第三王女御誕生祭開催!目玉は、巨頭竜の丸焼き!
でっかい奴を丸焼きにして仲の良い人達皆で食べるとかやってみたいよね。('ω')
第三王女の御誕生祭。
第三王女フォヴィア=リューク=メルミュクス=アストライア様のお生まれになった事を祝うお祭りだ。アストライア王国の各地でこの町の様にお祭りが開かれているらしい。
普段は食べられない様なお高い物も出されるらしく、町は凄く持ち上がっている。
この町で開かれているお祭りの目玉になったのは、突如変更されて用意された巨頭竜。
なんでもこの鰐君は、王国の文献にも書かれている程美味しいらしい。嘗て一度だけ巨頭竜が討伐された際には、国王がその肉の美味しさに涙したとか。
尚、今回は王都までは遠い為に献上は見送られた。未だに冷蔵庫や冷凍庫、インベントリの時間停止を使える人がいないからだ。
転生者がいれば仕えるのだろうが、私以外には見たこともない。町2つだけしか知らないから他の場所に行けばいるのかもしれないが……。
モンスターをハントするゲームの如く、巨頭竜を丸焼きにする。
その焼ける様を見守っている間に色々と見世物があったりと祭りは盛り上がりを見せる。
「さあ! 皆さん! 遂に! 遂に巨頭竜が焼きがりました!」
「「「「「「「「うおおおおおおおおお!!!!!」」」」」」」」
「巨頭竜を倒した素材調達者の意向により、この巨頭竜の丸焼きは皆さんにも振舞われることになります! ですが、その前に第二王女であるセレニティア=リューク=メルミュクス=アストライア様
より御言葉が御座います!」
「まず、妹の御誕生祭をここまで盛り上げてくれる民の皆様に感謝を。国王は、皆様の事を良く褒めていらっしゃいます。その御言葉に応えられるよう、アストライア王国の民として勤勉に懸命に励んでください。」
黄金の糸と例えられる髪と宝石のサファイアの様な瞳を持った美しい顔。成人したばかりだというが、その御姿は、立派であった。
突如として知らされた第二王女の御来訪。
町の人々は驚きが隠せずにいた。
本来危険に満ちているダンジョンの町に王族がやってくることはないからだ。
町の人々を見てみると、只々御来訪を喜ぶ者、その理由を推測する者、御姿を見て見とれる者と様々だ。
そんな中、料理長が第二王女の為に巨頭竜から一番美味しいであろう部位を切り取って持っていく。
「お待たせいたしました! 皆さんへ巨頭竜の丸焼きを配ります!順番に並んでください!」
その一言に、先程以上の大歓声があがったのは言うまでもない。
我先にと列へ並ぶ人達。時々割り込もうとして弾き出される人もいた。
「なんだか池の鯉に餌をやった時みたいだなー」
私は、群がる人達を見て前世の公園で鯉に餌をやった時の事を思い出したのだった。
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近くの公園で餌をやった時、鯉の群がり方が凄くてドン引きした記憶があります……。