諸悪の根源は…………
教室で大変な事が起こっている時であった。
その頃のシオンはと言うと──
「良いですねー!知的な大人の女性って感じですよ♪」
「あら♪ありがとう♪」
シオンはいきなり飛び込んできた担任教師のクリスを描いていた。
うむ、クリス先生は、魔法使いっぽい格好のローブ姿に椅子に座って魔導書を持っている格好で描いて貰っていた。うむ、狙い通りである!
「あの~?先生はこの格好よりも、こんな感じのセクシーな感じで描いて欲しいのですが?」
クリス先生はセクシーポーズをしたが、シオンに怒られた。
「何を言っているんですか!クリス先生にそんなポーズは必要ありません!自分の特徴を壊して何をしているんですか!もし、男性にモテたいのなら、知的で大人の魅力がある仕草で、清楚な感じを出さないでどうするんですか!?」
!?
「えっ!?だって、男性はプロポーションの良い、魅力的な女性が好きだって雑誌に書いて──」
「そんな下世話な雑誌は捨ててください。確かにそういうのが好みの男性はいるでしょう。でも、知的な感じで、メガネを掛けていて、そんなに…………大きくない物を魅せようとしても、逆に男性は引いちゃいますよ?」
!!!!?
「何ですってーーーーーー!!!!!!」
クリス先生はたいそう驚くのだった。
「わ、私の今までの苦労は全部無駄だった………の?」
「いえ、全てが無駄ではなかったと思います。ただこれからは、無理に背伸びせず、自分の長所を伸ばして、魅せていきましょうね♪」
「はいっ!ご教授お願い致します!先生!!!」
あれ?
「ねぇ?先生はクリス先生だよね?」
「ふっ、恋愛の先生ということですわ♪」
無駄に格好つけてアリスの問い掛けに答えるスカーレットだった。
二人はシオンがクリス先生を描いている間に、一階の購買で、サンドイッチなど軽食を買ってきて食べていた。
無論、シオンの分も買ってありますよ?
すでに、時間は昼頃である。
すると…………
ドドドドドッ!!!!!
「なんですの?」
「なんでしょう?」
地響きに首を傾げる二人だったが、突然にドアがバンッ!と開いた。
ババッ!!!?
とっさに臨戦態勢を取る二人だったが──
「はぁはぁはぁ…………やっと、着きましたわ……」
たどり着いたのはボロボロな姿のフローラであった。そして、少し遅れて何人かの女子生徒も息を切らしてやってきた。
「ど、どうしたんですか?」
「はぁはぁはぁ、貴女達だけズルいじゃ……ないの………はぁはぁ。みんな、シオン様に描いて貰いたいのに………」
そういって力尽きたのだった。




