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普通

あっさりと、俺達は外へ出る事が出来た

なんとも拍子抜けである


「...出られたな」

「...そうだね」


もっと何かがあるのかと思ったがそんな事は無かったようだ

まぁ出られたのだからよしとしよう

無事に出られたのだからまずするべきことは状況確認だ


「校舎の時計は何時になってる?」

「9時10分だね、それに時計の針も動いてないみたい」


時計の針が動いていない?

俺たちが校舎に入った事は関係無いって事だろうか


「どういうことなんだろうな」

「時計、ほんとは壊れてただけだったのかな」


学校にあった時計が全て壊れているなんてありえるのだろうか


「ねぇ、昴」

「なんだ?」


佐藤さんから話しかけてくるのはもしかして初めてだろうか


「そこの歩いてる人に時間を聞けばいいんじゃないかな


俺たちのすぐ近くに歩いてくる男性を指して言っているらしい

確かに何かしらの時計は持っているだろうし、一度聞いてみるべきかもしれない


「そうだな、聞いてみよう」


男性の元へ行くと、何故か少し嫌な顔をされたが気にしても仕方ないだろう


「突然すみません、今って何時ですか?」

「今?9時15分だよ、時計くらい持ってないのか」


急に話しかけたこっちも悪いが、何もそんな風に言わなくてもいいとは思う

それでも時間は教えてくれるのだから律儀だとは思うが


「ありがとうございます、今ちょうど時間が見れる物を持っていなくて」

「そうかい、普通は何かしら持っているものだと思うけどね」


この男は腕時計は持っていなくても、携帯の一つくらい持っていると思ったのだろうか

正直、高校生にもなって携帯を持っていないのは自分でもどうかとは思うが、別に不便を感じた事は無いのだからきっと必要無いのだ


「まぁいいさ、俺だってのんびりしていられるわけでもないんだ、じゃあな兄ちゃん」

「はい、ありがとうございました」


別に何の予定があるかなんて興味も無いけれど、急ぎの用なんてあるんだろうか


「やっぱり時間、止まってたみたいだね」


どうやら近くで話を聞いていたらしい

見えないのだから急に話しかけないで欲しい


「そうみたいだな」

「丁寧語、使えたんだね」

「お前は俺をなんだと思ってたんだ」

「...真面目系ヤンキー?」


俺はそんな風に思われていたのか

なんだか悲しくなってきた

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