決戦!
次々に分身体を生み出すが、それ以上のペースで分身体が屠られていった。
「クソッ!こうなったら!」
邪神は分身体を増やすのを止めて力を溜めた。
「ハハハハッ!!!もう終わりかい!」
紅さんが邪神の本体に飛び掛かった!
しかし、邪神は黒い球体に身を包み紅さんを弾いた。
「ちっ、なんだあれは?」
自分が弾き返された事に驚きを隠せなかった。
アクアさんと蒼さんが魔法を放ったが、いずれも弾かれた。
「厄介ね……………隠れてばかりで恥ずかしくないのかしら!」
軽い挑発でも邪神は少しの間動かなかった。
そして黒い球体が解かれると、姿の変わった格好で出てきた。人間に近い姿から、もっと異形の姿となっていた。
人の姿にカニのような手足が付いて、下半身も蜘蛛のような姿だった。
「待たせたな。これで貴様達を殺してやるぞ!」
全身が真っ黒なのは変わらないが、目と思われる所は真っ赤にギラついていた。
「随分とステキな姿になったわね」
「それは嬉しい事を言ってくれるな。御礼に苦しめて殺してやろう」
邪神は真っ黒な黒炎を放ってきた。
ドンドンッ!!!!
ドーーーーーン!!!!!!
「クッ、さっきより魔力がかなり上がっているわ!みんな気を付けて!」
「どうしてこんなに短時間で強くなった!?」
警戒レベルを上げて構えた。
「クハハハッ!この王都に漂っていた不安や恐怖の感情を集めて力にしたのだ!普段ではここまで集まらなかったが、何処かのバカが王都を恐怖どん底に落としてくれたおかげだな!ハハハハハッ!!!!」
あっ!紅さんが古龍の姿で王都にやってきたばかりだもんね。一般市民への通達が行き届いてないよね。
「あちゃー!アタイのせいかよ!?」
紅さんは頭を掻いた。
「でも………ねぇ?」
「ああ、だからどうしたって事だよな」
蒼さんと紅さんはギランッと目を鋭くして不敵に微笑んだ。
「その目………気に入らんな?もっと恐怖しろ!!!!」
邪神は全身に魔力を漲らせて激しい攻撃を仕掛けてきた。
「死ね!死ね!死ね!!!!」
ドンドンッ!!!
ドンドンッ!!!
「あはははっ!どこを狙っている?」
「遅くて欠伸がでちゃうわ」
「惜しいわね。それは水で作った偽物でした♪」
前線では邪神の攻撃を避けながら紅、蒼、アクアの3人が邪神を翻弄していた。
「クソッ!クソッ!クソッ!!!なぜ当たらぬ!!!?」
邪神の放つ攻撃は地面を穿ち、まともに当たれば紅さん達ですら危険な威力があった。
だが、当たらなければ意味はない。
「ならばこれならどうだ!!!!!」
邪神は自分の上空に巨大な魔力玉を作り投げようとした。
しかし──
「死ぬが───ギャッーーーーーーー!!!!!」
邪神の背中から3本の剣が身体を貫いた!
紅さん達に気を取られているうちに、ライト、ジーク、メリッサが後ろに周り込み剣を突き出したのだった。




