最悪な出会い!でるか!?幻の左ストレート!
嫌々王子様に会うことになりました。
王城の中庭にテーブルが並べてあり、シオン以外の貴族の令嬢が大勢いました。
「あれ?こんなに集まっていたんだ」
『そうね。予定ならシオンがどちらかの王子様の婚約者に内定していて、残りの王子様の婚約者、もしくは婚約者候補をこのパーティーで見つけるのが目的だと思うわ』
フィーネの言葉にシオンは納得した。
シオンが中庭へ行くと、側にいた騎士の人が大声で言った。
「バーニングハート家の御息女シオン・バーニングハート御令嬢がいらっしゃいました!」
おおぅ!?
みんなの視線が痛いっす!
シオンは小さくなりながらテーブルの隅っこに座った。
「あ、あの!」
うん?私なんかに声を掛けてもメリットないよ?
シオンは声の方を見ると、可愛い女の子が少し怖がりながら話し掛けてきた。
「わ、わたしはスフレ男爵家の娘で、メリッサ・スフレです!よろしくお願い致します!」
緊張しながらたどたどしく挨拶してきた。
うん♪可愛いのぅ~ぐっふふふ
怪しい怖い顔になったシオンに、メリッサちゃんはひぃっ!と、怖がってしまった。
「あっ、ごめんなさい。私はシオン・バーニングハートよ。よろしくね!」
シオンが握手を求めると、メリッサちゃんは両手で握ってブンブンッと振って喜んでくれた。
「わたし、こんなきらびやかな大きなパーティーが初めてで、お父様達も友達を作ってくるようにっと念を押されて心細かったんです」
『なるほどね~男爵家って貴族では最下層の平民よりちょっと良い暮らしができる程度の爵位だからね。ご両親も、他の貴族の繋がりを期待して、プレッシャー掛けたんだよ。どうするシオン?友達になるの?これからメリッサはともかく、この両親とか利用してくるかもよ?』
フィーネの言うことも確かだけど、メリッサちゃんは良い子みたいだから友達になりたいな!
フィーネはシオンがそう言うならとOKしてくれた。メリッサちゃんと話していると、少し遅れて王子様がやってきた。
ざわざわ……
ざわざわ…………
令嬢達が王子に群がるが、王子はキョロキョロしていた。だれか探しているのだろうか?
あっ!?目が合った!
えっ、どんどん近付いてくるんですけど!?
近付いてきたのは金髪の王子様だった。
「お前がシオンだな?」
いきなり尋ねられてシオンは答えた。
「は、はい。シオンですが、何か御用でしょうか?」
シオンが名乗った後、パーンと言う音が響いた。
えっ?
「貴様!この俺様が婚約者にしてやると言ったのに断ったそうだな!何様のつもりだ!!!」
シオンは遅れて頬を叩かれた事に気付いた。
普通の令嬢であれば、涙を流して泣きわめくだろう。
でも、私は元の世界でも美大生だった大人だ。そんな無様な醜態はさらさない。
だから──
「何すんのよ!このクソガキがーーーー!!!!!」
シオンの幻の左ストレートが王子の顔に決まり、王子は鼻血を出しながら吹き飛ぶのだった。
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