感動してマブダチになった!?
すみません。
1話投稿忘れてました。
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シオンの母リーゼは、一息入れたシオンに再度、声を掛けた。
「シオン、ちょっと良いかしら?」
ビクッ!?
「えっ!お母様?いつの間に………?」
ようやく気付いたシオンは驚いた様子だった。本当に集中していたらしい。
「ごめんなさいね。どうしても、王妃様とクソが……殿下が謝りたいと言うから連れてきたの」
「あっ、そうでしたか。ごめんなさい。全然気付かなくって」
リーゼは良いのよと言って王妃様を前に出した。
「貴女がシオン令嬢ね。先日は息子のライトが暴力を振るい申し訳ありませんでした」
王妃様は丁寧に深く頭を下げた。隣にいたライトも無理矢理頭を押さえられて頭を下げた。
「頭を上げて下さい。『私は』もう怒っていません。それよりちょうど良かったです」
うん?ちょうど良かったとは?
「シオン、どういうこと?」
「これを見て下さい。私が描いている新しい絵です」
今までシオンの影で見えなかった絵が顕になった。
「これはっ!?」
「えっ、ウソ!?どうして………」
意外にもシオンの描いていたのは【王妃】様であった。額縁の中の王妃は聖母のような、見るものを癒す微笑みを浮かべていた。まさに国母としてのみんなの母と言った感じの絵であった。
「素敵ね~」
母リーゼは感想を述べた。そして疑問も尋ねた。
「シオンちゃん、いつの間に王妃様にあったの?」
「いいえ、本日初めて会いました」
「えっ、それでどうしてこのような絵が描けるのですか!」
「前に城に呼ばれた時に、肖像画があったのを拝見しました。城の肖像画は威厳のある凛々しい姿でしたが、私なら母性愛の溢れる女性と思い、優しい絵を描かせて貰いました」
!?
本人に会った事がないのに、肖像画を見ただけでこれほどの姿絵を描いたと言うの!?
『『『シオンは天才だ!!!!!』』』
ここにいる全ての者達の心が1つになる瞬間であった。
「でもどうして王妃様の絵を描こうと思ったの?」
「私の一件で王家と確執ができてしまいました。それを少しでもなくせればと思ってプレゼントを考えたらこれしかないかな?と思って………」
!?
シオンの言葉に母リーゼが驚いた。
「はぁ~、シオンちゃんの為にやった事がシオン自身に負担を掛けて、尻拭いさせる所だったのね。本当にごめんなさい!」
リーゼはシオンに抱き付き謝った。王妃様は絵を見詰めていた。そして突然に泣き出した。
「ど、どうされました!?」
動揺するシオンに、王妃は静かに首を振った。
「私はこのような聖母になれるのでしょうか?この絵を見ていると自分の黒く醜い姿が思い浮かんでしまって………」
リーゼはシオンから離れて静かに手を取った。
「今からでも遅くないわ!理想の自分に向かって精進していけばいいのよ」
「ええ………そうね」
王妃様は晴れ晴れした様子で笑顔を浮かべた。それはシオンの描いた微笑みの肖像画と良く似ているのだった。
「それより、この絵を頂けないでしょうか?できる限りの御礼を致します!」
「いいえ、まだ完成していないので、細部まで描いて完成したら無料で差し上げます。次からはお金を頂きますけどね♪」
一瞬驚いた顔をしたがすぐに笑顔になりシオンに頭を下げた。
「素晴らしい才能ですわね。これは確かにライトの婚約者には勿体ないですわ。この才能はもっと知られるべきです!」
「あら♪わかっていらっしゃる。今度、美術館で個展を開く予定なのよ♪」
「まぁ!それは素晴らしいわ♪是非とも協力させて下さいな!」
あっという間にリーゼと王妃は意気投合してキャキャッとシオンの絵で盛り上がった。
そこには敵対していた姿はなく、同じシオンの絵を広めたい同胞としての仲間として話し合っていた。
そう!俗に言うママ友になったのだった!
(なんか違う………)
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