9-幼馴染
百合川さんの葬儀は、ご家族のご意向で親族のみでやることになった。
そのため私を含め、クラスメイト全員は学校に来ることになり朝のHRで黙祷の時間が設けられた。
・・・私も夢に"謎の女"が出てきたらこうなってしまうのだろうか・・・?
単純な疑問が頭に浮かび、少し恐怖を感じた。
しかし、怖がっている場合ではない。百合川さんの為にも茜の為にも"謎の女"の正体を暴かなければならない。
目的は何なのか、どうやって殺したのか、一体何者なのか。
普通に授業をやると思われたが、校長の独断でしばらくは休校になった。もう帰っていいと副担任からも指示があった。
当然と言えば当然である。第一の被害者が通っていた隣町の中学校も休校になり、なるべく自宅から出ないようにと言われているそうだ。
訃報はペースこそ落ちているものの、いなくなってはいない。
私は家に帰る前に、以前"謎の女"に会った場所まで来ていた。
「・・・・それらしき女はいない・・・か。やっぱり見間違いだったのか・・?」
と、思った次の瞬間背中にゾクッとした感覚を覚えた。
―いる・・・後ろに。あいつが。
私は意を決して声を出し、問いただした。
「・・・・あんたが茜と百合川さんを殺したのか?どうやって殺した?目的はなんだ?」
その問いに"謎の女"らしき気配は答える事はせずに、段々と私の背後に近寄ってきた。
ひた・・・・・ひた・・・・・ひた・・・・・・・・・ひた・・・・・・・・・・
まるで水の中を歩いているような音でこちらまで近づいてきている。脂汗が止まらなかった。
「答えろ・・・!なんで茜と百合川さんを殺した!!」
それでも声を荒げて問いただしてみたが、何度繰り返しても返事が返ってくることはなく近づいてくる音だけが耳に届いていた。それが答えだと言わんばかりに。
私はこのままではまずいと思い、全速力で走り出した。走っている最中振り返る事はせずに。正確には振り返れなかった。振り返ってしまったら死ぬ。本能的にそう感じてしまったから。
家に着いた時には尋常じゃないぐらいの汗が出ていて、紅葉と楓がどうしたの!?とタオルを渡してくれた。
紅葉と楓には言う訳にはいかない。この二人は私の幼馴染だから。心配をかけるわけにはいかない。
「・・・・・・ちょっと全速力で走ってみたくなってさ。」
適当な事を言って誤魔化した。
「何だそりゃ!」
と笑う楓。
―そこで私は目を覚ました。




