知らなかった!?
えっ、名前を付けると契約になって、その時魔力が失われるの!?
「まぁ、通常の魔物や精霊ぐらいなら問題ないのだけど、私達はそれなりに高位の『古龍』ですので、その契約に必要な魔力はかなり必要ですよ?」
ダラダラ………
ダラダラ……………
「ちょっと!大丈夫!?シオン、ねぇ!本当に大丈夫なの!?」
貴女に何かあったら、私が恐ろしいお仕置きされちゃうのよ!
「わぅ!?だ、大丈夫だから!」
シオンの顔に飛んでいったフィーネはペタペタとシオンを叩いて心配した。自分の為に!
「しかし、困ったな?」
「そうね。困りましたわね」
お母さんズは困ったと言い出した。
「な、何がでしょうか?」
ま、まさか、卵を持ち帰った事を根に持って………?
「この子達は直感で貴女が………シオンちゃんが命を助けてくれたと感じているわ」
「しかも名前まで付けて、契約までしてくれちゃってね~」
どういうこと!?
わかっていないシオンに赤髪のお母さんが答えた。
「つ・ま・り・だ!この子達は、お前から離れられないって事だ」
「本当に困ったわ。これでは帰れないわ」
「あら?それならここで一緒に暮らしたらどうかしら?」
そこに私のお母様がやってきた。
これでトリプルお母さんズである!
(どうでもいいわよ!)
(゜o゜(☆○=(-_- )゛フィーネ
「いたた………お母様、いらっしゃったのですか?」
「ええ、変わった訪問者がきたと報告があったので急いできました。初めまして、シオンの母でリーゼ・バーニングハートと申します」
お母様はドレスの裾を摘まんで綺麗にカーテシーをした。
「あら?御丁寧にどうも。私は北海を統べる古龍リヴァイアサンですわ♪」
蒼髪の女性は軽く自己紹介をした。
「アタイは東の火山地帯を統べる古龍ファフニールだ。子供が世話になったな!」
勝ち気な赤髪の女性は豪快な雰囲気で自己紹介した。
シオンは、ふーんと言う体で聞いていたが、お母様や一緒にきた侍女は固まっていた。
「どうしたの?」
はっ!?
シオンの声で我に返ったお母様はシオンの肩に手を置いて言った。
「良く聞きなさい。このお二人は、伝説にも語り継がれる生きた伝説の龍なのよ!」
なんだってーーーー!!!!?
「い、生きた伝説………?」
何それ!カッコいい!!!?
シオンは、母親とは違った感動をしていた。
「この度は、私の子供達が古龍様の卵を『取って』きてしまい申し訳ございませんでした」
あえて盗んだとは言わない辺りが、貴族としての言い方である。
「うむ、我が子を救ってくれたことでチャラにしてやる」
「ええ、大切なこの子を救って頂いたのです。それくらいは寛容ですわよ♪」
二人は子龍を抱き抱えて頭を撫で撫でしていた。
「それで、子供達がシオンと離れられないことで、提案があるのですが?」
二人はうん?と、首を傾げる。
「先ほど言ったのですが、子龍が親離れをするまで、ここで一緒に暮らしてはどうでしょうか?」
!?
私のお母様はとんでもない事を言ってきましたよ!
あれはマジで言ってたの!?
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