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悪役令嬢は大好きな絵を描いていたら大変な事になった件について!  作者: naturalsoft


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20/107

よし!ぶっ殺そうぜ!

シオンが帰宅した時の事であった。


「「あのクソガキが…………」」

(カール公爵&シオン)


まだ怒りの収まらないシオン達は呪怨のようにクソガキが…………と、呟いていた。


ガクブル

ガクブル


『こ、怖いよー!これからシオンは怒らせないようにしようっと』


フィーネは馬車の中で震えていた。

ようやく地獄の空間から解放されたフィーネは外を思いっきり飛び回った。


『ああ、生きてるって素晴らしい♪』


そして、シオンが屋敷に入ると兄二人と子龍が出迎えてくれた。


「シオン、遅かったな。あのクソ王子との婚約は無くなったんだよな?」

「こら、ルーク言葉が悪いぞ。シオン、カール公爵が付いて行ったんだから婚約は無くなったんだよね?」


ちぇっ、1人だけ良い子ぶりやがって。長男のルークは呟いたが、シオンの頬が少し赤い事に気付いた。


「お、おい!シオン?その頬はどうしたんだ?」


シオンは言われて自分の頬を触ると、怒りが込み上げてきて、ポロポロと涙を流した。


プルプルと堪える仕草は可愛い………じゃない、プルプルと堪える仕草は、痛みを我慢しているようにみえた。


「どどど、どうしたのシオン!?」

「れ、レイン!お前何かしたのかよ!」

「バカっ!何もしてないよ!ルークこそ何をしたんだよ!」


動揺するバカ兄二人に対して、子龍達はシオンの頬をペロペロと舐めてくれた。

うん、可愛いよ♪


「シオン、すぐに治療しなさい。レイン!動揺してないで、回復魔法を掛けるんだ」


父親に言われて気を取り直したレインは、回復魔法を掛けた。


「それで、何があったんだ?」


ルークの言葉に、カール公爵は言い難そうに言った。


「シオンがクソガキ………第一王子に顔を殴られたんだ。俺の婚約を断るとは何様だと言われてな」


ブチッ


「…………よし、そのクソガキを殺そうぜ!」

「珍しく意見が合うな。力を貸すよ」


実に仲のよい兄弟である。


「だ、大丈夫よ!その後は、反撃してタコ殴りにしてやったから!ただ、いきなり殴られたから腹が立って………」


「そのクソ王子をタコ殴りにしたのか!傑作だな!ははははっ」

「確かに良い気味だけど、ムカつく事には変わりないね」


ゾクッと急に玄関の気温が下がった。

ドクンッドクンッと心臓の音だけが良く聞こえた。


「………シオンが理不尽に殴られたと言うのは本当かしら?」


ギギギッと首を横に振り返ると、お母様がやってきました。


「えっと、レインお兄様に回復魔法を掛けて貰ったので大丈夫です」


お母様はシオンの頬を優しく触り抱き締めてくれました。


「シオンは昔から我慢するから心配よ。大丈夫、この落とし前は必ずするから心配しないでね?」


お、お母様!?今の言葉のどこに心配しない要素があると?


「ねぇ、同じ子を持つ母親として、子供が理不尽に危害を加えられたらどうします?」


お母様の後ろにいた古龍のお母さんズは答えた。


「そうだな。八つ裂きは決定だな。あたいなら、チリも残さず灼熱の炎で消し炭にしてやるぜ」

「そうね~?あっさり殺してもつまらないから、適度に回復魔法を掛けて永遠の苦しみを味合わせるかしら♪」


リヴァイアサンのお母さんの方が怖いわー!


「それと、あなた?あなたが付いていながらどういうことかしら?」


いきなり話を振られてしどろもどろになるカール公爵だった。


「それは……その…………すまなかった!」


立場の弱いお父さんである。ホロリッ


「はぁ、ルーク、レイン、わかっているわね。即座に、王家との取引を止めるわよ」

「「はい!」」


「はいっ、じゃない!王家を敵に回すのか!?」


お父様だけは理性がありました。


「多少は仕方がありません。それに、向こうから頭を下げに来させることに意味があるのよ?」


お母様は氷の笑みを浮かべて知略を張り巡らせるのだった。



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