表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

2/107

いきなり命の危険です!

誤字脱字の報告と修整ありがとうございます。

オギャア!

オギャア!


とある屋敷にて元気な赤ちゃんが産声を上げた。


「御当主様!おめでとうございます!元気な女の子です!」

「おおっ!でかしたぞ!それでリーゼは大丈夫なのか?」


「はい!母子ともに元気です!」


出産に立ち会った侍女の言葉にホッと一安心するのは、夫であり、このバーニングハート公爵家の当主であるカール・バーニングハートであった。


こうして公爵家では祝いの声で賑わう中、庭の外から見守る者がいた。


『はぁ~どうして私がこんな事をしないといけないのよぉ~』


普通の人間には見えないよう、透明になっている元女神である『フィーネ』はため息を付いた。元々、下級女神であったフィーネは上司であり、上級女神であるアルテミスの補佐をしていた。

上司から確かにさんざん、あの人間の少女を気に掛けるよう言われていたが、つい怠けてしまったことで、その目を離した短い時間に人間の少女を事故で死なせてしまった。その罰として、妖精の姿に変身させられてしまい、あの転生した少女のアシストをする様に言われたのだった。

ちなみに、妖精の姿は鳥ぐらいの大きさである。


オギャアー!

オギャアー!


『ようやく産まれたわね。でも動き廻れるまで数年は掛かるわよね~』


そうだ!今の内に、この世界を廻って楽しんでこようかしら?

無事に産まれたし、早々に死ぬことはないでしょう。


フィーネはその場を移動しようと、最後に産まれたばかりの赤ちゃんを見た。


!?


なんと!慌ただしく動き廻る侍女達の中に、【悪意】を持った者がいたのだ。

腐っても女神であるフィーネには、人間の悪意が、黒いオーラの様に見えるのだ。


『ちょっと!?』


フィーネは急いで産まれたばかりの子供の所に向かった。


「頑張ったなリーゼ?大丈夫かい?」

「はい、2回目ですし大丈夫です。それで子供の名前は決まりました?」

「ああ、『シオン』と決めたよ。何故か、脳内に響いてきたんだ」

「まぁ!私もなんです。新たな赤ちゃんの名前はシオンって。不思議な事もあるものですね」


少し雑談した後、侍女達に追い出されるように当主であるカールは部屋を後にした。


「まったくもう、御当主様も心配性ですよね」

「仕方ないわよ。最近、何かと物騒ですものね?」

「でも、産まれた赤ちゃんは可愛かったですわ♪」



侍女達は手を動かしながら世話話に花を咲かせていた。そんな中、出産を終えたばかりの慌ただしく動き廻る侍女達の中に、見掛けない顔の侍女が通っても気付かれなかったのだ。


その侍女はベッドメイクをすると、こっそりと哺乳瓶をテーブルに置いて出ていった。


普段は別の場所に保管されているが、ここに置いておけば、誰かが使うだろうと予想してだ。


その侍女は部屋から出ると鋭い衝撃を頭に受けて昏倒した。


『はぁはぁ、間に合って良かったわ!』


フィーネは急いで当主であるカールを呼んできたのだ。そしてカールが不審な侍女を昏倒させたという訳である。


「お前達!」


ビクッ!?


侍女達は、いきなり怒気のこもった当主の声に身体を震わせた。


「この者を知っているか?」


昏倒させた侍女を見せると、侍女の1人が恐る恐ると手を上げた。


「確か、最近入った下級侍女だったと思います…………あっ!?」


!?


手を上げた侍女は、自分で言ってから気付いた。


ここは貴族でも最上位の公爵家である。ここの侍女や執事、従者などになるには、後ろ楯になる貴族の紹介状が必要になる。


そして公爵家に奉公して侍女になり、実績を積んで侍女長から推薦され、下級、中級、上級侍女として、より重要な場所を任せられるようになる。


当主夫人のお世話は無論、上級侍女の役割なのだ。下級侍女が出入りしてよい場所ではないのである。


こうして、詳しい取り調べが行われることになるのだった。



『よろしければ感想、評価、ブックマークよろしくお願いします!』

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ