どうすればいいのよ!
キンコンカンコン~~
ざわざわ
ざわざわ
「はーい!ホームルーム始めるよ~~~」
メリッサは黒いファイルを持って教壇に立った。
コソッ
「ねぇ?なんで制服着てるの?」
「えっ、先生?いや、クラスメイトよね?」
教室で生徒達が囁き合う。
「あー、言いたいことはわかるから。私はメリッサ・スフレよ。みんなと同じ生徒です。担任のクリス先生は、ちょっと問題児の対応に行かれたので、代わりにホームルームをするように言われました」
ざわざわ
ざわざわ
「はい!良いでしょうか?」
1人の生徒が手を挙げた。
「はい、どうぞ」
「失礼ですが、問題児とは誰のことでしょうか?正直、Sクラスに入れる方で問題がある方がいるとは思えないのですが?」
メリッサは名簿を見て答えた。
メガネを掛けている短髪の女子生徒で、フローラ・ジャスミン子爵令嬢と書いてあった。
パッと見、委員長っぽい感じである。
「まぁ………そんなんだけどね。正確には変人?かな?えっと、シオン・バーニングハート公爵令嬢の事は知っているかしら?」
「無論です!天才画家シオン様の事を知らない国民はいませんよ!?私も何度も美術館に通いましたから!新しくできた美術館にも通いましたわ!」
「あら、私の領地に来てくれたのね。ありがとう」
ええっ………!?
どうしよう?
本当の事を言って良いのかしら?
後ろから刺されると嫌だなぁ~
うちの領地にも来てくれたみたいだし………
う~ん、どうしよう?
メリッサは一瞬、どう言えばいいのか考えてから答えた。
「そのシオン………様が、急に創作意欲に目覚めて、一部の生徒を巻き込み、執筆作業に没頭して登校日初日の今日、出席出来ないと言ってきたので、先生が様子を見に行ったのです」
ヤバい!?
呼び捨てにしようとしたらクラスの何人かが、殺気を放ってきたよ!?
怖いわー!
マジでジークやライト王子、代わってくれないかしら?
!?
「「「なんだってーーーーー!!!!!」」」
びくっ!?
なになになんなのよ!?
「ど、どうしたの?」
クラスメイト達が一斉に驚きの声を上げたので、流石のメリッサも怖くなって尋ねた。
「どうしたのって、当然じゃない!あの人間国宝のシオン様が新作を描いていらっしゃるのよ!」
「そうよ!もしかしたら私達、美術館に飾られる前に拝めるかも知れないのよ!」
「シオン様の新作、楽しみだわ♪私は女神アルテミス様の絵が大好きなの!」
「あら、私は『永遠の美』のタイトルのシオン様のお母様の絵が好きよ!鉛筆だけであんなにリアルな絵が描けるなんて信じられないわ♪」
「俺はなんと言っても、迫力のある古龍の絵が好きだな!絵から飛び出して襲ってくるような絵なんて信じられないぜ!」
ワイノ
ワイノ
なんかシオンの絵についての談話が始まった。
メリッサは渇いた声で笑った。
「あ、あははは…………どうすんの?これ?」
もう、帰っていいかなー?と思っていると、最初に声を上げたフローラが言ってきた。




