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黒が率いる群れ

 (*'ω'*)

「アオォォォォォン!!!」


「「「「「「ウオォォォォォン!!」」」」」


 この状況は、絶望的と言わざるを得ないだろう。


 野営地は、ウルフの群れに囲まれている。

 吠えて叫んでたのは数匹だったけど明らかにそれ以上の気配がする。


 吠えてる奴に意識を集中させて不意打ちを狙おうとしてるのかねー?


「俺達に任せろ! ウルフなら何体でも問題なし! あっと言う間よぉ!」


「ここで一丁、俺等の強さを教えてやる! 散開しろ!」


 4人は商人さんと私を守る様に馬車を囲んで構える。

 構成としては、前衛が3人で後衛が1人。武器は、片手剣、両手剣、槍、弓とナイフ。

 後衛は既に弓の射程ではないのでナイフを抜いている。


 ちなみに、チャラ男が槍で茶髪の髭男が両手剣だった。


 弓使うのに警戒を怠って使えないって、戦犯だと思うよー?


 姿を見せたウルフの数は10……。

 後どれくらい隠れているのか……。


「うおぉぉぉおぉ!」


 両手剣の男が、飛び掛かって来たウルフを一撃で切り捨てる。

 その間に走って来ていた別のウルフを蹴り飛ばし、倒れた所を突き刺す。


 他の3人も順調に倒している。弓使いが若干ペースが遅いくらい。

 それぞれ後1体ずつといった感じ。今のところ問題はなさそう。


 ウルフ相手なら余裕だと豪語するだけの実力はあるみたいだなー。


「うわぁあああぁ!」


 突然、弓使いが悲鳴を上げた。見ると、弓使いが倒れている。

 彼の右足には真っ黒なウルフが噛みついていた。どうやら噛みつかれた後に引き摺り倒されたらしい。


「何だ! こいつ等、いきなり出て来た上にさっきの奴とは全然動きがっ──」


 槍使いも自慢の槍を抑えられてしまった。


「い、今助け──うおぉぉ!?」


 黒いウルフが両手剣の男の足元から這い出て来た。そのまま足に噛みついて引き摺り倒す。


「や、やめ、やめ、うぎゃあああああ!」


 片手剣の奴は既にウルフに囲まれていた。生きたまま食われている。


「ど、どうしましょうか? ここままじゃ全滅です」


 黒いウルフが見えているだけで4匹。普通のウルフが更に増援が来て14匹。


 覗き魔共は正直どうでもいいが、商人さんは助けたい。

 でも、逃げたとしても足が速いウルフから逃げきれるとは思えない。


「仕方がない。私が何とかしよー」


「だ、大丈夫ですか?」


「任せ給えよー」


 馬車から飛び出した私は、ずんずんとウルフ達に向かって歩いていく。


「──(≪スキル:我を恐れよ≫)」


 周囲の敵を威圧し、恐怖を植え付けてヘイトを集中させるスキルだ。

 ゲームでは、短時間スキル使用者以外への攻撃を封じるだけのスキルだった。


「「「「「──クゥゥゥン」」」」」


 ウルフ達は全員伏せの姿勢で平伏した。

 後は、このまま帰らせれば良い。


「グルルル……グルァァァ!!」


 奥から黒いウルフがゆっくりと姿を現した。

 他の黒いウルフよりも二回り程体が大きく、色はより黒くなっている。


「ほう。ちみがこの群れの長かねー?」


「……」


「言葉は通じぬかー? であれば……」


 一気に息を吸い込む。限界まで一杯に。


「──がおぉぉぉぉぉぉぉ!!!」


 私を中心に衝撃波が発生し、暴風が吹き荒れた。

 

「キャィン!?」「キャゥン!?」「キャンキャン!?」


 砂埃が舞い、木の葉が飛び、ウルフ達は吹き飛ばされて転がっていく。

 長だけが地面に爪を立てて耐えたが、それでも地面に数メートルの爪痕が出来ていた。


 そうして、私はジッと長を見つめる。


「グルルッ! ガウッ!」


 長は、上手く起き上がれない他のウルフの背を鼻で押して急かしながら去って行く。

 最後にちらりと振り返って私を見た時、その目にはもう敵意はなかった。

 

 今後、この作品を書き続けようと思います。他の作品も間にちまちまと入れていく予定です。

 コメント、誤字訂正、評価等々。応援を宜しくお願い致します。


 4/25:槍使い(チャラ男)と両手剣(茶髪髭男)の二人について追記しました。

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