御対面ですよ!
執筆の神が降り立ち、執筆が進んだので連続投稿いたします!
( ノ;_ _)ノははー!
馬車が王城の城門をくぐり抜け、入口に停車した。
「着いたようね」
シオンは父親のカール公爵にエスコートされて馬車を降りた。
「お待ちしておりました。カール公爵様!」
ガッキーーーン!!!!
目の前には騎士達が左右に整列しており、剣を掲げて出迎えた。
「うわぁぁぁぁああ!!!!凄いよ!?」
シオンは余りの迫力に目を輝かせた。
コソッ
「いつもこんな熱烈な歓迎をされるの?」
フィーネはカール公爵に耳打ちをした。
姿は消している。
「いや、多分子供のシオンをその気にさせるパフォーマンスだろう」
「なるほどね。単純なシオンだと、コロッと騙されそうね」
シオン達は騎士に案内され、謁見の間まで行きました。
重たい大きな扉がゆっくり開き、中へ入るとその豪華さに圧倒された。
「凄い………」
それしか言えなかった。
支柱に施された細かい装飾や、金細工に目を奪われた。
テクテク……
テクテク…………
辺りをキョロキョロしながらお父様の後を付いて行きました。
「国王陛下、お久しぶりでございます」
膝を着いてお父様が挨拶をしました。
私もそれに習って頭を下げます。
「うん、私とカールの仲だ。楽にしていいよ」
見上げると、お父様と同じくらいの若い国王様が玉座に座っていました。
「それにしても綺麗な子だね。5、6歳ぐらいだと可愛いという表現が普通だが………夫人に似て綺麗だよ」
「あ、ありがとうございます」
シオンはやっとの思いで御礼を言った。お父様が怖い顔をしていたので。
「私の娘にいやらしい目を向けないでもらおうか?」
「おいおい、ちょっと誉めただけだろうに………いつからそんな親バカになったんだ?」
国王様も呆れていました。
「まぁいい。それでここに呼んだのは君の娘を、私の息子の婚約者にどうかと思って呼んだんだ」
おぉぉ………お父様の予想通りだよ!
「はっはっはっ!それは光栄ですな!しかし、残念です。シオンには芸術の才能がありましてな。王妃教育を受けている暇がないのです。とても残念ですがお断りさせて頂きます」
!?
国王様もまさか断るとは思っていなく、驚いた顔をした。
「………本気か?カール公爵よ?貴族の令嬢がこぞって王子の婚約者になりたいと必死にアプローチを掛けるのだが?」
お父様は厳重に柔らかい布で覆われたフィーネの絵を取り出した。
「国王陛下、よく御覧下さい。これはシオンが描いた妖精の絵でございます」
布を取ると、金の額縁に入れられたフィーネの絵が現れた。そして国王様に渡したのだった。
!?
「な、なんと言う絵なのだ!まるで、絵の中の妖精が飛び出して見えるぞ!?」
国王様は、みんながよくやる、飛び出して見える所を手で何度も触ろうとして、やっと絵だと納得した。
「これは素晴らしい!」
大絶賛である!
「これを描いたのが愛する6歳の娘であるシオンですが?」
!?
「それは本当なのか?」
少し疑いの目を向ける国王様だが………
「少し時間を頂ければ、鉛筆の下書きでもこの作風を描けますが?」
シオンは紙と鉛筆を用意してもらい、1番簡単な、手が飛び出してみえるトリックアートを15分ほどで描いた。
「疑って申し訳なかった。確かにこれは芸術世界の革命と言える!」
「陛下、もし宜しければ公女殿下を我が息子のどちらかの婚約者として頂ければ幸いです。シオンにはこれからも、たくさんの作品を世に送り出して貰わなければいけませんので」
国王陛下の実子ではないが、陛下の弟である人物には公女様がいる。王族との繋がりはそちらでも問題ないのだ。
いや、息子には悪いが、公女様と息子が婚約すれば、バランスをとる為にシオンが王子の婚約者になることは無くなるのだ。1つの公爵家の力が強くなりすぎるからである。
しかし国王陛下は、仕方がないと言った感じで了承したが、1度だけでも息子達にあって欲しいと言われて、嫌々会うことになったのでした。
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