7-殺伐
「はぁ・・・・・はぁ・・・・・」
私は全速力で走り、家に帰った。振り返る余裕も、他の人の事を気にすることもできなかった。
―見てしまった。あれが百合川さんが言ってた"謎の女"なのか?・・・特徴は合致する。
【身長は高く、赤いリップをした長髪の女性。白いワンピースのような服装で、両手両足はなく、目と鼻もない。】
それに加えて怪しげな笑顔でこちらを見ている。それはとても不気味で、恐怖だった。
口が動いていたのが見えたのだが、何かを喋っていたのだろうか?
私は息を整え、冷静になり、これまでの事をノートに書きだしてみた。
1、隣町の中学校で1人の女子生徒が水死体となって発見された。
2、隣のクラスの高木さんが水死体で発見された。
3、百合川さんから"謎の女"の事を聞いた。
4、紅葉と茜がいなくなった。
5、茜の様子がおかしくなり、それに加えて百合川さんが学校に来なくなる。
6、・・・・・茜が水死体となって発見される。
7、独自での捜査中、今度は私が"謎の女"らしき女を見る。
「最初の2つが"謎の女"の仕業だとしたら、全ての辻褄が合う。・・・・でもこれをどうやって止める?」
そう。止める方法がないのだ。相手は得体のしれない、人間なのかも不明な存在。
今までそんな存在を信じてこなかった。
―私は自分で見た物しか信じてないよ。特に都市伝説とか幽霊とかの類は全く信用してない。だからどう思うって言われても【どうも思わない】としか答えられない―
今になってクラスの女子たちに言った言葉が頭に浮かんできた。
「・・・・話してみるしかないのかな。」
少なくとも楓と紅葉、それと菜花さんには言ってみた方がいいのだろう。
でもそれであの子たちに危険が迫ったらどうする?もしそれで死んでしまったらどうする?
この心配が私に一歩踏み出すのを迷わせていた。そしてその間、水死体が見つかる事はなく捜査も一旦中止することにした。
・・・百合川さんは一体どうなったのだろう。家に行こうと思っていてもそもそも家を知らない。
担任が未だに学校に戻ってきて無いのも不思議だ。もしかして、この担任も・・・・・
「・・・・・頼ってみるか。菜花さんを。」
そう決意した所で、急に睡魔が来たのでベッドに入った。
この日"は"変な夢は見なかった―




