警戒
少し描き溜まったので毎日更新に戻します。
ストックが無くなったら一週間更新となります!
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クロウ・イースト第2王子。
側室の子供であり、いつも微笑みを浮かべ令嬢達をエスコートすることから微笑みの王子と呼ばれており、物腰が柔らかく、相手を持ち上げる事が上手いことから大勢の者達に人気があった。
ライト王子はなんでもそつなくこなす事から、爽やか王子と呼ばれていた。
近年は尊大な態度が反感を買い、人気を落としていたが………
そんな誰にでも好かれるクロウが薬入りの飴玉を渡していた事に、王妃様やライト王子は戸惑いを隠せなかった。
しかしルークが楽しそうに言った。
「くくくっ、あの微笑みの王子が、髪の色と同じく腹黒だったとはな」
「まだクロウが犯人とは決まっていない!」
意外にもライトが反論した。
「お前はバカか?薬と呪いが解けたのに、頭が沸いているんじゃないか?」
なお反論しようとしたライトにレインが諭すように言った。
「脳筋のルークの言う通りだ。王族の食事は毒見されるのが決まりだ。それをされずに直接渡してくる時点で黒だろう。考えてもみろ。お前が評判を落として1番得をするのは誰だ?」
「そ、それは………」
「クロウが犯人なら辻褄が合うだろう?自分は周囲に良い顔をして評価を上げて、お前が自滅して行けば、王太子の座はクロウの物になる。なかなかしたたかじゃないか」
腕を組みながら納得するようにルークは頷く。
「ただ、まだ子供のクロウだけの考えではないだろう。母である側室………あ、そうか、側室がアークモン家と手を結んでクロウを王太子にしようと画策したのか!」
!?
「………それはあるわね。側室の御方は伯爵家の出で国王陛下の寵愛を受けている王妃様を快く思っていないでしょうから」
公爵夫人のリーゼも同意した。そこに、身体を震わせるほど怒りに燃えている王妃様が居ました。
「よくも…………よくもここまで私達をコケにしてくれたわね。許さない!愛する息子にした仕打ちを何倍にもして返してやるわ!」
おおぅ!?
流石に怖いわー!
まぁ、気持ちはわかるけどね!
「まぁ、待ちなさい。しばらくは泳がせておきなさい。然るべき時に断罪しましょう♪」
お母様は言葉とは裏腹にニッコリしながら言いました。
「リーゼ夫人がそう言うなら………」
負い目のある王妃様もお母様に言われては行動に移せないのであった。
「そんな顔をしないで。宰相と国王様には伝えておいてね。紅さん、もう1つ指輪を貰えますか?宰相さんにも渡したいの」
「ああ、いいぞ」
紅さんは魔力で指輪を瞬時に作り、王妃様に渡した。
「バーニングハート公爵家の皆様には多大なご迷惑をお掛けして本当に申し訳ありませんでした。そして息子のライトを助けて頂きありがとうございました。この御恩はいずれ必ず返します!」
帰る時の王妃様は、決意のある目をして帰っていった。ライト王子も素直に頭を下げて帰っていった。
「さて、これから王家は荒れるな」
「そうだね。僕らも準備だけはしておかないとね」
本当にシオンの兄達は10歳にもならない子供なのかと思うくらい、発達した頭脳を持っていた。
「二人とも、勝手に動いてはダメよ?お父様と相談して、意思を統一して動きましょう」
「はい!」
「わかりました」
母には素直な二人であった。
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