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お肉! ウマウマ! 美味しい物で満たされて

 食べたい物を書きました!('ω')

 最高の食事に必要な要素とは何だと思う?


 最高の食材に最高の料理人、空腹こそが最高のスパイスだと言う人もいるだろう。


 でも、一番重要なのは──



 ──食する人の食欲が最高潮であることだー。



 この『オーク特異種の商業ギルド主催の緊急食事会』と名付けられた場には、私やマリアンヌさん以外にも沢山の人が集まっている。

 商業ギルドの人達やたまたま予定の空いていた調達者が2級が3名と1級が1名、そして特級が1名、他にもユースさんの様な商人が数名と冒険者ギルド長。

 更に、たまたまこの町に仕事で滞在していた領主様。全員で20名以上の規模になった。


「お待たせ致しました。オーク特異種──今後は、特上オークと呼ばれることとなる──尽くしで御座います。スープ、ローストしたもの、ステーキ。ホットパイや遠方で取れましたガーリックと炒めたもの。トマト煮やハッシュドオーク。そして一番の目玉が、特上オークのシチューで御座います。」


 大きなテーブルを幾つも繋げて作られた場所を全て埋め尽くす程の大量の料理達。

 その全てに今回私が倒したオークが使われている。

 

 私が好みなのは、スープとハッシュドオーク、そして何よりオークシチューだ。

 前世でもビーフシチューが一番好きだった。

 

 特上オークのお肉が発する香りだけでも凄まじいのに、料理人によって更に進化を遂げていた。

 その場にいた人達は、その濃厚なお肉の香りに魅了された。


「料理も出揃いましたので、今回のオーク特異種改め特上オークの緊急食事会、開催いたします!」


 この食事会の全ての手配と根回しを行ったマリアンヌさんの乾杯の声と同時に全員が料理に飛びつく。


「ん……はぁ……」


「あぁ、濃く、そして優しい。素晴らしい」


「……ごくごく……ぷはぁ……。はふぅ……」


 ちょっぴりエッチな雰囲気なのは、スープを飲んだ人達。


「ガツガツガツッ!! これは──美味過ぎる!」


「これは、今までの物とは比べ物になりませんな」


「んぐんぐ……もぐもぐ……んぐっ!」


 ステーキやガーリック炒めを食べている人達は、食べる手が止まらない。

 豪快にステーキに齧り付き、かき込む様にしてガーリック炒めを口に放り込んで口をパンパンにして幸せそうな顔をしている。


「あぁ──あぁ──」


「く……くふ……」


「ずず……もぐもぐ……」


 ローストオークやトマト煮を食べている人達は、仕草こそ上品だが顔が蕩けてしまっている。


 そして、オークシチューを食べた人達は──


「もう死んでもいい」


「これこそ天上の物。正に至高」


「ごくごくごく。んぐむぐ、ごくん」


 その場に伏していた。


 私も口のバイザー部分をスライドさせてそこからビーフシチューを食べている。

 前世で食べた世界的に有名な料理人が作ったビーフシチューと比べると全然ではあるが、中々美味しい。


 あの味をまた食べてみたいものだ。


 ちらりと会場を見渡すと、1名を除いて全員がお腹一杯の様で会話に花を咲かせている。


 あの小さい子。成人男性の数倍は食べてるなー。

 今もトマト煮を鍋ごと飲む様に食べている。凄まじい胃袋と食欲だ。


「これにて、食事会は終了とさせて頂きます。皆さま、突然の開催にも関わらず御参加頂き、有難う御座いました」


 全員が満たされた顔で会場を後にするのを眺める。


 ──またしたいな。


 そう思える光景だった。

 皆で仲良く美味しい物を食べる。皆が笑顔で、満たされている。


 素材調達者になるのもいいかもなー、なんて考えていたら。


「貴方が、かいじゅーさん?」


 そう声を掛けてきたのは、私よりも少し大きいくらいの少女だった。



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