美術館へ!
ライト王子の一件から2週間が過ぎました。
「さぁ!明日は待ちに待ったシオンの作品を集めた画廊展よ♪」
お母様はワクワクしながら楽しそうだった。
「オレ達も楽しみだ」
「ああ、これでシオンの名前が世に知れ渡るね。これまで以上にシオンを狙う奴が増えるだろうから警備を強化しないとな」
兄達もワクワクしていた。
「リーゼ様、本当にスフレ男爵領に美術館を建設してくれるのですか?」
メリッサちゃんが興奮しながら聞いてきた。
「ええ、今回は王都の中央美術館で画廊展を開くけど、あくまでも期間限定よ。スフレ男爵領にはシオンの作品を長期展示する専用美術館を建設予定です。スフレ男爵領の領地は王国のメイン街道がすぐ側を通っているので、交通の便は悪くありません。ただ、特産物など無いため素通りされていたのよ。だから、名物になる物があれば人が集まり発展するわよ♪」
ジーン!
メリッサちゃんはお母様に深く頭を下げた。
「ありがとうございます!この御恩は必ず返します!」
ちょっと無口なランちゃんも御礼を言った。
「ありがとうございます。これでお父さんが楽になります」
うんうん♪良かったね!
でもね?ちょっと問題があるのよ。
「お母様、ちょっと気合いが入り過ぎではないですか?」
シオンは朝早くから磨かれて、綺麗にドレスアップされていた。ドレスはシルクで出来た真っ白な布地をベースに、薄い青色と紫色の薔薇のレースとコサージュが美しさをきわただせていた。
「何を言っているの!シオンが世に羽ばたく愛でたい……じゃなかった。めでたい日なのよ!今日は『シオン記念日』として祝日にすべき日なのよ!」
なんでやねん!
( ´∀`)Σ⊂(゜Д゜ )
お母様のテンションは高かった。
「諦めろ。今日のお母様は誰にも止められない」
兄のルークが静かに首を振った。
ってか、お母様を止められた事ってあったけ?
「さぁ!行きましょう!」
「「はーい!」」
馬車で王都の中央美術館に向かいました。
ざわざわ
ざわざわ
「なんでしょう?すごく混んでますね?」
いつもこんなに人が集まってましたっけ?
「むふふふ♪それは仕方ないわね。お母様、頑張っちゃったから♪」
お母様ーーーーー!!!!!
何をしやがったのですか!?
「色々と声を掛けてシオンの絵を観に来てねって誘っただけよ?」
(来なかったら…………わかっているわね?)
と、無言の圧力を掛けたけど♪
『『絶対何かしたよね!?』』
お母様が何をしたのか気になるけど、馬車は美術館に着きました。
「今日から一週間は貴族の貸し切りよ。一般市民の公開は一週間後からね」
まぁ、これはこの世界では仕方のない事である。
「お待ちしておりました」
馬車をから降りると美術館の館長さんが出迎えてくれた。意外にも女性でした。
「開館にはまだ時間がありますが凄い人ですね」
「ええ、そうでしょうね。まさかこれほどまでとはね~」
お母様はそう言うけど、この混み具合も良い広告のネタになるのだ。
「シオンの初個展なんだ。当然だろう?」
レインお兄様も頷いた。
裏口から館内に入ると、応接室に通された。
「それより館長、わかっているわね?」
館長さんは気を引き締めて頷いた。
「はい、盗難には万全を期して対応しております!公爵家から警備の騎士団をお借りしましたし、大丈夫です!」
「それなら良いわ。もし、売って欲しいと言う申し出には、直接バーニングハート公爵家まで来るように伝えなさい。まぁ、売る気はないけどね♪」
お母様は楽しそうに笑った。
「それと、王妃様までご来館されると先触れが来ましたが………」
「ああ、大丈夫よ♪王妃様も協力者だから。王族として、他国の外交官など美術館へ連れて接待として来てくれるそうなの♪」
おおぅ………
すでに他国にまで噂を広める算段をしているとは流石です。
こうして、開館の時間がくるのであった。
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