プロローグその1
この作品は読者様と展開していく作品なので、希望するキャラや展開などありましたら遠慮なくコメント、メッセージ頂けたら幸いです。
可能な限り取り入れ、楽しい作品へと仕上げていく所存です。
僕の名前は芥川 優介。高校2年の至って平凡な男子高校生の筈だ。今は親元を離れ学校が運営する寮で暮らしている
「月見荘」
それがこの寮の名前だ。由来は山の上に建っているという立地条件から月がよく見えるからだと。学校創設当時は入寮者が絶えなかったと言うが、今やその影もない。住んでいるのは4人だけとい有様だ。
ガスと電気、水はしっかりと通っているしトイレだって共用じゃない。しかも大浴場のおまけ付きだ。学校からも近い……というか学校の裏に建っている。
ではなぜ入寮者が増えないのか?
その答えは住んでいる人間にある。
101号室 鶴見 鶴子
天文高校1年生。学園始まって以来の天才で全国模試では常にトップを欲しいままにする。家柄もよく、かの有名飲料でお馴染みの〝ゴカコーラ〟の社長の娘である。
いつも無表情で感情はあまり出さない。一緒に住んでいる僕ですら笑っている顔を見たのは数回程だ。
103号室 真田 幸子
天文高校2年生。僕と同じクラスの女の子で中学からの付き合いだ。明るくていつも何かしら体を動かしている体力バカ。苗字から察するとおり、かの有名な武将の真田幸村の子孫らしい。家が厳しく嫌気がさしたとかで絶賛家出中の困った女の子である。
203号室 芥川 優介
ここが僕の部屋だ。一応大家の仕事もしている。大浴場の掃除や、庭の世話……後は寮の補修や掃除なども僕の仕事だ。
204号室 霧島 ステラ
天文高校の1年生。頭は良いが授業に出ることが少なく、テストもサボりがちな点から成績はあまり良くない。いつも何かの実験をしていて部屋の中は謎の実験器具でいっぱいだ。故に生活するスペースがなく、庭にテントを張って生活している。セクハラめいた発言が目立つ。
以上4人が月見荘で暮らしている。おわかりの通り変人の巣窟となっている月見荘は一般の生徒からは毛嫌いされているのだ。代々学生で管理するこの月見荘は2階建ての立派な建物だが、住む人が少ないのはいささか寂しい気もする。
しかし、大家を任された以上しっかりと月見荘を管理しなくては!
「なーに食事中にブツブツ言ってるんだよ優。食べないなら私にくれよ……そのカツとか」
「え?いや別に……ってほんとに食べないでよ!?自分のがあるだろ!」
「ちぇー、ケチケチすんなよなー」
僕が寮の事を考えていると隣に座る幸子が僕のカツを横取りしてくる。あぁ、楽しみにしてたのに……僕のカツ。
なくなってしまったカツに肩を落としていると僕のお皿に一切れのカツが置かれる。
カツの主は僕の向かいに座る鶴見さんだった。
「私の……あげる」
「あ、ありがとう鶴見さん……ほら!幸子も鶴見さんを見習いなよ?こういう優しさが大事だと僕は思うな」
「うっさい!デレデレすんなバカ優!」
「してないよ!」
「ンモー、お二人とも静かに食べてくだサイネ?ユウスケもいい加減に私を食べてくだサイ」
「サラッとやばい事言わないでよステラ……」
「oh!なら幸子でも、ワタシは構いまセン!」
「はぁ?私は食いもんじゃないぞ?変なやつだなぁ……」
騒がしく1つのテーブルを囲む食卓は悪くないと思う。おかずの取り合いは勘弁して欲しいものだが……。
…………
………
……
…
程なくして晩ご飯を食べ終えた彼女らは各々の部屋へと戻っていく。僕は1人後片付けを始めた。
「やっぱり新しいスポンジは泡の立方が違うなぁ……ふひひ」
「あの…………手伝う」
音もなく僕の横に現れたのは鶴見さんだ。鶴見さんはこうしてたまに後片付けを手伝ってくれる貴重な存在だ。
「ありがとう鶴見さん。でも、今日は少ないからいいよ?それよりたまには一番風呂でも入ってきたらどうかな?」
「お風呂……一緒に……入りますか?」
「え?ん、んーと……言ってる意味が分からないんだけど……どういうこと?」
「なんでも……ない」
「そ、そう?それならいいんだけ……」
言い終わる前に視線に気づく。このネットリと絡みつくような視線は多分……。
「ステラ、見てるだけならこっちに来て手伝ってよ」
「に、にゃーんデス」
「猫は……ですなんて……言わない」
「オー、失敗失敗ネ!」
鶴見さんにツッコミをさせるとは、やるなステラめ。
ステラは笑いながら姿を見せるとおもむろに服を脱ぎ始めてってどわぁ!?
「な、ななななにしてんの!?」
「ナニって、今からお風呂に入るので脱いでマス!」
「ここで脱がなくてもよくない!?」
「おっきい……」
「鶴見さんも見てないで止めてよ!?」
外国人のステラは高校生にしては発育がいい。出るとこ出てて引っ込むところは引っ込み……いささか思春期男子には刺激が強いワガママボディだ。しかも白人特有の綺麗な肌も相まってなんともけしからん。
僕の声を無視して脱ぎ始めるステラを尻目に手早く洗い物を片付け、僕は部屋に逃げ帰るのだった。