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パン!ズシャッ!

 ノリと勢いで書きました('ω')

「グゴゥォォォァァアア!!」


 こんな広いフロアでのたった1体のオーク。


「ふむ。ボスだのー」


 ゲームでは、ボスと呼ばれる強力な敵と戦う時、大抵は専用の広い場所が用意されているものだ。

 ボス部屋とも呼ばれるそこは、ゲームをより面白くする為に様々なギミックが用意されていたりすることもある。

 

 崩れかけた石造りのステージで何故かそこにバリスタと呼ばれる兵器が置いてあったり。


 別の所に本体が隠れていて、そいつを倒さないと不死身だったり。


 巨人の踵を両方攻撃して破壊することで、転んで弱点の頭部を攻撃できるようになったり。


 ゲーム中盤で手に入る使用用途不明のアイテムが、ボスに使用することでボスの障壁を解除出来たり。


 時間が経過するにつれて地面が崩れたり。間欠泉がそこかしこにあって、そこから火傷じゃすまないレベルの高温の水や水蒸気が吹き出たり。


 そうやってゲームでは、ギミックという難易度の調整も行われているわけだが……。

 これは現実。そんなものがあるわけがない。

 そもそも、何もないだだっ広いだけのこの場所にはそれらしいものは見当たらない。


「ブゴォォォオオオ!!」


 故に────殴り倒す。


「ピッ!? ピギィィィィィイァァアァァァ!!」


 私の着ぐるみの腕には爪も付いている。

 だが私は、拳で戦う。


「プギャッ!? 」


 軽めのつもりで放ったパンチでオークが壁に吹き飛んでいく。


 おっと。思ったよりダメージが入ってしまったようだなー。


 やっと現れた高耐久な敵。

 私が戦闘の感覚を取り戻す事が出来るかもしれない。


 もう少し加減しなくてはいけないなー。


「──ンギィィィィ!」


 手に持っていた棍棒が横薙ぎに振るわれる。


 私に攻撃が命中するであろうその瞬間。


「──(スキル:我に傷つける事叶わず)」


 人を殺すには十分な速度が乗った棍棒が、私の体に命中する。

 私の体は金属質な音によって守られたが、吹き飛んでオークと同じ様に壁に激突した。


 ふむ。スキルの発動タイミングは完璧とー。


 このスキルは、たった3秒という短時間のみ効果が発動する。

 効果は、あらゆる攻撃を完全に無効化するというもの。


 ゲームでは、攻撃によるダメージも吹き飛ばしも無効化していた。


 ダメージではなく攻撃そのものを無効化するから、それによって発生したであろう吹っ飛ばしも無効になる。そう思っていたんだがー。


 再び振るわれる攻撃。今度は、タイミング良く弾く。

 これはパリィというテクニックで、タイミング良く攻撃を弾いたり防御したりする事でダメージを0にする。


 その後、色々と試してみた結果。ゲーム時代のテクニックやスキルは全て使用可能だった。


 だが、所々変わった所も見受けられた。これは、ゲームのスキルやテクニックを現実に置き換える為だと思われる。


「検証終了。戦闘には若干の修正が必要だが概ね問題なし、と」


 スパンッ!


 飛び上がりながら右手の爪で首を切り裂く。

 

 たった一度の斬撃。

 それだけで、オークは首から赤い飛沫を上げながら息絶えた。

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