襲撃
僕は水に飛び込み、目を見開いた。
買った物をとって落ち着いて周りをみると、そこには今までみたことの無いような、表現出来ないくらいの景色があった。
(うお、すっげぇ…!なんだ、おっちゃんとか「入っちゃ駄目だ!」とか言ってたけど全然大丈夫じゃん!)
そんな軽い気持ちで僕は水の中を探検した。
昔は栄えていたであろう商業施設、皆が集まっていたであろう広場、ここにたくさんの人が住んでいたと予測できるレベルの大きさの細長い家、ここには僕の知らないものがすべて詰まっているような気がした。
しかし、そうずっと水の中にはいられないわけで、息継ぎをしたくなった。
(そろそろ戻ろう。さすがにしんどい!)
その時、目の前に水泡で出来た直線が浮かんだ!
(あっつ!水の中だよな…?)
異変を感じ取った僕は焦って自分の周辺を見渡した。
すると僕は水泡で出来た直線に囲まれていた!
(なんだこれ!)
僕は焦りながらもその水泡とにらめっこする。
そしてこの水泡が何かが高速で動いて出来ているものだと気付いた!
(なんだこいつら…!囲んでなにする気だ?…ヤバい、息が…)
先ほど息継ぎしようとしていたところだったので、もう限界が近づいていた。
意識が飛びかけていたその時!
今度は目の前に赤い何かが、真っ赤な何かが…
揺れ動いていた。
(っ…)
僕は…その光景を最後に意識が完全に飛んだ。
この時、生死の狭間?で声が聞こえた。
[なんだお前、そんなんで死にかけてるのか。]
「…誰だ?」
[この状況でそんなことが言えるのか。面白いやつだな。]
「なんだと…」
[いいか?お前は今死にかけてる。]
「…はぁ。」
[もっと話したいことはたくさんあるが…良かったな、もう助けが来たみたいだな。また今度。]
そこで声は聞こえなくなり、重い瞼が開いた。
そこにはいつもと変わらない曇り空が写っていた。
「ぅ、うう...」
「君、目が覚めたのか。大丈夫だったか?」
「あれ、僕、今まで何して...」
「水の中で君が化け物に襲われてたところを我々が助けたんだ。」
そうか、買った物を取るために水の中にはいって…良くわからない奴に襲われて…。
「......ああああっ!!買った物!」
すっかり目的忘れてたぁぁぁ!
先ほど手から離してしまったのだろう。
…まぁ後で買い直すしかないか…。
「もしかして、近くに浮かんでたこれか?」
「ああああっそれだ!ありがとうございます!」
「…取り敢えず、もう大丈夫か?」
「はい、大丈夫です。」
「水の中には気を付けてね。」
優しく促して、その人たちはどこかへ行ってしまった。
(僕も妹の夕飯作らないと。)
助けてもらったことに感謝しつつ、僕は家への帰路へ着いたのだった。




