これがクラスってもんです。
次の日になりました。
「昨日はえらい目にあったよ~」
「自業自得です!さぁ、行きますよ」
メリッサに連れられて教室へ向かいました。
教室へ着くとシオンは皆に頭を下げました。
「昨日は突然に休んで申し訳ありませんでした!」
深々と頭を下げるシオンに、クラスメイト達は逆に恐縮してアワアワした。
「い、いえ!私達の浅はかな気持ちのせいでシオン様にご迷惑を御掛けして申し訳ありませんでした!」
「そうですよ!僕達が勝手に揉めただけでシオン様は関係ありません!」
うーん、これは言っておかないとダメね。
「わかりました。それと皆さんにお願いがあります。公式の場はともかく、この学園にいる間は様付けで呼ばないで下さい。クラスメイトなんです。学友としてもっと気さくに呼び会いましょう♪」
ジーン!!!
クラスメイト達は感動して涙ぐんだ。
高位の貴族お嬢様なのになんて良い人なんだと思った。
「おーーほほほほ♪シオンさんは謙虚ですわね!よろしくてよ。私が色々と教えて差し上げますわ!」
うん、普通はこういう高飛車なお嬢様が多いのだけれど、シオンはオアシスだよ!
クラスの心が1つになった瞬間だった!
スカーレットを反面教師に、シオンの気さくさと謙虚さで、シオンに対する好感度がMAXを超えて振り切れそうであった。
「遅れました!また迷ってしまっ…………て?」
遅れてきたアリスはクラスの異様な空気に戸惑いを隠せなかった。
『いったい何が………?』
いや、決まっている。シオンが何かしたんだわ。
アリスの中ではシオンはトラブルメーカーとして認識されつつあった。
そして、クリス先生がやってきて、1日遅れのホームルームが始まった。
「──と、いうことです。質問はないかしら?」
クリス先生から本日の予定を説明された。
「はい!メリッサ担任代理、家庭科の場所はどこでしたでしょうか?」
「あ、家庭科室は二階のこの教室から1番奥の部屋だから、少し早めに移動した方がいいわね」
うん?
クリス先生は首を傾げた。
「はい!担任代理、今日の魔法の授業はどこでやるのですか?」
「魔法授業は、他のクラスと合同でやるから、魔法演習場でやるわよ」
ううん???
「ねぇ?先生は私なんですが?」
フローラはクリス先生に言った。
「だってメリッサの方がしっかりしてるし、先生っぽいし?」
「ちょっと!それって老けてるってこと!?」
ブハッとクラスが笑いに包まれた。
「「あはははっ♪」」
「笑って誤魔化さないで!?」
それを見た担任のクリス先生は、うわぁ~んと出て行ってしまった。
『ちょっとスッキリしましたわ。先生の癖にズルいんですから』
まだ、自分1人でシオンに絵を描いて貰おうと行ったことを怨んでいたフローラとクラスメイト達だった。




