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見られた!?

続きです。

 朝。他の部屋が一斉に起きだして来たのか騒がしくなり目が覚めた。


「おう。おはよう」


 既に起きていたおじさん。両手に料理を持って運んでるところだった。


「おじさん。大きな桶貸して欲しいのだがー」


「別にいいが……。その服でも洗うのか?」


「いやー? 体を拭きたいだけだよー?」


 都合がいい事にこの着ぐるみは、何をやっても壊れないし汚れない。便利だ。

 

「あー。ならこれでもいいか? デカい桶は食器洗うのに直ぐ使いそうなんでなぁ」


「構わんよー。ではなー。後で返しにくるぞー」


 朝食を食べている他の宿泊客からの視線を浴びながら外に出る。口に掻き込みながら視線だけでこっち見てる人、怖いぞー。やめれー?


 外の井戸から水を汲む。本来なら絶対持てない量の水が入っているが、ゲームの時の筋力のままらしく軽々と持てる。

 零さない様にだけ気を使いながら部屋へと戻る。


 インベントリからタオルを取り出して水に浸して絞る。

 ひんやりとして気持ちいい。井戸水は、思っていたよりも少し冷たかった。


 そういえば着ぐるみの中の服装は、何時もの部屋着だったホットパンツとTシャツだった。柔らかい生地の奴で私でも肌が擦れて赤くなったりしないお気に入りの奴。

 どうやらこれらも不思議な力によって汚れたり壊れたりしないようになっているらしい。


 お風呂に入りたいなー。髪も洗いたいしなー。

 

「──でさー。俺が圧勝したってわけよ! お陰でふつ──」


 入って来た若い男と目が合った。金髪中肉中背。皮鎧にマントで、片耳にピアス。

 よくいうパリピとかチャラ男とかいう奴。私が大っ嫌いな人種。


 それよりも……ここ、私の部屋だよね? 

 部屋は出入りする時に確認してる。間違える筈がない。


「今日は依頼があるから飲み過ぎるなって言っただろ? ん? どうした?」


 もう一人の男が覗いてきた。

 茶髪の顎髭の生えた高身長。筋肉質な体で所々金属で補強した皮鎧だ。


「な、なん──」


「うぅ……。うーーー!」


 水の入っていた桶を思いっきりぶん投げて男共を部屋の外へ。


 びしょ濡れになろうが、桶で怪我しようが知るもんか!

 直ぐ出て行くわけでもなく、じっとこっちを見てた。


 怖い怖い怖い怖い、無理無理無理。

 直ぐこの町を出よう! そうしよう!


 急いで支度を済ませて部屋を出る。男共はいなくなってた。会わなくて良かった。


「おじさん。直ぐに出る」


「お、おう」


 おじさんは、おっかなびっくりといった感じで私を見た。

 もう事情を知ってるのかもしれない。


「部屋に入って来た男がいたから桶投げて壊しちゃった。ごめんなさい」


「気にすんな。女の部屋に断りなく入る奴が悪い」


「一応。これ宿代とお詫び。新しいの買うと良い。金属製だと尚良い。」


 金貨を1枚カウンターに置き、呼び止められた気がしたけどそのまま店を出た。

 

 読んで下さった方。ありがとうございます。

 複数の作品の中から今後続けていく作品を選定中の為、もし宜しければコメントや評価、ブックマーク等での応援を宜しくお願い致します。

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