商売の事なら商業ギルド
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次の日。私は、ユースさんに会いに来ていた。
「ユースさん。昨日お試しで行ったダンジョンで、オークを取ってきたんだけどー。欲しいかーい?」
「オ、オークですか? 結構深くまで潜られたんですねぇ」
「そうでもないよー? ちょっと進んだ広い場所に単独で居たからねー。こう、サクッと倒してきたのだよー」
「広間にいたオークをサクッと……ですか……。オークは群れる魔物だと聞いていますから、その個体は群れから逸れたか特殊な個体なのでしょう。オークはお肉としては高級な部類に入りますので、うちの店では全ては買い取れないかもしれません。量はどのくらいでしょうか?」
私は、インベントリからオークを取り出す。血で汚すといけないので、染みない布を下に敷いてから置いた。
「い、一頭丸ごと、ですか!? これ程の量は流石に買い取り出来ません!」
「うーむ。では、どうしようか? 懇意にしている宿屋に聞いてみようかねー?」
あの宿屋ならこのお肉を買い取ってくれるかもしれない。
貴族も泊まることもあると聞いているし、高いお肉の需要はあると思う。
「この量であればかなり大きな取引になります。怪獣さん、商業ギルドに話を通してはいかがでしょう?」
「商業ギルド、となー?」
「はい。商業ギルドであれば全てを一括で買い取って下さると思います。他のお店を幾つも回られるより確実ですし、高く買い取って貰えると思います。」
「ふむ。であるならばー。商業ギルドに行くぞー」
ユースさんに商業ギルドの場所を聞いた後、ずんずんと歩き出した。
大通りのダンジョンと町の門の丁度中間に商業ギルドはあった。
硬貨とパンが天秤に乗った看板が目印。どうやらここのようだなー。
中に入ると、左側に複数のカウンター、右側には長い廊下と沢山の扉があった。
「頼もー。買い取りをお願いしたいのだがー」
カウンターにいる女性──優しそうな大人のお姉さんと皆がイメージしそうな──に声を掛けた。
「買取希望の物は、どういった物でしょうか?」
「オークだのー」
「かしこまりました。担当の者をお呼びいたしますので、金の1番のお部屋でお待ちください」
そう言って女性は、通路側を手で示した。
にこやかに応対してくれたあの受付の人は、人気がありそうだなー。
金色のプレートに1と書いてある扉の部屋で一人で待っていると先程の女性が入って来た。
「商業ギルド副ギルド長兼魔物素材総合担当のマリアンヌです。宜しくお願い致しますね。噂の白い怪獣さん?」
そう言って、先程と同じ微笑みを向けるのだった。
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