表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪役令嬢は大好きな絵を描いていたら大変な事になった件について!  作者: naturalsoft


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

48/107

予想通り!

シオンの個展の一般公開が始まって、少し困った事が起きた。一部の貴族が平民に混じって観ることにクレームを入れてきたのだ。

混雑でスリなども起こったため、一週間の内、3日間は貴族の日にする事にした。


「シオン様、旦那様と奥様がお呼びです。執務室までお越し下さい」


侍女さんが呼びにきました。シオンは筆を置くと父親の執務室に行きました。


コンコンッ


「失礼します」


シオンが入ると、父、母、執事と紅さんと蒼さんまで居た。


「あれ?皆さんどうしたんですか?」

「まぁ、座りなさい」


父に言われてソファーに座ると、母リーゼが執事に言ってテーブルに置いたのは、大量な釣書であった。


「こ、これはいったい………」


母リーゼは楽しそうに言った。


「これはね。シオンに婚約を申し込んできた人達の釣書よ♪」


!?


「こ、婚約!私に!?」

「あははは!この絵以外はポンコツ姫なシオンに婚約を申し込むなんて、どんな罰ゲームよ!」


うん、フィーネは黙ろうか?

シオンは腹を抱えて笑っているフィーネを両手でギュッと締めると後ろへ投げ捨てた。


「どうしてこんなに…………」

「それは、シオンが天才画家として、名が売れたからよ♪」


母リーゼは当然の様に言った。


「マジか…………」


シオンは取り敢えず、目の前の釣書を手に取った。


「あれ?この子、この間の王子様じゃない?」


この子も私に釣書を送ってくるなんて………私って、もしかしてモテ期きた?


シオンは微妙に違う事を考えていた。

シオンの美貌より、公爵令嬢としての地位と資産、そして天才画家としての名声を狙ってシオンに婚約を申し込んで来ている者が大半であった。


「私としてはまだ早いと思うのだが、毎日の様に次から次へと送られてきてな。ここにあるのは、伯爵家以上のまっとうな貴族、王族と精査して持ってきたものだ。これ以外だと10倍は隣の部屋に置いてあるよ」


少しげっそりしている父親がいた。


「私は予想通りなんだけど、そろそろうざい………コホンッ、面倒だから虫除けに婚約者を仮にでも決めない?と言うことになったのよ」


お母様!言い直しても似たような意味ですよ!

シオンは絶句していたが、取り敢えずここにある釣書だけでも、目を通しておくように言われた。


「シオンもしっかり選びなさいね。もしかしたら、一生涯の(つがい)を見つけるかも知れないのですからね?」


蒼さんは知的に諭すように言った。


「シオンに釣り合う男かどうかはアタイが厳しくチェックしてやるから安心しなっ」


紅さんがそういうが、別の意味で安心できないよ!?


こうして、シオンは1日掛けて釣書に目を通したが、会ったこともない人と婚約するなんて抵抗があった。


「あぅ~~決めれないよー!」


部屋でグテーとなりながら、半泣き状態のシオンがいた。


「まぁ、今すぐ決めなくても良いんじゃない?せめて1ヶ月ぐらい掛けて選んでもいいと思うけど?」


フィーネの言葉にシオンは素直にそだねー!と、同意して逃げる様に絵を描くのだった。



「やっぱりシオンはすぐには決められないか?」

「はい、そのようです」


執事にシオンの様子を報告させたカール公爵は腕を組んで悩んでいた。


「あなた、国王様にこの前の借りを返してもらいましょうよ。王妃様も口添えしてくれるわ」


「…………仕方ないか」


シオンに対する釣書には、この前の隣国の王族である王子の他に、問題となっている釣書の差出人、宗教国家であるヒーリング聖教国からも、シオンを高司教の婚約者にと釣書が送られてきていた。


ここの国のヒーリング教は、うちの国にも教会が多くあり、大陸中に信仰されている。

無下に断ると角が立つので、頭を悩ませていたのである。


この件を境に、シオンの周りが騒がしくなっていくのだが、シオンはまだ知らなかった。




『よろしければ感想、評価、ブックマークよろしくお願いします!』

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ