぶ文字を追っていく。気づけば、一時間以上の時間が経過していた。
「あ、航平のを読むんだった……」
当初の目的を思い出す。
窓から航平の部屋を見る。まだ、明かりは点いている。
「ユーザー検索は……、ここか。これで、航平……じゃなかった、コウって検索するんだっけ?」
キーボードで『コウ』と打ち込み、検索する。
「おっ、あった、あった」
ユーザー一覧から“コウ”という名前を見つけて、クリックした。
“コウ”のページが開かれる。それなりの数を投稿しているようで、小説のタイトルがいくつも並んでいた。
「いつから、書いてたのかしら?」
一番上にあったタイトルを選び“コウ”こと、航平が書いた小説を読み始めた。
「うーん、これは……、酷い……」
読み始めて十分も経たないうちに、那美は根を上げた。まず、読みにくい。さっき試しに読んだものはすらすら読めたのだが、航平の書いたものはまるで、歩きにくい山道を真っ暗な真夜中に歩いているような感覚になってしまう。意味が伝わってこないのだ。おかげで、何度も読み返すはめになる。そして、誤字。高校二年でこの間違いはないだろう、という誤字もある。那美は航平の試験の結果を思わず心配してしまう。そして、ストーリー。ジャンルはファンタジーらしいが、あまりに陳腐なものだった。
つまり、とんでもなく面白くなかったのだ。
「……」
期待していたわけではないが、想像を超える駄作っぷりに那美は言葉を失ってしまう。ここまで酷いと、からかうではなく貶めるになってしまうと余計な心配をしていた。
ふと、ページの上にある『小説情報』という文字に気づき、開いてみた。そこには評価を示す欄もあった。航平の書いた小説のポイント評価はゼロである。誰一人として評価をしていない。
「ま、当然か……」
小説の出来から考えて、納得の数字であると那美は思った。
参考までに、先ほど試しで読んだ小説の評価を見ると、万単位であった。那美はそれについても納得できた。小説としての面白さが、航平の書いたものとはポイントの差以上にも感じられる。
航平の書いた別の小説も目を通すが、彼の小説への評価が上がる事は無かった。それは那美だけでなく、他のこの小説を読んだ人もそうだったらしく、ポイントは皆無だった。
「はあー。これ、どうしたらいいんだろ……。感想って言われてもなぁ」
あまりの結果に那美は机に上に突っ伏してしまう。
しばらく、おでこをぐりぐりと机に押し付けていた那美が頭を上げると、航平の書いた小説の一つが目に入った。
「ぷっ」
那美は思わず吹き出してしまった。時間はもう夜遅いので、大声で笑い転げるのは何とか我慢した。
航平はファンタジーをメインにして小説を書いているようだったが、その小説のジャンルは何と恋愛だったのだ。
「くふふ。あの航平が恋愛小説? 彼女なんて出来た事ないのに、書けるの?」
言い終わった那美はふと笑いが止まる。
幼い頃から一緒にいて、性格もよく知っている。高校に入ってからは那美の部活が忙しい事もあり、一緒にいる時間は減ったが、それでもほぼ毎日のように会話は交わす。自分は航平の事をすべて知っているわけではないという思いが出てきた。那美が知らない所で恋愛をしていてもおかしくはない。事実、航平が小説を書いているなど那美は今日初めて知ったのだ。
那美は自分の事をよく航平に話す。その日のあった事、思った事を話していた。
しかし、逆はあまりない事を思い出す。航平はどちらかというと、いつも那美の話の聞き役だった。
「私が知らないだけ……?」
ちくりと胸の奥を刺す気が那美はした。どこかもやもやとする気持ちも頭もたげてくる。
感じた事のない感覚を振り払うように、頭を二、三度振ると、パソコンに目を移した。
航平の書いた小説、ジャンルは恋愛。タイトルは、『告白』。
那美は大きく息を吐いてから、タイトルをクリックした。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
僕は、公平。高校二年。県立の高校である。
目立つ方ではなく、かといって、ボッチというわけでもない。ただ、地味で平凡な生徒である。
でも、それに不満があるというわけでもなく、それなりに楽しく毎日を過ごしていた。
こんな僕でも、人並みの恋をした。正直に言おう。僕は恋というものをした事が無い。理由を聞かれても困る。自分でもわからないのだから。
でも、もしかしたら、本当はずっとしていたかもしれない。ただ、気づかなかっただけで。でも初恋と呼べるのは、この高校に入ってからだった。
彼女の一言一言が気になり、彼女が見当たらないだけで不安を覚え、彼女が笑うと嬉しくなってしまう。
こんな気持ちになったのは初めてだった。だから、これが僕の初恋なのだろう。
でも、僕は臆病だった。彼女と付き合う為の事を何一つ出来なかった。
彼女は見た目もさることながら、その明るく活発な性格から、友人も多い。部活でも、先輩から信頼され、後輩からも慕われているらしい。
それに比べて、僕はどこにでもいるような平凡な顔立ちである。彼女ほど、友達もいないし、何か秀でている所があるわけでもない。
そんな僕が彼女と付き合えるはずがないという思いが僕をより一層、臆病にさせていた。
そんな僕は今日も、数少ない友人の一人である篤志と教室で話し込んでいた。
「人の気持ちって難しいな」
「何だ、いきなり。難しい本でも読んだか?」
篤志は眼鏡越しに僕を見る。彼は一見優秀に見えるが実はそうでない。しかし、温厚な性格で中学は違ったが中がいい。
「いやあ、人の気持ちって難しいなって話だよ」
窓際の席から、顎を肘で付きながら外を眺めている。その視線の先には、彼女がいる。
「あー、なるほど」
僕の視線の先に気づいた篤志は納得顔になった。
彼は唯一、僕の気持ちを知っている人物である。
「まだ、うじうじ悩んでいるのか。前にも言っただろ。悩むくらいなら――」
「分かってるよ。それでも、悩んでしまうんだよ」
僕の視線は篤志と話している間も、外に見える彼女を追っていた。
「あ、そうだ」
何かを思い出したかのように篤志が声を出した。
「ん? 何?」
「いやな、ちらっと聞いた話だけどな。……どうやら彼女を狙っているヤツがいるらしいぞ。しかも、近い
うちに、告白するって話だ」
「まさか!」
ここで、初めて僕は篤志の方に振り向く。
「いや、本当だ。それに、こんな嘘ついても仕方ないだろ」
「本当かよ……」
口とは裏腹に、僕はあり得ない話ではないと思っていた。いや、むしろ当然だと思う。何しろ、彼女は性格だけでなく、その容姿も学年でもトップクラスに入ると思う。美人というより、かわいいタイプになる。そして、なにより、その笑顔には人を癒す力があると、勝手に思っている。
そんな彼女である。付き合いたと思う男が出てきても、不思議では無かった。
「だからさ、のんびりしている暇ないと思うぜ。俺からみたら、お前ら結構仲良さげに見えるけどな」
「仲がいいと、付き合うとでは違うだろ」
俺は彼女とは釣り合わない――そんな思いを口にする事も出来ずに、もう一度外を見た。
いつの間にか、彼女はどこかに行ってしまったのか、見当たらなかった。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
相変わらず拙い文章だと、那美は思った。誤字も見受けられる。
「この話って航平の事?」
恋愛小説というより、私小説を読んでいるようだった。というのも、主人公らしき、“公平”は航平と漢
字一文字違いである。漢字はわからないが、“アツシ”と呼ばれている友人が航平の友達の一人でいた記憶
も那美にある。
「じゃあ、この“彼女”って誰だろ?」
小説の中身がすべて真実とは限らないが、ほぼ、事実なのだろうと那美は考えていた。だが、その“彼女”の心当たりが那美には見当つかない。高校で初恋って事は入学以降に出会った人だろうと思われるが、そんな話を航平から一度も聞いた事はなかったし、素振りも感じた事も無かった。“篤志”との会話から、それなりに仲が良いようだが、誰だろうかと、学校の女子生徒の顔を思い浮かべていく。
航平が思いを寄せる人――。
那美の心がざわめきを起こす。初めて感じる感覚である。でも、那美にはその感覚が何かは分からなかった。
そのざわめく気持ちを取り払おうと背筋をピンと伸ばす。
「どうせなら、私も登場させてくれたらいいのに。物心つく前から一緒にいるんだからさ」
どうでもいいような悪態をつきながら、窓から航平の部屋を見る。いつの間にか部屋の明かりが消えていた。
ふいに那美は世界で一人取り残されたような思いにかられた。
壁い掛けている時計を見ると午前一時を過ぎている。
「もうこんな時間だったんだ」
もう寝て、続きは明日に見ようかな、という考えが頭をよぎる。
しかし、那美は続きが気になった。小説を面白いとは感じていない。先に読んだファンタジー小説は途中までしか読んでいない。だが、この小説だけは最後まで読みたい気持ちがあった。
明日は休みだし……、と言い訳を見つけると、再びモニターへと向かった。
続きが気になるのと同時に、那美は読み進めるのが、何故か少し怖くも感じていた。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
放課後、僕は買い物に出かけていた。愛用のボールペンが寿命を迎えてしまったからだ。
近所のショッピングモールへと、自転車を走らせていた。
自転車を走らせながら、篤志の話を思い出していた。
僕の気持ちを彼女に伝える。彼女はどんな反応をするだろうか? 驚くのは間違いない。今までの彼女の態度からは僕をそういう対象として見ていないと思う。
まとまらない思考を続けながら自転車を走らせる僕の視界に彼女が入った。道を挟んだ反対側の歩道を歩いている。まだ制服だ。この時間だと、きっと部活の帰りだろう。
僕の胸は高鳴った。
でも、それは偶然彼女を見かけたからではない。胸の高鳴りの原因は彼女が一人でなかったからだ。歩道を歩く彼女の隣には男性がいた。
僕は彼女から視線を外した。
ショッピングモールまでただ、真っすぐ前だけを見て、自転車を走らした。かなりのスピードを出していたようで、普段より早く着いたような気がした。
どこかふわふわとした感覚を感じながらも、目的のボールペンを買って、ショッピングモールの駐輪場に戻ってきた。
自転車に跨ると、なるべく思い出さないようにしていた、さっきの光景が蘇ってきた。
僕は自転車から降りると、そのまま押して帰り道についた。自転車から降りてからもさっきの光景は消えなかった。そればかりか、篤志の言葉を思い出す。
彼女を狙っているヤツがいるらしい――
さっきの男がその“ヤツ”なのだろうか。彼女も楽しそうに話していたけど、もう付き合っているのだろ
うか。確か、彼は……。
「どっか、行ってたのか?」
僕の思考を遮るかのように、声をかけられた。
声の出所を見る。
そこには、高校の同級生が立っていた。友人の少ない僕である。この同級生とは話した事がない。ただ、男子生徒の中でも目立つ方で、確か、サッカー部で一年からレギュラーで活躍していると聞いた事がある。
そして、さっき、彼女の隣にいた男でもある。
「あ、ああ、ちょっと買い物に……」
何故、一度も話したことのない僕に声を掛けてきたのだろう。さっきの事もあり変な顔になっていないだろうか心配になる。
「そっか」
話しかけてきたわりには素っ気ない返事だ。
「学校の帰り?」
私服の僕と違い、彼は制服のままである。もっとも、さっきも見かけたから知ってはいるが。
「ん。まあな……」
少しバツが悪そうに答える。何か僕に気まずい思いでもあるのだろか。もしかしたら、僕の目が彼女を追っているのに気づき、気持ちにも気づいているのかもしれない。だとしたら、彼は何を僕に言うのだろうか。
覚悟を決めて、彼の顔を見る。
「買い物って、何買ったんだ?」
「え? いや、ボールペン……」
予想外の言葉に、少ししどろもどろになる。
もしかしたら、僕の気持ちがどうなのか確信がないのかもしれない。
「そっか」
「ああ」
不思議な会話が続くな。
「じゃ、俺、行くわ」
そう言うと、さっと僕の横を通り抜けていった。
一体、何だったのだろう。それが、正直な感想だ。たまたま、学校の同級生と出会ったから、声を掛けただけだろうか。
考えても仕方ない。僕は自転車に跨り走り始めた。
何で、今日ボールペンを買いに行ってしまったのだろう。僕はそんな後悔もしていた。
しばらく走らせると視線の先に同じ高校の制服を着た後ろ姿が見えた。
彼女だ。
僕は迷う。声を掛けるか掛けないか。
でも、悩んでいるうちにみるみる彼女の背が近づいてきた。
「今、帰り?」
気づけば、自転車は彼女の横まで来ていた。そして、意識せずとも、声が出ていた。
「うん。部活。疲れたよー」
僕に気づいた彼女は笑顔を僕に向けてきた。その笑顔にうじうじと悩んでいた僕の心はすっと軽くなるのを感じる。
僕は聞きたかった。彼と付き合っているのか――と。でも、彼女の笑顔を見るとすっかりそんな事は忘れてしまっていた。
今日、ボールペンを買いに出かけたのを後悔した事、それも彼女の隣にいる僕は忘れ去っていた。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
「一年からレギュラー? サッカー部の男子でそんな人いたかな……?」
那美は思い返すが、そんな人物は思い浮かばなかった。もしかしたら、その辺は創作か、名前のように少し変えているのかもしれないと那美は考えた。
「でも、航平がこんなにも好きな相手って、誰だろう……」
小説はすでに半分以上は過ぎているようだが、いまだ見当が付いていない。ただ、航平が一途に“彼女”に思いを寄せている事だけは分かる。あれだけ一緒にいるのに、“彼女”の存在すら気づかなかった自分に少し呆れてしまう。
「水臭いなあ。私に相談してくれれば、協力する……の……に……」
――本当に協力する?
那美のずっと燻っていた心のざわめきが一段と大きくなるのを感じた。
――心から応援出来る?
頭の中がぐちゃぐちゃになるような気がする。
――二人が付き合う事を願える?
不安という感情が頭をもたげてくる。
那美はそれらから逃げるように、再びモニターに目を移した。