三日目
目が覚めると、部屋の寒さで鳥肌がたった。
昨日までに感じていた温度と違いがありすぎて混乱する。
今、自分が何処にいるのかさえ、分からなくなってしまいそうだった。
それでも、落ち着いて周囲を見回すと自分の部屋だと気づく。
ひとまず、クローゼットから上着を取り出して羽織り、部屋を出る事にした。
部屋を出て、リビングへ向かう途中も、いくら秋手前だとしてもおかしい寒さだった。
「おはよう」
「おはよう...今日はなんか寒いな」
リビングへ入ると、すでに佐藤さんが居たようで、軽く挨拶をした。
テレビに映る天気予報には、まるで冬のような気温が表示されていた、しかも天気は晴れだ。
よくもまぁこう毎日のようにおかしな事が起きるものだ。
そんな中でも腹はしっかりと空いてしまうらしく、朝食にすることにした。
思えば昨日の夕飯も味噌汁だけだったなと思い出す、美味しかったけど。
台所に残っていたのは食パンくらいだった、冷蔵庫にある卵を使えば軽食程度にはなるだろうか。
佐藤さんにパンで良いか聞いたところ、「いいよー」と、軽い返事が返ってきた。
いやそんなキャラだったかという疑問は今は置いておこう。
今の声色だけで判断するならパンはそれなりに好きなのかもしれない。
卵を使って目玉焼きを二つ作り、その間にパンをトースターに軽くかける、それだけで完成だ。
ただ少し、味気ない感じはした、定番だとここにウインナー辺りがつくんだろう。
「おまたせ、これしかなくてごめんな」
「いいよ、お世話になってるのはこっちなんだし、ご飯、ありがとうね」
その後、朝食を食べながら今日の予定を話しあう事にした。