アンモ騎士(アンモナイト)
物語のあるリボン作家『いろいと』です
私の作るリボンには、1つずつ名前と物語があります
手にとって下さった方が、楽しく笑顔で物語の続きを作っていってもらえるような、わくわくするリボンを作っています
関西を中心に、百貨店や各地マルシェイベントへ出店しております
小説は毎朝6時に投稿いたします
ぜひ、ご覧下さい♡
Instagramで、リボンの紹介や出店情報を載せておりますので、ご覧下さい
hhtps://www.instagram.com/iroit0
キラキラ背びれを揺らめかせながら泳ぐ姿を、これまたキラキラしながら見ている我が息子
夢中になるものがたくさんあっていいなぁと思う反面、私もキラキラしながら泳いでいる名前の分からない魚に見惚れている
『ねぇ!見てこれ!ここにお魚いるよ♪』
『わっ!ほんとだ、どこにいるのかと思ったらこんなとこにいてたんだ!』
『お姉ちゃんにも言ってあげなきゃ!』
『お姉ちゃんはパパと、先にペンギンのとこに行っちゃたよ?』
『じゃあ、いいや。あっ!ママあっちあっち!!』
私の方を見向きもせずに次の水槽へと走っていった
上の子とパパは、二人でペンギンを見に行くからと、私と息子二人きりで今は魚を見ている
次々と目に入るものに興味を持ち、これはこんなのかな?あれは?と問いかけて、その疑問を解決しようとする
勉強にもその情熱を取り入れて欲しいなぁと思いつつ、一生懸命に話しをしてキラキラしている姿に少しほっこりしていた
『アンモナイトだって!ねぇ!アンモナイト!』
『おぉ♪おもしろい形だね』
『アンモ・ナイト・だから騎士だよってママ言ってたじゃん』
『はは、言ってたかな?ほら、これみて』
そう言ってカバンに付けている『アンモ騎士』を見せてあげた
『これはね、アンモ騎士って名前でね?騎士って大切な人を守ったり、かっこよく闘ったりするんだけど・・・
だから、これを付けてたら『そばで見守ってるから大丈夫だよ』っていう守ってくれる物語のリボンなんだってさ。分かる?ふふ』
『守るの?つよいの?んーそっか・・・じゃあ、ぼくがナイトになるから、ママそれもういらないから大丈夫だよ!』
突然の大人びた発言に私はビックリして言葉が出てこなかった
ぎゅっ・・・
私は思わずきつく我が子を抱きしめた
『ありがとう』
『くるしいいいいい・・・』
まだまだ子どもだと思っていたのに、いつの間にか大きくなっていた
知らない間に、これからも成長するのだろう
『ママ何してるの?』
息子を抱きしめて感傷に浸っていると、聞き慣れた声が後ろから聞こえてきた
『ママのナイトを抱っこしようと思って』
『は?』
いつの間にか、ペンギンを見終わった娘とパパが帰ってきていた
何言ってるの?とばかりにポカンと立つ娘とパパを横目に、一瞬緩めた腕の中から、スルリ抜けてナイトが走り出した
その後をお姉ちゃんが追いかける
『走らない!』
私の声を振り切って、もうすでに遠くにいる
『ぼくもペンギン見てくる!』
『私も、もっかい見てくる』
そう言って二人が元気よく走って行った
キラキラ光るお魚と、キラキラ光る子どもたち
小さなナイトは私の心をキラキラにさせてくれた
『まって!ママも行く!』
走り出そうとした私にパパが呆れた声で一言・・・
『走らない!』
終
最後まで読んで下さり、ありがとうございます
色々なお話を書いておりますので、どうぞごゆっくりとしていってもらえると嬉しいです
また明日、6時にお会いしましょう♪