わたしだれ!?
ない
目が覚めたらそこはいつもと同じ、真っ白な天井だった
僕はサイレンの音同時にベットから起き上がる。
その行動は自分の意志とは関係なく、いつもと同じ午前7に目が覚める。
そして何も考えずシャワールームとは到底かけ離れた、細長い部屋に向かう。
その部屋には僕と同じ意思とは別の行動をしている子供たち、男女が
その部屋に集まる。
524と書かれた扉を抜ける。
いつ決められたかわからない順番に何も考えず並ぶ。
その瞬間
「ビィィィィッ!!」
耳をつんざくような音と同時に天井から水のようなものが降ってきた。
その水にあたりながら子供たちは無地の服を脱いでいく。
男女みな当たり前のように、羞恥心を捨てて、いや,もとからなかったかのように。
少年少女たちの服は無残に床に転がり、その上を彼らは歩く。
長い道を水なのか薬品なのかもわからない液体に打たれながら。
細長い道の先にある扉へ向かう。
その扉の先には広い部屋があった。
机と椅子が綺麗に配置された机の上には先ほどまで着ていた服と同じだが別の服が置かれていた。
彼らはその服に着替えてその場所の椅子に腰かけた。
全員同じタイミングで着替え終わり、同じタイミングで腰かける。
その光景はよく訓練された軍人のように息がぴったりだった。
全員が座り終わると無人ロボットが次々と入室してくる。
そして、机の上に嘔吐物のようなものを吐き出していく。
すべてのロボットが全員の机の上に次々と吐き出していく。
全員の机にその物体が吐き出され終わると少し時間がたつと先ほどのサイレンがまたなる。
「びぃぃぃぃぃぃッ!!」
その瞬間彼らは手でその嘔吐物を食べ始めた。
全員何も言わず黙々と食べ始める。
机に残さず、机についた液体もなめとり綺麗にする。男女問わずみなそれを行う。
みなその行為もすべてみな同じタイミングで食べ終わる。
食べ終わると今度はグループに分かれ始める。
男女ではなくこれもまたいつ決められたグループかは分からないが彼らは本能に近い感覚で
集まる。
そして3つにわかれたグループは部屋の奥にある3つの扉にそれぞれ入室していく
僕はその扉の真ん中に入って行った。
そのグループは能力で分けられている。
僕たちはそれぞれの能力を持っている。
それは様々で分かりやすく言えば水を生成、操作するなど人によっていろいろである。
僕の場合は音を半径50キロまで聞き取ることができる。成長につれてその距離も伸びている
僕のグループは僕に似た能力の集まりである。
部屋にはいろいろな器具が揃っている。
それは一人一人に与えられているものでありそれを一日中使う。
「始めようか」
一番年上と思われる少年がそういうとみな自分の器具をとり自分の世界に入る。
無論僕もその号令にしたがい自分の世界に入る。
僕の場合壁からコードが伸びたヘッドホンである。
僕はそのヘッドホンから流れる音楽を耳をこらして聴き続ける。
そのヘッドホンから流れる音はとても小さく集中しないと聞き取れないものである。
僕はその行動が楽しみでもあった。
日々違う音が聞けて、毎日新しいことが分かる気がして楽しかった。
(今日はテンポがいい音が流れている・・・)
それを聞いてると一日がすぐ終わる。
「びぃぃぃぃぃぃっ!!」
ヘッドホンの外から聞こえるサイレン。
僕はヘッドフォンをはずしてグループに戻りその部屋をさる。
そしてまたあの嘔吐物のようなものを食し長い廊下を歩き自分の部屋に戻る。
自室に戻るとベットに入り眠りにつく。
この生活が10年続いている。
10年なのかも自分の中ではあいまいである。
そもそも自分は1年の単位を正確にわかっていない。
僕が10年という根拠は毎日食事を運んでくるロボットが時々いう言葉と食事と毎日聞いてるヘッドフォンから流れてくる言葉である。
ヘッドフォンから「もうすぐ1年が終わります」と流れてくる時がある。
その言葉聞いた何日かした後にロボットが発する言葉がある。
「あけましておメでとう」
この言葉を境に1年のおわりと考え年数を体に刻みこむ。
それを数え始めて10年という歳月がたっている。
僕は腕に刻まれた10個の傷を見てこのままでいいのか、自分は何がしたいのかと不安になる。
そうなると僕はすぐに布団にくるまる。
そうして一日を終える。
そしてまた同じ一日が始まる。
僕はこのまま同じ日々を繰り返していくのだろうか・・・
目が覚めた私は同じ天井をみて思う。
「また一日が来てしまった。」
そう呟くと私はベットから身を起こしまっすぐ扉に向かう。
その扉には109とかかれている。
なんの数字かはわからない。
扉をあけるとそこは長い廊下になっている。
私と同じタイミングでほかの子供たちが扉から出てくる。
廊下に出て自然に整列すると耳を劈くようなサイレンが鳴る。
「びぃぃぃぃぃぃっ!」
その瞬間透明の液体が頭上から降り注ぐ。
透明な液体に身を打たれながら、私の寝ぼけた頭をさましていく。
それに打たれながら子供たちは行進を行い長い廊下を歩く。
その間私は着ていた服を脱ぎ捨て行進する。
そうして、私は長い廊下を終え広い部屋で用意された服を着る。
服を着終えた私は着席する。
みんな同じタイミングで。
(きもちわるい)
私はいつもしている当然の行動に嫌気がさす。
そして奥から金属の塊が直線運動をしながら近づいてくる。
その金属は私たちの目の前に食べ物とは思えないものを吐き出し、
食えと強要してくる。
私はその異物を見ると嗚咽が走る。
その異物をいやいや食しそしてすぐに”あの部屋に向かう”
そのへやは私にとって苦痛の部屋でしかない。
その部屋に入るのはほんの数人ほかのグループの奴には楽しそうにしてるやつもいる。
私はそいつらが何をしているかは分からない。
ただ私にとっては恐怖であり苦痛の時間である。
部屋に入ると、とても大きな岩がある。
私はその岩を割り続けるのが私に与えられたものである。
私は集中を始める。
何も考えずただ頭の中で破壊という概念を大きく膨らませる。
そしてその集中を岩にぶつける。
ドゴォォォォン
岩は轟音とともに煙を立てる。
「いやぁぁぁぁぁぁぁっ!!、あ”あ”あ”あぁぁぁぁぁ!!!」
私は能力を使うと目と耳から血が噴き出し頭が割れるような痛みに襲われる。
それは私だけではない。
泡を吹き気を失う子もいれば、それを快感と捉えエクスタシィーを楽しみ自慰行為を行う子もいる。
私はその痛みに耐えながらも岩に集中をぶつける。
「ビィィィィッ!!」
サイレンが鳴ると私の顔は噴き出た血が固まり黒くなって固まっている。
意識は朦朧とし千鳥足で部屋を出る。
そのころにはほかの子は異物を食し自室に戻っていた。
私は何も考えられずその異物に顔をつけてむさぼる。
何もかもどうでもよくなり食欲と足りなくなった血を補うために異物を食す。
さっきまでこの異物を見るだけでもいやなはずが今ではむさぼるように食す。
その様子はまるで腹を空かせたハイエナのように意地汚く、女とは思えない姿だった。
食し終わった私は軽快な足取りで自室に戻る。
食事をするとなぜか痛みや血が止まる。
意識が戻り今日のことをまた思い出す。
あの苦痛を思い出し嗚咽をする。
だが、吐かまいと必死に耐える。
耐えながら苦痛の毎日に耐えられず涙を流す。
どれくらいの間この生活をしてきたかわからない。
だから私は小さい時からベットの淵に小さな傷を寝る前に必ずつけてきた。
あぁ、もうどれだけの傷をつけてきたか・・・
数えきれない・・・
生体調査書第7098号
20XX年10月24日
生体数200名今のところ全生態に異常なし。
能力に向上の見られる生体無し。
計画が始まって125年が経過したが未だに能力向上のある生命体はいまだに0.
能力向上の見込みがある生命体は今のところ3名
生体ナンバー524、109、1
この3人は覚醒の予兆あり。
1に関してはきっかけさえあれば計画に使用できるほどの能力であるが危険とみなし隔離中。
524、109、はまだ覚醒の予兆があるが2か月もあればナンバー1と同等の能力が望める
能力向上実験にも脱走の危険があるとみなし実験にも不参加。
1は、物質に最大マグニチュード10相当のエネルギーを与えることに成功している。
そのうえ彼女自身にもう一つの能力が開花しつつある。
超能力に関しナンバー35と同じ人の心を読むとまでは及ばないが感じつつある。
とても危険な存在になりつつあるためこのまま昏睡状態をつづけることを確定した。
本委員会は524、と109を育成に専念することに決定した。
以上現状報告。
ない